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昨日、一緒に活動した学生が、「これを手伝ってくれませんか?」と聞かれ「僕で良ければ」と即答したこのセリフが、素晴らしいなぁと思って、ずっと胸に刺さっています。

僕たちNPO法人好きっちゃ北九州は、主に子ども達をターゲットとした活動をしていて、学生たちと一緒に活動することが多いです。
昨日、谷本くんという、僕の信頼する大学3年生と一緒に活動をしていました。

主催である市民センターの職員さんから「これを手伝ってもらえませんか?」と聞かれ、数人いるなかで、谷本くんが「僕で良ければ!」とスッと回答しました。

彼はこれまで色んな協働の場面を経験してきており、とてもとても頼りになる好青年です。彼の行動力や適応力にはいつも感心させられています。

この、なんでもないようなセリフが、僕の胸に刺さっているのが、僕自身不思議で、自分自身の咀嚼を含めて書いていってみます。

テーマとしては『協働』ということです。
以前に書いた記事も紹介しておきます。


①頼む側からの気持ちよさ

複数人で何かをしたいとき、「頼む側」と「頼まれる側」が存在することが多いです。
これがフラットな関係になったり、両者が主体的に取り組めたときに「協働」と言えるようになりますが、なかなかそうはいきませんし、全てにおいてそうしていては前に進みません。

重たいことでも雑多なことでも、「頼む側」と「頼まれる側」が存在していて、それぞれの心理状態を考えてみます。

頼む側は、協力してもらうのに、申し訳ないなという気持ちがあったりするものです。

言い方にもよるでしょうが、「いいですよ」とか「分かりました」という回答だけでは、「本当はイヤだったんじゃないか」とか「ああは言ってくれたけど申し訳ないな」とか思うものですよね。

「はい、協力します」と言われたとしたなら主従の関係ができあがってしまいます。(以前に書いた主従の関係の記事も入れておきます)

『僕で良ければ』というセリフには、色んな要素が組み入れられていると感じました。

「主体的に協力したい」という気持ちも感じることができるし、
「自分の能力や立場に合うのであれば全力を尽くすよ」っていう雰囲気も感じます。

やらされた協力は良くないし、頼む側の心境も分かっている彼だから、スッとこの言葉がでたのかなぁ。

「手伝ってもらえますか?」と聞かれ
「僕で良ければ」と答えると、次のセリフは決まってますよね。
「ぜひお願いします!」

頼む側が気持ちよくなります。
すごいセリフだなぁ・・・。


②謙虚な気持ちが伝わってくる

下手(したて)に出過ぎるのも良くないことは多いですが、謙虚な姿勢や立ち振る舞いは見ていて悪い気はしないですよね。
むしろ感心することが多かったり、何よりも親しみを感じますよね。

いつも謙虚な彼のスッとでた言葉なのですが、
「ご希望どおりにできるか分からないけど全力でやります」
という意味合いもこめられているように感じました。

こうした言葉遣いひとつで随分違うものだなぁと感じました。


③そういえば

このフレーズで連鎖して頭に浮かんだのがカウンセリングや悩み相談での言葉です。
「私なんかで良ければ、話を聞くよ?」

これ、洗練されたフレーズですよね。

「話を聞かせてください」では、土足で踏み込まれるみたいで話したくないし、この接頭語を入れるだけで雰囲気が全然違いますよね。

日本語には、とっても難しい『謙譲語』がありますよね。
単なる単語や語尾だけを変えるんじゃなくて、こんな風に、こちら側が謙虚な姿勢で相手に近づくという言葉選びもできるということですね。

連鎖して頭に浮かんだもう一例。
「先日はありがとうございました」
「いえいえ、こちらの方こそありがとうございました」

これもよくあるやりとりですよね。
では、もう一言、加えると?

「先日はありがとうございました」
「とんでもないです、こちらの方こそありがとうございました」

協力した両者の歩み寄りや、お互いが謙虚な会話、協力して当然だと感じていたことが伝わってきます。


昨日、協働した学生のスッとでた言葉に深く感銘しましたので、少し考察してみました。

「学生」というくくりで、教えられる側と位置付けず、その人から学ぶことも多いことを改めて感じました。

謙虚には程遠い僕の性格ですが、彼のように、スッとこうした言葉遣いができる人になりたいと思いました。

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