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還暦を迎えた北九州市。60年前、5市合併の前ぶれとは?

2023年2月10日。
北九州市は、市政60年の誕生日を迎えました〜!!
おめでとう〜!!!
パチパチ〜!!!

還暦祝いに赤いちゃんちゃんこを着せてあげたいですね。
冒頭の画像は、市政60周年仕様の、小倉織をイメージした名刺などのデザインです。ネットから検索・引用させていただきました。おしゃれですね!


アカウント名や日頃の投稿からも明らかですが、
ぼくは、この北九州市が大好きです。
なぜかというと、生まれ育った街だからです!!!!(笑)
これ以上の理由はありません(笑)

一度、県外に出て、自分のまちの素晴らしさを外から実感しました。
帰ってきて、北九州市消防局の職員として仕事ができることを嬉しく思います。

生まれ育ち、もちろん現在も住んでいるこのまち北九州市。
子ども達にとっても、ふるさとになっていきますし、仕事もさせていただいています。

この歴史的な日に、ちょっとだけ当時を振り返ってみたいと思います。


60年前の今日、
門司市・小倉市・若松市・八幡市・戸畑市の隣接する5市が、どちらに寄せるとかどちらに吸い込まれるなど無く、上下の関係なく、『対等合併』をしました。
人口100万人の大都市になり、政令指定都市の仲間入りをしました。

対等合併した5市は各『区』となり、現在では、小倉は南北、八幡は東西の区に分かれ、全7区に分かれています。

ちなみに、各区を列挙する際には順番が決まっています。
門司区⇒小倉北区⇒小倉南区⇒若松区⇒八幡東区⇒八幡西区⇒戸畑区の順です。
序列というほどではないですが、必ずこの順番です。
5市の頃の、設立順だと聞いたことがあります。


北九州市は、九州の最北端。
本州とは関門海峡の目と鼻の先で接しており、古くから交通の要衝だったことは間違いないと思います。
九州では、東に行くにも、西に行くにも起点となる所です。

北九州市の方言は独特で、
本州由来のもの、九州東部由来のもの、九州西部由来のものが入り混じる、中間的な面白い方言です。

文化においても、同様に様々なものが入り混じっています。
今で言う、ビジネス。人や文化が入り混じって発展してきた街と言えるでしょう。

もっと古くから見ると、『國』で分かれていた時代。
豊前と筑前の國が、今の北九州市の真ん中あたりから分かれていました。
その辺りをずっと見ていくと、『国境石』が線を繋ぐように点在しています。

そんな歴史感やまちの風土もあって、今でも、7区はライバル関係(笑)
良いような悪いような?(笑)
バチバチ火花を散らしています。

これまでの首長も、北九州市が培ってきた文化そのもののごとく、外(中央)からトップがやってくるというような街です。
地元から立ち上がっていったら、調整が難しいんでしょうね。
例えば、小倉の人が立候補したら、八幡が叩くとか?(笑)地元の生え抜きは難しいんでしょうか。


さてさて、
60年前の、『対等5市合併』は当時でも現在でも、とても珍しいものでした。
あまりオープンな文献が見当たらないので、ちょっと自信がないところもあるんですが(笑)ぼくが勉強してきた情報です。


5市合併の前に、実は、
『消防』が合併しています。

その後、市政全体も合併するという流れでした。

これは、ある種の『前ぶれ』とも言えるのかもしれませんね。

予行練習とか言ったら怒られるかもしれませんが、行政の一部分をまずは連携してみて、様子を見たということも、もしかしたらあるのかもしれませんね。(これは勝手なぼくの憶測です)



平成10年代から、『平成の大合併』として、次々と市町村の合併が進んでいきました。
政令都市の用件緩和もありますが、
行政の効率化が最も大きいと思います。


地方行政を進めるなかで、『エリア』的な対応が必須です。
そのエリアのなかでの住民への行政サービスをするなかで、人口規模と範囲が課題になります。

なので、地形や面積、それに応じた人口の密集具合、ということでしょうか。
交通や通信が、発達していくなかで、従前からの面積よりも広くしても対応が可能ということが大きいと思います。

各種のシステムや、専門の部署・部門など、どの市町村も似たような仕事をしていますから、統合できるんだったら、してしまった方が効率的ですよね。

住民の税収から仕事をしている行政機関において、より効率を目指す市町村合併が次々と起こりました。


では、消防の話に移ります。

警察は、都道府県単位ですね。
市町村ごとにやってたんじゃ大変です。
例えば、国道322号線、モノレール沿い南へ犯人が逃走します!トンネルを抜けて田川に入ったとたん、もう権限外・・・になっては要領悪すぎますよね!(笑)
警察は、県単位です。

消防においては、消防組織法において、
『市町村』で実施するように定められています。

災害は、犯人のようにエリアを越えて逃走しませんから(笑)
そのまち、そのまちの災害に対応したり、予防したりする消防はローカルでも大丈夫ですね。
市長村長の首長に、消防行政の運営が託されます。

とは言え!

市町村合併と同様です。
近接しているどの地域も、同じように消防を運営しています。

消防設備・車両はどれもお高いです。数の少ない特殊車両だってあります。予備の車両なんかも要るんですよ。火事が起こって、あ、いま車検中ですなんて言えませんからね。
大きな災害があったときのマンパワーの充実など、そこそこ広い地域で共有しておいた方が効率的です。

そこで、消防では全国的に広域化を推進しています。
『合同消防本部』ということで、市町村の単位を超えて連携した消防本部が設置されています。

平成20年代に入ったら、都道府県が、市町村単位の消防の『広域化』をどんどん支援するように!ということが法にも書き加えられました。


とは言え、
市町村単位の消防は、行政とも密接に繋がっています。というより、行政の一部です。
市政のなかで、各種施策がもちろんあります。

合同消防本部になると、市政から消防部門だけが切り離されるようになってしまいます。
なかなか一筋縄にいきませんよね。


そこで!
福岡県でも実際に運用されているのが、
『指令システム』の共用化です。

『119番』通報を受け付けて、『指令』を出す業務です。
また、無線などを通じて、災害対応の連絡・連携をとります。

どの消防本部でも同様のことをしていますが、『指令システム』を共用することができれば、施設面でも人員面でもメリットがありますよね。

実際にこうした運用も福岡県内で始まっています。


指令の共用化
⇒消防の合併?
⇒行政全体の合併?
ということになっていくのでしょうか。


北九州市長選挙で、「北九州市は100万人を再び超えることは絶対ない」と批判していた市議会議員さんもいらっしゃいましたが、ひと昔前の人口の増やし方は合併でしたね(笑)

さて、どうなっていくでしょう。
いろんな利害関係も絡んでくるんでしょうね。

時代に合わせて進化していかないといけないこともあるでしょう。
何より、市民のため、どう進んでいくべきなんでしょうか。

暦が一周した北九州市。
また、新しい時代を周り始めます。


今日もご覧いただきありがとうございます。


<1年前の”今日”の記事★>

所作の美しさ。
消防の話にも通じる話題です。






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