#592 調和と不協和音
クラシック好きの家庭に生まれた私は、物心ついた時から古典音楽が生活の一部でした。それが持ついわゆる「こうなるべくしてこうなる音」が音楽の出発点として私の耳はクラシックの調和のとれた旋律に自然と慣れています。
世の中には、多様な音楽があり、それぞれのカルチャーに魅力があることは頭では理解しつつも、前衛的なメロディーが持つ「不協和音」にどうしても耳が馴染まないのです。
一方、私自身の存在は、常に社会との「不協和音」の中で成り立ってきました。学生生活の中で常に持ち続けた「社会と適合できない自分」は、時間が解決してくるものと考えていましたが、決してそうではないことに気づく。なぜ人はそんなにも「調和」を求めるのか理解できなかった私にとって、それはいつしか恐怖に感じることもありました。
自分の耳が求める調和と、心が感じる不協和音。
そんな矛盾を孕んだ私。
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