見出し画像

[3135]2024年4~6月開催 個人向けIR説明会での主な質疑応答内容

2024年4月~6月に開催しました個人向けIR説明会(計4回開催、のべ約780名ご参加)において、出席者の皆さまからいただいた主なご質問と弊社回答をまとめております。
※なお、回答内容につきましてはいずれも6月14日時点のものであり、記載内容につきましてはテキスト化するにあたり、ご理解いただきやすいよう加筆修正をさせていただいております。


1.連結PLについて

Q.売上の伸びに比して、利益の伸びが追いついていないように見受けられます。御社のビジネスモデルとして、このような利益率の低い状況が今後も続くものなのか、来期(2025年6月期。以下同)以降大きく改善していくタイミングであるのか教えてください。

A.当期(2024年6月期。以下同)においては、広島・大阪での新規拠点開設やコンタクトセンターの拡張、中古農機具分野における第2ヤード(車両倉庫)の開設と、様々な設備投資をこなしながら、この4月には、70名を超える新入社員を受け入れている。そのような先行投資が徐々に花開き、6月14日には再度の上方修正を出せるような状況に変化してきている。これまでの成長投資が大きく先行した状況から、これから利益率が改善していくタイミングに入ってきたものと考えている。

Q.連結数値で見ると、同業他社の伸びに対して御社の売上の伸びが物足りなく感じる。

A.まず、国内リユース市場のCAGR(年平均成長率)は6.2%と見積もられており、弊社のリユース事業における売上伸長率についてはこれを大きく上回っている。また、3Q(3か月間)のネット型リユース事業の売上増加率はYoYで+36%と非常に高く、こちらも業界のトップクラスの増加率となっている。ネット型リユースセグメントとして類似企業と比較した場合、非常に好調に推移していると考えている。

Q.利益率が一時減少傾向にあるように見えますが、理解不足でしょうか

A.一般的に、リユースマーケットでは単価が低いものに関しては手間がかかる分、粗利益率が高く、一方で単価が高いものは粗利益率が低くなる傾向にある。当社の場合、昨年9月末より、取扱商材に中古車を加えており、これが増えつつあることで全体的な粗利率が低下したように見えている。2Q・3ヶ月間の個人向けリユースの粗利率は45.5%だが、中古車を除くと48.4%という水準にある。同様に3Q・3ヶ月間では全体の粗利率としては44.5%だが、中古車を除くと48.3%とほぼ変わっていない。これからも、取扱商品の構成比が変わることで、粗利率の見え方が変わってくることはあると思うが、全体としてはしっかりと利益を確保しながら進めていける商材構成になってきているのでご安心いただければと思う。

Q.これまで売上が順調に伸びてきているにもかかわらず、長年、粗利を販管費で相殺する状態がつづいてきている。売上が伸びてきたに関わらず、なかなか利益率が上がってこなかった要因はどういったところにあるのでしょうか

A.特に直近3年間においては、市場の成長に合わせ市場のパイを取りに行く投資を行ってきたので、売上の増加と、新規拠点の開設費や地代家賃、また人員増のための採用費であるとか人件費等がセットで伸びるタイミングであった。しかし、当期を境に販管費の増加ペースを粗利の増加ペースを上回るフェーズに移行しつつあるとの認識であり、今後はしっかりと利益の出る形で進めていきたいと考えている。

Q.原価と販管費にはそれぞれどういった費用が含まれますか

A.まず、ネット型リユース事業については仕入にあたる金額が原価として費用計上されている。メディア事業については、システム利用料等が原価計上される。モバイル通信事業については、ビジネスモデルとしてUQ mobileから回線を借り、それをエンドユーザーに又貸ししているビジネスモデルなので、その回線原価というものがかかってくる。販管費については、概ね広告宣伝費であったり人件費であったりその他採用費であるとか、営業拠点の地代家賃であったり。そのほか、ネット型リユース事業であれば、販売に利用するYahoo!オークションや楽天市場、Amazon等に支払う販売手数料が販管費に計上される。

Q.今後利益を上げていくために、売上高に対する粗利率を上げていくイメージなのか、売上高に対する販管費率を下げていくのかどちらのイメージでしょうか

A.結論からすると、同時並行で進めてゆく。ただ、利益インパクトの大きさで言えば、販管費率の下がる影響の方が大きいと考えている。というのも、特に個人向けリユース事業においては商材によって粗利率が異なり、メインの仕入れ先が個人のお客様である以上、当社の思惑だけで「この粗利率の商材をこれだけ増やしたい」というようなコントロールができないということがあり、特に最近では相対的に粗利率の低い高価格帯の仕入れも増えてきている。よって今後も粗利率についてはある程度上下動するものと考えているが、販管費率については、さらなるDX推進により従業員1人当たりの生産性を向上させるといった施策を継続することで、漸減してゆくものと認識している。

Q. 6月14日の業績上方修正発表以降、株価が連投し、本日(※6月18日)は終値で945円でした。現在の業績予想に織り込んでいるデリバティブ評価損2億7,900万円は、3Q末の株価777円を前提にしているとのことでしたが、例えば本日の終値945円で今月末(※2024年6月末)を迎えた場合、この評価損の額は縮小し、経常利益が黒字化する可能性もあるということでしょうか?

(注)このQAは6月18日に行われたIR説明会での質疑をそのまま再録しております。その後の株価変動による影響含めた決算数値については8月14日に公表予定であり、確定したものではありませんのでご注意ください(※なお、2024年6月期 4Q末株価(6月28日終値)は1,001円でした)。

A.本日の終値945円をベースに考えた場合、3Q末時点の株価は777円だったので、株価はそこから上に振れている状況にある。いまの株価水準で期末を迎えた場合という仮定の話にはなるが、その場合、この777円と945円の差分がデリバティブ評価損の戻りとして+6,000万円ほど発生することになるので、あくまでこの株価水準が維持されればという前提にはなるが、経常利益の黒字化という可能性もあり得ると考えている。

2.連結BSについて

Q.中古車や中古農機具など、従来から取り組んでいるリユース品と比べ、保管スペースが必要となる在庫が増えていく傾向にあるかなと思います。在庫保管目的の土地建物への固定資産投資を行っていく意向はありますか

A.鳥取のリユースセンターはM&Aで取得したという経緯もあり、土地を自社保有しているが、北関東リユースセンターの拠点やヤードは、賃借している。これから先に関しても、固定資産を増やすという発想はあまりなく、基本的には賃借で進めていくことを考えている

3-1.ネット型リユース事業>個人向けリユース分野

Q.他のリユース企業と比べて、御社の強みはどこにありますか。コメ兵やバイセルのように高級品を取り扱わないことに、何かこだわりはありますか。

A.当社のネット型リユース事業の最大の特徴は、インターネット経由で、年間約45万件という日本最大級の買取依頼件数を集め、そこを起点に仕入れた商品をまたインターネット経由で販売するというところにあると思っている。当社の場合、この仕入から販売までの商品の回転率が非常に高く、資本効率が高い。また、出張・宅配・店頭といった複数の買取チャネルを持ちかつ全国展開しているということもあり、例えば電動自転車の領域では、パナソニックのアライアンス先としての同社の下取りサービスを当社が支えていたりする。当社も、コメ兵やバイセル同様、出張買取の強化を進めており、徐々にいわゆる「かくれ資産」に含まれる高額商品の取扱いも増えつつある。よって、販売商品の構成比についても、これまで強かった家電・楽器・カメラ・オーディオといったいわゆる型番商品から、ご自宅に眠るブランド品のようなかくれ資産の商品群に少しずつ比重が移りつつあるタイミングかと考えている。

Q.コロナ禍の際に盛り上がった電化製品の買い替え需要がそろそろ出てくる頃合いかと思うが、貴社サービスを使う人も増えないか?

A.コロナ禍においては、個人向けリユース事業だけでなく、自宅でWi-Fi環境を整えたいという人たちの需要から、モバイル通信事業の業績も大きく伸ばした。その後、反動減というものもあったが、全体的には人流も正常化し、引っ越し需要も回復するなど、通常どおりの動きを取り戻してきていると思う。最近では、物価高の影響もありリユース品が購入の選択肢に上がる機会も増え、そういった意味では需要は旺盛になりつつあると認識している。

Q.現在、生産性向上策として行っている各種DX策の進捗についてお伺いしたい

A.KPIとして公表できる形に至っていないのが恐縮だが、総じてうまく行っていると認識している。例えば、オートコールシステムの導入によりコンタクトセンターにおけるオペレーターのアイドルタイムというのが改善されており、お客様により効率的にリーチする体制が整ってきている。

3-2.ネット型リユース事業>中古農機具分野

Q.現状、中古農機具事業の手応えはどうですか。次の成長の軸になりそうでしょうか

A.中古農機具事業については前期売上高が21億円で、当期売上高は約30億円を目指している。日本の高温多湿・狭い田畑といった環境に合わせて作られた日本製の農機具はトラクター・コンバインはじめ非常に優秀で海外での評価も高い。お陰様で海外からの引き合いはかなりあり、また、いまだ取引実績のない国もまだまだあるため、これらの潜在ニーズも勘案すれば非常に有望な事業だと思っている。

Q.海外事業の進展状況を教えてください

A.中古農機具事業においては、海外販売比率が直近7割近くになっている。また最近ではアフリカ諸国からの引き合いが強い。今後ともより一層の収益拡大のため、海外販路の拡大というのは積極的に進めていきたいと考えている。

Q.海外への拡販を進めていく中で、将来的に国内と海外の販売比率はどれくらいの比率になると予想されていますか

A.まず、中古農機具分野についてだが、こちらは今後日本で使われなくなる農機具に増加が見込まれる一方で、海外需要は旺盛であり、トータルでは現状の海外販売比率7割というところを大きく超えてくると見ている。また、個人向けリユース分野においても、いわゆる越境ECを通じた販売が増えてきている。いまの肌感覚では個人向けリユース分野における販売品の2~3割が海外のエンドユーザーに渡っているという印象である。こうした流れもあって、今後、海外への販売比率というものは高まっていくものと見ている。

Q.海外への輸出に関し、人置くための拠点を海外に作るだとか、そのようなアクションは現状どの程度行っているのか

A.現時点特に海外拠点というものはなく、基本的には越境ECの形で行っている。但し、今後の販路拡大に鑑みた場合、機械を受け入れる側のお国事情等によっては、必要な手立てを講じていきたいと考えている。

Q.海外販路の拡大ということだが、どのような方法で輸出国の拡大を図っていくつもりか?

A.これまでの輸出実績でいうと81か国と取引実績がある。いま注目しているのはアフリカおよび南米諸国。いまは北半球の国への輸出が多いので、南半球の国を取引先に加えることで、農閑期・農繁期といった季節的な変動要因を平準化できればと考えている。直近わかりやすい事例としては、弊社で運営する「FARMMART」という中古農機具の販売サイトについて、英語以外にポルトガル語等への多言語化対応を図った。中古農機具事業における海外需要のポテンシャルはまだまだあると見積もっており、すでにお取引いただいてる海外パートナー企業からのご紹介等、着実に実績を作っていきたいと考えている。

Q.中古農機具の海外輸出について、世界情勢の変化(地政学リスク等)による影響は受けているのか?

A.まず、円安については恩恵を受けていると思う。海外ユーザーにとって中古農機具の購入に割安感が出てきているので、これまで海外販売比率が50%程度だったところから直近70%程度までに伸長し、これがマシナリー事業の業績押し上げの一要因になっている。一方で、世界で起こる紛争が海運航路を喜望峰周りへと遠回りにならざるをえなくなったりと、当社においても得意先の一つであるウクライナへの海運運賃に上昇が見られ、これが海外ユーザーの購買意欲を冷やしている面もある。ただ、地政学的なリスクは種々発生しているものの、総合的に見ればまだ当社事業に有利に働いている状況にあるかと思う。

Q.円安や、地政学的な海運の混乱等、最近貿易に関する諸問題が顕在化して久しいですが、御社の輸出事業に影響はないのでしょうか

A.円安については、海外ユーザーの購入メリットが大きいということで、海外向けの販売額が増えてきているなど、恩恵を受けている面がある。一方、海上運賃については、過去もコロナ禍の際に急騰した時期があったりと、現在も地域紛争等、地政学的に不安定な要因から海上運賃が高くなったことによる影響を受けている。こうした変動要因を読み切っていくってのは非常に難しいところがあるが、例えば海上運賃の高騰により海外顧客の買い控えが生じた場合には、販売先を国内にシフトするだとか、海外の例えば欧州向けの出荷を、アジア圏へ振り替えていくだとか、適宜適切にバランスを調整しながら事業を進めていきたいと考えている。全体としては今後も拡大の見込める大きな需要のあるマーケットであり、その時々で様々な要因によるボラティリティはあると思うものの、引き続き事業の拡大を図っていきたいと考えている。

4.モバイル通信事業

Q.モバイル通信事業のカシモWiMAXの営業方法について教えてください。

A.基本的にはインターネット広告がメインになる。一部でトライアル的に、認知度向上を目的にテレビCMをやってみたりはしているが、こちらについては今後継続するかは未定である。インターネットからの集客でいうと、価格comのような有名メディアを通じての集客であったりだとか、あとは自社のメディア事業で運営するiPhone格安通信だったりSIMチェンジであったりといったオウンドメディアからの送客が主体である。

5.人材採用について

Q.2024年6月期の人材採用状況について教えてください

A.この4月には新卒新入社員として76名が入社してきている。これは新卒採用数としては過去最大の人数である。

Q.採用強化をされていますが、毎期、育成期間等の短縮は実現できていますか

A.昨年から新卒の大量採用を行っているが、例えばこのDX化の流れで、彼らへの研修もオンラインで取り組むような仕組みを進めたりしている。当社ではいわゆるマニュアルにあたるものを「スタンダードブック」という形ですべてデータ化しており、現在、オンライン上で、そうした質疑ができるような仕組みも整えつつある。教育ノウハウは確実に蓄積されつつあり、教育手法というものも仕上がりつつあるかなというように認識をしている。

Q.2025年6月期の採用計画について教えてほしい。

A.いまの段階で具体的数字を申し上げるのは難しいが、今年の採用数に比して増やすだとか減らすだとかいった考え方ではなく、現在改善されつつある一従業員当たりの生産性向上数値のアップサイドを睨みながら、適切な販管費率を維持する範囲内で人員採用を考えていきたいと思っている。

Q.社員の定着化および離職率低減のための施策は何か行っていますでしょうか

A.社員の定着化・離職率低減については採用とセットで考えるべき課題と認識しており、前期から当期にかけ教育研修についても役員自らコミットするなどかなりパワーを割いている。新卒含めた入社1年目の社員が、会社のビジョンであったり、向かう方向性であったりとかというところを、仕事の中軸として持てるような教育コンテンツの作り込みを行ってきている。なお、その過程では、生成AIを活用し新入社員の質問にAIが回答を行うようなツールの運用を試験的に開始したりもしている。

6.マクロ環境の業績への影響について

Q.金利上昇や円安といったマクロ経済の動きは御社へ悪影響を及ぼすのでしょうか

A.金利上昇局面においては、家計の圧迫という面から消費防衛のためにリユース品の売買というのが活発になるため、リユースマーケットはそうした局面に非常に強いと思っている。また、リユースに抵抗感のない若い世代が増えてきているということもあって、リユースマーケットというのはこれからも非常に好調だと思っている。円安については、円安の影響で海外顧客による購入比率も高まりつつあるので、個人向けリユース事業においても海外からの購入が増えつつある。中古農機具事業においては売上の7割が海外向けということもあり、円安の恩恵を受けているところがある。逆に、円安でマイナス影響のある部分というのは、サーバ代や、システム開発を行うベトナム拠点の維持コスト等がある。ただ、全体としてはプラス影響の方が大きいように思っている。

7.当期3回の業績予想修正について

Q.当初の営業利益を8億円で予想していたところから2Qで下方修正を行ったが、そもそも下方修正に至った理由は何だったのか? 何か期初の段階で見込んでいなかったリスクが顕在したとか、外部要因で思った以上にコストかかっただとか、どのような計画とのずれが発生したのか説明してほしい。

A.人的投資をはじめ、先行投資していた部分について社内要因でその投資回収(収益化)が遅れてしまったのが主な要因。その結果、1Qで大きくビハインドし、2Qでも取り返しきれなかった。しかしながら、下期からは収益化が進んでいまぐっと伸びてきているところである。2Qでのリカバリが十分でなかったため、まず営業利益を8億円から1億円へ下方修正するに至った。その後、2回の上方修正を行い、投資家皆様には見通しの確実さについてご心配をお掛けした面もあったかと思う。ただ、この2回の上方修正については、2Q末時点よりも想定以上に投資回収のスピードアップが図れた結果というのが実際である。

Q.直近の業績予想修正開示を読むと、個人向けリユース事業とモバイル通信事業の売上の伸びが顕著なのかなというふうに読める。どちらの事業の方が粗利率が高く、どちらの事業を伸ばすと全体としての利益率が良化するというようなところがあれば教えてほしい

A.粗利率の高低でいうと、個人向けリユース事業の方が高い。一方で、個人向けリユース事業については、市場のパイを取りに行こうとこれまで新規拠点を出したりと人を採ったりと投資してきているので、販管費率も高い状況にある。

Q.今後の業績を考えた場合、どのような懸念材料あるか?

A.当社の場合、すべてのセグメントに共通するシーズナリティがあり、それは引っ越しシーズンである3~5月、ここに需要期がある。こうしたシーズナリティをできるだけ平準化すべく方策はとっているものの、Qごとの成績でいうと1Qについては他のQと比較し業績低調に見えやすい。

Q.お話をお聞きしてる限り、トンネルを抜けたことを感じさせる内容ですが、期待しても良いのでしょうか。それともまだ保守的に見るべきか教えてください

A.業績的には底を打ってV字回復を果たしはじめたタイミングだというふうに思っている。底を抜けたタイミングというように思っているので、株主様の期待に答えれるような実績をお示ししていきたい。

Q.来期は期待してよろしいですか

A.当期は2Q決算発表時に大きく下方修正を出しご心配をおかけした。その後、期中に2度の上方修正を出せるところまで業績の改善ペースは上がってきている。今後とも利益体質の改善を優先して進めていきたいと考えているので、来期の当社にもご期待いただければと思う。

8.株価対策

Q.現状の株価に対する考えを教えてほしい

A.株価については、ご心配をおかけし申し訳ない時期もあったが、2Qのタイミングで大きく下方修正を出して以降業績はV字回復し、3Qのタイミングでは上方修正をお出しするところまで来はじめている。ここからしっかりとご期待に応えられるように進めてまいりたい。

9.中期経営計画について

Q.今後、御社の成長の核となっていくのはどの事業なのか教えてください。

A.各事業とも力強さを見せている最中ではあるが、中期経営計画の中軸としてはやはりネット型リユース事業を据えている。

Q.今後もっとも成長を見込んでいる事業はどの事業でしょうか

A.現在大きく利益貢献をしている事業というと、メディア事業とモバイル通信事業。特にモバイル通信事業は引き続き好調を維持している。ただ、今後大きな成長を見込める領域というのは、個人向けリユース事業と中古農機具事業だと思っている。現状、全セグメントともに成長しているが、個人向けリユース事業と中古農機具事業はもう一段大きくしたい。

Q.新規事業やM&Aで、いま検討していることを教えてください

A.現状、各事業の方向性がはっきりしているため、大きく新規事業に舵を切ったり、M&Aなどを積極的に考えているわけではない。とはいえ、いま中核事業に育った中古農機具事業にしても、お客様からの買取ニーズのなかから出てきた事業であり、そういったニーズを掬い取り、深掘りして展開していくというのは、引き続きやっていきたいというように考えている。
また、例えば弊社の『高く売れるドットコム』では年間で約45万件もの買取依頼がある。これに加え、『おいくら』の買取依頼は年間20万件あり、合計65万件もの買取依頼をお客様からいただいている。そうすると、例えば、農機具を売却される方は農家をやめられる方だなだとか、冷蔵庫と洗濯機を売却される方は引っ越しをされるお客様だなというように、商品売却のデータからお客様のライフサイクルの動きというものがわかるようになってきている。また、カシモWiMAXにおいては、10万件近い回線を保有させていただいているが、引っ越しを機にこういった通信回線を契約される方というのが大体全体の30%から40%ぐらいを占めている。一方で、先ほどの『高く売れるドットコム』と『おいくら』で年間65万件ものを買取依頼をいただくなかで、やはりご依頼をいただくタイミングというのは3割強が引っ越し契機のお客様で占めてるような状況である。「持続可能な社会を実現する最適化商社」という長期ビジョンを掲げているなかにおいては、こういったお客様のご依頼の中から、どういったサービスであれば、ベストなものをご提案できるのか、ゆくゆくはもっとサービスが進化してゆくものと思っているので、そういった領域において新規事業というのも検討を進めていきたいと考えている。今後、具体的に話が進んだ場合には適時適切に開示してゆく

Q.今後もこれまで行ってきた成長投資同様の、積極的な人材採用や新規拠点の開設を行っていかれるのでしょうか

A.積極投資を行うフェーズにはいまひと段落着いたと考えており、今後はしっかりと利益水準を上げる取組みを進めていきたい。一方で、長期的な視点からいうとしっかりと人材を採用し育成を進めるとともに、今後の市場の拡大に合わせ拠点の拡充というのも取り得る選択肢だと考えているので、適切に投資と回収のサイクルを進めていきたいと考えている。

Q.中計ですと来期営業利益13億の見込みとなっていますが、足元の進捗としてビハインドしていないでしょうか?実際にガイダンスとして出す数字とギャップがあると、株価に不要なボラティリティを生んでしまいますが、会社としてどのように考えていますでしょうか

A.当期は当初8億円という営業利益予想をお出し、その後1億円に下方修正し、直近、1億8000万円→2億5000万円といった形で上方修正させていただいている。おっしゃる通り、一連の業績変動が株価に大きなボラティリティ・影響を与えてしまったものと認識しており、今後しっかりと足元の状況を見ながら予想数値を精査し、適時適切なタイミングで蓋然性の高い数値を公表していきたいと考えている。中計での来期営業利益13億円という数字に関しては、現在も精査中であり、ただ直近の状況に鑑み申し上げると、しっかりと生産性の改善も進んでいる状況なので、ご指摘なような大きなボラティリティを出すことのないよう、8月14日の期末決算公表時にはしっかりと堅い数字を出したいと考えている。現状すでにビハインドしているではないかというご指摘については、具体的かつ子細な数字について言及させていただくのはご容赦いただくとして、中計の数字は今後もしっかり狙っていきたいと考えており、現状からしっかり積み上げていきたいと考えている。

Q.中計で2025年6月期の営業利益目標を13億円と置いてらっしゃるが、2025年6月期の業績予想としてはこの数字に縛られずに固めの数字を出して、その実現を狙っていくといった考えもお持ちなのか?

A.2025年6月期の数字については現在精査中であり、いま時点においては、掲げている中期経営計画の目標数値を目指しているというところは変わらない。ただ、当期のように予想と実績に乖離が生まれ、株価に不要なボラティリティを生むのはよろしくないと考えており、蓋然性の高い予想数値がどの辺りになるかというところを、いままさに精査している最中である。

10.プライム市場上場維持へ向けた取組みについて

Q.プライム市場の上場維持基準を満たすため、どのような施策を取るつもりか

A.これまでのプライム市場上場維持に向けた適合計画書記載のとおり、まずはしっかり業績を上げ、次に流動性を上げ、株価を上げていくということを行っている。

Q.現在取り組んでいるプライム市場上場維持に関する現実味について教えてください。

A.流通時価総額100億円以上というプライム市場上場維持基準に照らし、現時点の株価に乖離があるということは認識している。しかしながら、現在掲げている中期経営計画の戦略・方針に大きな変更があるわけではなく、いまは、これまでの投資フェーズを経て今後業容が拡大していくフェーズにあると認識している。こうした成長フェーズを経て、しっかりとプライム市場の上場維持基準をクリアしてゆきたいと考えている

Q.株主優待の拡充等、思い切った施策を取っても最後までプライム上場にこだわるのか、場合によっては一旦スタンダード市場への移行申請の道をとる選択肢もありうるのか

A.まず、現在機関決定している事実としては、当社がプライム市場での上場維持に向け各種取組みを行っているというこののみである点お断り申し上げておく。基本的にはプライム市場の上場維持基準に適合するため業績を上げていくのが基本戦略であるが、取れる施策というのは、最終的に実施するか否かは別にしてすべて検討はしたいと思っている。ただ一方で、今後業績が非常に好調に推移したとしても株価が保証されるわけではなく、そう考えた場合に、プライム市場の上場維持基準に満たなかった場合上場廃止のシナリオがあるというようなことは、経営サイドとしてまったく考えていない。プライムなのか、スタンダードなのか上場市場を問わず、上場が維持されることは、経営陣がコミットする最低ラインとしてお考えいただきたい。

11.株主優待制度

Q.株主優待をこのタイミングで新たに導入したのはなぜか?

A.この2Q、3Qで行ってきた生産性向上策の進捗に自信を深めてきたことが大きい。このタイミングで1人でも多くの方に関心を持っていただき、1人でも多くの方に株主になっていただきたいという思いがある。知名度を上げるとともに流動性も上げていきたいという思いもあり、今回の株主優待制度導入に至った。

Q.QUOカード500円の株主優待制度新設を発表されましたが、プライム市場に残るための一方策として、今後優待内容の拡充は検討されていますか

A.現状、決まっていることはない。とはいえ、株主様から日々いただいている応援であったり、当社への深い理解であったりといったことに対し報いていくことは、会社にとって優先すべき事項であると認識しているので、今後しっかりと検討していきたいと思っている。よって、プライム市場への上場維持対策云々といった観点からではなく、まずは、株主様への感謝の気持ちがあって、同時に今後流動性向上のため取れる施策を打っていきたいと思っている。株主優待内容の拡充についても、そのなかの一つの方策としては選択肢としてありえるとは認識している。

Q.今回株主優待制度を導入されましたが、今後、株主優待の内容を拡大されていく計画はありますか。また、まだ配当実績がないようですが、どのタイミングで開始しようという目線のようなものをお持ちでしたら教えてください。

A.当社の株主還元の基本方針が、会社そのものの成長、株主価値の成長にあることは変わりない。そのようななか今回、事業の成長だけでなく今後しっかりと広く株主還元についても考えていこうということで、これまで応援してくださった株主様への感謝の気持ちも込めて、株主優待制度を新たに導入した。今後の株主還元策の展開については、まず利益水準を向上させるという前提があっての話になるため、時期等については明言が難しいが、より魅力的な株主優待や、配当施策の実施といったことも検討してゆきたいと考えている。

Q.株主優待が500円のQUOカードではインパクトがない。むしろ、今回の株主優待制度導入による費用負担が利益を削ることにならないか不安がある。

A.具体的な金額については差し控えるが、事実費用負担は発生する。ただ、会社のことをより多くの方に知っていただき、ゆくゆく株価の醸成であったり企業成長であったりにつながるのであれば、それは必要なコストとして今回の経営判断に至っている。

12.その他の株主還元策について

Q.配当や自社株買いについては検討されていませんか

A.株主還元策の一つの方法として検討はしているものの、まだ、具体的タイミングについていつとは申し上げられる状況にない。流動性を上げていく議論とセットで考えたいとは思っている。

Q.今後の配当に対する考えを教えてください

A.今回株主優待を初めて導入させていただいたが、当社としてもここから大きなトンネルを抜けて、景色が変わっていくタイミングにしたいというふうに思っている。これまで支えていただいた株主の皆様に、そういった変化をお示しするという意味でも、今回株主優待制度を新設させていただいた。配当については、時期的にはまだ明言しづらいが、ここからしっかり業績を上げ収益基盤を整え、考えてきたいというふうに考えている。

13.IRお問い合わせ

IRに関するお問い合わせは以下の専用問合せフォームからお問合せください。原則翌営業日までにご回答さしあげます。

※お問い合わせ内容によっては、返信までにお時間をいただく場合がございます。また、沈黙期間中は原則、お問い合わせへの対応を差し控えさせてさせていただきますのでご容赦ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?