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エゴのかたまり(アップサイクル活動を始めたきっかけ)

はじめまして


福岡を拠点に、廃材や端材のアップサイクルを行っている[ippoアップサイクルプロジェクト]の中西と申します。

私は2021年まで、普通の会社員として地域情報誌の編集長をしておりました。しかし、コロナ禍で大打撃を受け、試行錯誤しましたが力及ばず廃刊となってしまい、今年に入って新たな人生の転機を迎えました。

そこで始めたのがアップサイクル活動です。

「え、なんで?」と思って下さった方、ありがとうございます。
今回は、その理由を書いてみようと思います。

今思えば、本当にちょっとしたことがキッカケでした。
本来私は活動をぐいぐい推し進めていったり、周囲を巻き込んだりするのが苦手。一人で細々と自由に作業を進めるのが好きな引っ込み思案で、何か新しいことを始めるときはかなりリサーチや準備をしてから物事を進めるタイプ。めちゃくちゃ腰が重いし、表立って動くことも営業も商談も本当に苦手。できればやりたくない。

では、そんな私がこの活動をして、こうやって積極的に発信しているのは一体なぜなのか。それを書いていこうと思いますので、よかったらお付き合いくださいませ。

最初のキッカケ

私は長年、趣味でアクセサリー作りやアート活動を行ってきました。一応オンラインショップで販売もしていましたが、数ヶ月に1度何かが売れるくらい。あくまで趣味だったので、売上がなくても作ることが楽しくて続けていました。

その傍ら、製作の過程でどうしても多くのゴミを出してしまうことに胸を痛めていました。自分の欲を満たすための創作活動で、ゴミ箱が溢れんばかりの“エゴの塊”のようなもので一杯になる…。いつからか「こんなモノづくりを続けても良いのか…?」とモヤモヤしはじました。


「アップサイクル」との出会い

「アップサイクル」とは、捨てられるはずの廃棄物に、デザインやアイデアなどの新たな付加価値を与えて、別の新しい製品にアップグレードして生まれ変わらせること。

当時の私は「アップサイクル」という言葉自体はよく知りませんでした。聞いたことがあるというレベル。しかし、色々と調べているうちに「私のこのモヤモヤした気持ちは、この方法で軽減されるかもしれない」と思うようになったのです。

そのときに出会ったのが、別の記事で書いている日本サステナブルフラワー協会の、廃棄花をアップサイクルするという取り組み。元々草花や自然が好きだったこともあり、まだキレイなのに人間の勝手で処分されてしまうお花があるという事実とその量に衝撃を受けました。

規格外品のスイートピー。こんなキレイなのに廃棄に…

すぐに講座に申し込み、フラワーロスのことやボタニカルキャンドルの作り方、廃棄花を救う流れなどを学び、ディプロマを取得。今も試作や練習を重ねつつ、協会の方や他のキャンドル作家さん、資材屋さんと情報交換しながら学びを深め、技術を磨いています。


世界は優しかった

この活動を通じて色んな業界の方とのご縁が増えていくにつれて強く感じたのは「アップサイクル界隈は優しい」ということです。環境や社会に気を配ることは人に気を配ること。環境や社会に優しい人は他人に優しい。愛に溢れ、温かい、と。

やるか、やらないか、そのシンプルな選択で「やる」を選んだだけなのですが、こんな世界が広がっているなんて思っていませんでした。ippo踏み出して新たな環境・新たな世界に身を置き、企業様と商談をしたり、同じくアップサイクル活動をしている方とZoomやDMで情報交換やお話をさせていただいたりするなかで、毎日のように新たな学びがあることに常に心がワクワクしています。


社会課題を知ってほしい

地域情報誌の編集として動き回っていたとき、身近にたくさんの社会課題が転がっていると実感しました。そして、この活動を始めたばかりのころ、私は自分の勉強不足が身に染みてわかりました。環境や社会課題について理解を深める重要性を強く感じ、さまざまなリサーチをして学びました。知っていたつもりだったことを深く学んだこと、環境に良いと思っていたものがそうではないかもしれないと分かったこと、そういった体験がとても良い糧となっています。
私はその学びを継続すること、そして私からもフォロワーさんに共有していくことも重要だと考えています。私がさまざまな学びや気づきを得てよかったと思ったのと同じ体験を、みなさんにもしてもらえたらと思っています。

伝統工芸品「藍胎漆器」の廃材

ippoの目標は、身の回りの社会課題への気づきのキッカケを作ることです。環境問題だけではありません。どの地域にも、動物愛護に関することやLGBTQ+に関することなど、他にもたっっっっっっくさんあります。私は、ippoの商品や発信をキッカケになんでも良いので自分が関心があることにippo踏み込んでみてほしいと思っています。5分だけで良いので気になることをリサーチしてみたり、関連記事を1つ読んでみたり、家族や友人とその話をしてみたり、当事者と話してみたり、関連場所に行ってみるなど、それだけで大きなippo。それをippoが後押しできたなら、なにより嬉しく思います。



できることを、できる範囲で、マイペースに

環境問題のことやSDGs関連の話で、「自分1人の力で何か変わるのか」と、そんなふうに感じる方がいるのも事実。「あーはいはい、エコね」「SDGs流行ってるよね」「わかってるけどなかなかね…」と感じる方もいらっしゃると思います。正直私も昔はその1人でした。気持ちはよく分かります。

私は自分の非力を理解しています。廃材の量を目の当たりにするといつも私はなんて無力なんだと打ちひしがれます。でもそのうえで、無理をせずに、できることを、続けられる範囲ですれば良いと考えています。地球の未来のため?未来の子どもたちのため?正直よく分かりません。自分のためだと思います。単純に捨てられるものを活用するのが気持ち良くて、活用方法を考えるのが楽しいから。偽善だなんだと言われようが、だったら何だ。やった方が良いことには変わりないのです。



廃材が出てしまう方と廃材が欲しい方のプラットフォームに

最後に、ippoの夢をお話しさせてください。

ハンドメイド作家さんや普段からモノづくりをされている方は、何がキッカケで作品作りをスタートしましたか?例えば「コレもったいないからリメイクしてみよう」といった具合で始めた方は少なくないと思います。ハンドメイド作家さんやモノづくり界隈の方たちの中にはこういった「もったいない精神」や「作り直して使い切る」というマインドが強い方が多いのではないかと感じています。

ippoは、そんな方々と廃材を繋ぐプラットフォームになりたいのです。

「廃材は誰かの宝」。

まずは私が調達できる福岡の端材・廃材からになりますが、ゆくゆくは私のような”廃材調達屋さん”が各地に増え、全国各地の廃材情報が集まる「廃材マーケット」を作り、廃材を使いたい方がそこから材料調達をしてモノづくりに活用できるようにする。

ippoがアップサイクル製品を作るだけだと廃棄量が多すぎて手に負えません。アップサイクルを促す側になって仕組みをつくることで、大きな流れを作れたらと考えています。

しかし、果たしてできるのか…。
ここでもまた、「やるか、やらないか」です。

やります!

支援してくださると嬉しいです。
今後とも、ippoをよろしくお願いいたします!


よかったらWEBショップを覗いてみてください!
※売上は全てアップサイクル活動資金とさせていただきます。








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