【書いて暮らしを紡ぐひと #02】生きやすい人を増やしたい moeさん/キャンドルアーティスト・ジャーナリング講師
書くことを通し、ご自身を整えながら暮らしを紡いでいる方々をご紹介するシリーズ「書いて暮らしを紡ぐひと」。
今回はキャンドルアーティスト・ジャーナリング講師のmoeさんにご登場いただきます。
moeさんは「生きやすい人を増やしたい」という想いを持ち、キャンドルとジャーナリングを掛け合わせたアイテムや講座を制作・開催されています。
現在のような活動をされるまでの経緯や、セルフケアとしての「書くこと」をどのように暮らしに取り入れているのかなど、詳しくお話を伺いしました。
【キャンドルと出会った意外なきっかけ】
ーキャンドルアーティスト・ジャーナリング講師としてご活躍されているmoeさん。現在の活動内容を詳しく教えていただけますでしょうか。
ーはい。主な活動として、オリジナルキャンドルの制作・販売をしています。
キャンドルを灯しながらジャーナリングの時間を取ると、それぞれの相乗効果によって心がほっと安らぐのではないか…という想いから
・ジャーナリングカードを同封したもの
・ジャーナリング時間に適した「5分間」で灯し終わるもの
など、キャンドル×ジャーナリングをテーマにした作品も、これまでにいくつか制作しました。
その他にはキャンドルのワークショップ開催したり、現在は企業さまの講座内で、月に2回ジャーナリングの講師を担当させていただいています。
ーmoeさんがキャンドルづくりを始めたきっかけをお聞かせください。
ーある日たまたまスマホで、キャンドル制作のショート動画を見つけて。「シリコンモールド」という型にキャンドルの液を流し込み、固まったら取り出す…という制作方法の動画だったのですが、型をぺリぺリはがして取り出す様子がとても気持ちよさそうで、そこからキャンドルを作りをはじめました(笑)
ー「可愛い」「癒されそう」ではなく、「めくってみたい!」がスタートだったんですね!(笑)
ーはい。実はそれまで1度もキャンドルを自宅で使ったことはなく、特に興味もなかったんです。(笑) 動画をみたことをきっかけに、「型をめくってみたい」という気持ちだけでスタートしたら、キャンドル作りにどっぷりハマってしまいました。
ーはじめてのキャンドル作りの際は、キットなどを購入して試されたのでしょうか?
ーいえ、独学で作り方を学び、材料を集め、「どうしたら理想のものができるのか…」と考えながら、ひたすら試行錯誤を繰り返しました。
ー実際にご自身で作ったキャンドルに初めて炎を灯したとき、どのように感じましたか?
ーはじめは自分で制作したキャンドルが可愛すぎて、なかなか使うことができなかったんです。ですが作るうちにどんどんストックが溜まっていって、やっと「使ってみよう!」という気持ちになりました。
実際にキャンドルに灯した炎を眺めていると、「自分で作ったキャンドルに、ちゃんと炎が灯った」「キャンドルの火のゆらぎって、本当に癒されるんだな」などといったことを感じ、なんとも言えない嬉しさとともに、あたたかな気持ちに包まれました。
ー素敵です。大人になってから「これを追求したい!」と思えるほど夢中になる何かに出会う機会は、とても貴重なものですよね。
moeさんのお話を聞いていると、制作をスタートした当時の楽しさが伝わっていきます。
ー何もわからない所から、無我夢中で「学ぶ」「作る」を繰り返す時のあの楽しさは、キャンドル作りを始めた頃にしか味わえない気持ちだったなと思います。
ーのちにキャンドル制作だけでなく、販売をスタートされたmoeさん。そこに至るまでの経緯などをお聞かせいただけますでしょうか。
ーはい。子どもを出産後、専業主婦として家事や育児に専念する毎日を送っていました。その中で「家でできる仕事で、自己表現ができたらいいな」という漠然な気持ちを持っていたんです。
はじめは「キャンドルを仕事に」とは全く考えていなかったのですが、子どもの保育園の入園や、知人から「キャンドルを制作してほしい」とお願いされたタイミングが重なって。
「家にいながら」「自己表現ができる」キャンドル制作・販売に、本格的にチャレンジしてみようと思うようになりました。
【ジャーナリング講師の活動】
ーキャンドルアーティストと並行して、ジャーナリング講師としても活動されているmoeさん。ジャーナリングを伝える活動を始めたきっかけを教えていただけますでしょうか。
ーもともとノートや日記に考えを書き出すのが好きでした。モヤモヤしたり、本来の目標がわからなくなったとき、気持ちを言葉にすることですっきりする感覚を感じていました。
そんな時に「ジャーナリング」という言葉に出会い、実践するうちに、ジャーナリングが大好きになって。キャンドルと組み合わせたらより癒し効果が増えたり、キャンドル時間が充実するのではないかという気持ちが浮かびました。
ーmoeさんは、私が主宰しているジャーナリングガイド養成講座をご受講くださいましたね。講座中や、その後ジャーナリングを実践・お伝えする中で、ご自身に変化はありましたか?
より自分のことを深く知ることができたし、自分と向き合う時間が増えました。ジャーナリングを行うことで新たな気づきを得て、「うわーっ!」となるような、「自分はこれが好きで、だからこうなんだ!」と思うような…上手く言えませんが、自分とつながることができたような感覚がとっても好きです。
ーとてもわかります。ジャーナリングを行うと、自分が知らなかった気持ちに出会える嬉しさがありますよね。
現在は生活の中で、ジャーナリングをどのように生かしていらっしゃいますか?
ー講師として活動するうちに、自分の状況に合わせたジャーナリングテーマを考えることが、少しずつ得意になってきました。例えば「今日はモヤモヤしているな」と気づいたら、自分でいくつかテーマを設定し、時間を決めてジャーナリングを行っています。
ーセルフケアとして日頃からジャーナリングを行っているんですね。
ーはい。もうジャーナリングが無いとムリです(笑) 結局頭で考えていてもなかなか答えは出ないんですよね。書いた方が早いというか。
ー状況を書き出して状況を客観視すると、解決スピードも速くなりますよね。セルフケアとしてジャーナリングを活かされている、理想の形だと思います。とても嬉しいです。
【キャンドル×ジャーナリング】
ー冒頭でもお話しいただいた通り、ジャーナリングを組み合わせたキャンドルの制作をされているmoeさんですが、最近作られたものや、込められた想いについて詳しくご紹介いただけますでしょうか。
ー最近では今年の5月に「母の日キャンドル」というものを制作・販売しました。コンセプトは、「いつもがんばっている、お母さんになった自分へのごほうびキャンドル」。自分を労わる気持ちを思い出せるようなテーマを記載した、3枚のジャーナリングカードも一緒に同封しました。
毎日いそがしいお母さんたちが、「キャンドルを灯し、ジャーナリングを行う」というセルフケアの時間を通してリラックスしてほしいという想いを込めています。
ー購入者の方限定の、ジャーナリングシェア会も開催されたとお聞きしました。
ーzoomを使用し、ジャーナリングで書き出したことを参加者のみなさんでお話していく時間を取りました。「お母さん」という共通点があるので気持ちを共感しあうことができ、お話するうちに涙を流される方も。じんわりと、あたたかい空気の溢れるシェア会となりました。
また、最近では「今からここを感じる KOKO Candle」というキャンドルを制作し、販売をスタートしました。
いそがしい毎日を送られていらっしゃる方もお楽しみいただけるよう、5分間で灯し終わるキャンドルになっています。
私はいつも、だいたい5分間と時間を決めてジャーナリングを行っていて。「5分間で灯し終わるものがあったらいいな」というアイディアから、このキャンドルが生まれました。
KOKO Candleはこれからシリーズ化しようと考えているのですが、現在販売しているキャンドルの名前は″原石″。ありのままの自分を感じて欲しいという想いを込めています。キャンドルを透明にすることで「そのままの自分」を、中に金箔を入れることで「自分は空っぽではなく、すでに輝くものを持っているよ」ということを表現してみました。
ーなぜ透明にしたんだろう?と気になっていたのですが、そんな想いが込めれていたんですね。
今後はどのようなキャンドルの制作・販売を考えられているのでしょうか。
ー秋ごろに新しいキャンドルの販売をスタートできたらと、現在構想を練っています。具体的には月をモチーフにしたキャンドルとジャーナリングを組み合わせたものを作りたいなと考えていて、また購入者の方限定のジャーナリング会も開催できたらいいなと思っています。
【「自己表現をしたい」という想いの底に】
ーmoeさんはキャンドルをお仕事にされたきっかけの1つとして、「自己表現をしたいという気持ちを漠然と持っていた」と仰っていましたね。なぜこのような想いを持つようになったのだと思いますか?
ー以前とある講座内で、自分の好きなこと・ものをひたすら書き出すワークを行ったことがありました。その際に講師の先生から、「moeちゃんは自己表現したいんだね」と声をかけていただき、「そうだ!!」とすごく腑に落ちたことを、よく覚えています。
なんで腑に落ちたんだろう?と考えてみると、″周りの目を気にして、気持ちを押し殺すことが昔から得意”という自分の性格に、その時はじめて気が付いたんです。
周りの目を気にせず、自分を解放したい。何かを通してなら、それができるかもしれない。「自分って何だろう?」と考えていた期間が長かったからこそ、自己表現をしたいと思うようになったんだと思います。
―わかります。私も人に合わせるのが得意。その反動で、1人の時間が大好きです(笑)
ーですよね(笑)でも自分の特徴を知っているか知っていないかで、生きやすさは大きく変わると思います。「人に合わせるのが得意」だなんてそれまでは全く気づかずに毎日を過ごしていました。
ー自分を知ることで、セルフケアの選択肢も生まれますよね。「こんなに予定を入れたら、私は絶対疲れる!」と気づくことができたら、余白の日をあらかじめ作ることもできる。
ー本当に。バランスってとても大切ですよね。
【生きやすい人を増やしたい】
ーたくさんお話を聞かせてくださり、ありがとうございました。最後になりましたが、今後moeさんがやりたいことや、届けたい気持ちなどをお聞かせいただけますでしょうか?
ーはい。やはりキャンドル×ジャーナリングを広めていきたい。その先に、生きやすい人を増やしたいという想いがあります。
セルフケアとしてのキャンドルとジャーナリングが広まれば、″ありのままの私で生きていて大丈夫″と思えるようになる方が増えていくはずだと信じています。「なんで生きているんだろう」と、私自身よく考えていたので。そのままでいいんだよと、キャンドルとジャーナリングを通して伝えていきたいと思っています。
ー先ほどの「自己表現」のお話にもつながりますね。
ーありのままの自分で生きるって、勇気がいることだと思うんです。人に合わせていた方が怖くないですしね。でもそこで立ち止まって、キャンドルに炎を灯し、ゆらぎを見つめながら、ジャーナリングで本来の自分を見つめ直してみる。良い所も、悪い所も認めてあげられたら、すごく生きやすくなると思うんです。
ーその通りだと思います。キャンドルを販売したい、というだけでなく、その先に「こんな想いを届けたい」という部分まで、明確に持っていらっしゃることが伝わります。
ーありがとうございます。ただキャンドルを制作し販売するだけの活動だったら、もう続けていないかもしれません(笑)「ありのままでいいんだよ」「みんなもう輝くものを持っているよ」という気持ちを、これからも届けていきたいと思っています。
【まとめ】
日々湧き上がる1つ1つの自分の感情に、丁寧に向き合い続けているmoeさん。その繊細な感性と、真摯な姿勢から生み出される作品だからこそ、唯一無二の世界観が表現されているのだなと感じました。1人のファンとして、今後もmoeさんが生み出す作品・時間を心より楽しみにしています。
moeさんのSNS
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ジャーナリング×キャンドルのある暮らし|kohaku candle|moe(@kohaku.candle) • Instagram写真と動画
オンラインショップ
kohaku candle
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