花粉症養生
寒い日はまだまだ続いていますが、春先に多くの人を困らせるあるものがもう始まっていると...
そう、花粉症です。お客様とお話をしていてもすでに苦しんでいる方がちらほら。
そこで今回は花粉症養生として、花粉症について、そしてその対応策についてお伝えしていきます。
花粉症とは?
花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を起こす病気です。季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。花粉症は「国民病」ともいわれ、全国47都道府県を対象とした最近の調査では、日本人の2人に1人が花粉症の可能性があると報告されています。
鼻の三大症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)だけでなく、目の症状(かゆみ、涙、充血など)を伴う場合が多く、その他にのどのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じ、頭痛などの症状が現れることがあります。
なぜ花粉症になる?
ヒトの体には、有害なものや不都合なもの(異物)を排除し、体を守ろうとする免疫機能が備わっていますが、時にはこの免疫反応が過剰になり、体に都合の悪い結果を招く場合があります。これをアレルギーといいます。花粉症は、体内に入り込んだ花粉(異物)を、体から排除しようと過剰に反応することで引き起こされます。
1日の中でどの時間が一番花粉が飛散しているの?
花粉症対応策
おすすめツボ
花粉症の方におすすめのツボを症状別にお伝えしていきます。
〇鼻の症状を楽にする
「迎香」
鼻翼の外縁にあるツボです。
鼻の症状で困っている際に効果を期待できます。目頭の方向に気持ちの良い範囲で押してあげると良いでしょう。
「頭臨泣」
黒目ラインを頭の方に上がり、髪の生え際の少し上にあるツボです。
眼の痒みや鼻の症状、頭重感など花粉症の症状全般に効果を期待できます。少し強めの圧で押すか、持続的に刺激を与えることのできる置き鍼を貼っておくと良いでしょう。
〇眼の症状を楽にする
「攅竹」
眉頭にあるツボです。
眼の症状に対して効果を発揮します。
当院でもよくこのツボに鍼をしますが、その後「眼がスッキリした!」と多くの方が効果を感じられるツボです。
気持ちの良い範囲で押してあげたり、眉毛の上縁をマッサージしてあげると良いでしょう。
「太陽」
目尻の後方にあるツボです。
気持ちの良い範囲で押してあげると良いでしょう。その名の通り、このツボを刺激した後は、視界がピカッと開けることでしょう。
〇呼吸を楽にする
「太淵」
手首にあるツボです。
治療でもよく使う呼吸などの肺機能において重要なツボです。置き鍼をして常に刺激を与えてあげると良いでしょう。
「内関」
前腕にあるツボです。
呼吸を楽にしたり、気持ちを落ち着かせる作用があります。こちらも置き鍼がおすすめです。
今回紹介したツボはどれも効果を感じる方が多いです。ぜひ試してみてくださいね。
早め早めに対策をして花粉症を乗り越えていきましょう。
おすすめ食材
次に花粉症の方におすすめの食材をお伝えしていきます。
まずは薬膳作用から見た花粉症の方におすすめの食材をお伝えしていきます。
東洋医学的に見て、花粉症の症状がひどくなる1つの原因として考えられているのが"気"がうまく巡っていなかったり、足りていなかったりすることです。 "気"とは元気や健康の源と言ったようなもので、"気"が足りていないと免疫機能が低下し体調不良を引き起こしやすいと考えてもらうと良いでしょう。
そのため、"気"を補う食材を摂取すると良いと考えられています。
具体的な食材としては、
椎茸、じゃがいも、さつまいも、かぼちゃ、 キャベツ、タラ、イワシ、 牛肉、鶏肉
といったものになります。
身近な食材なので、普段の食事に取り入れやすいですね。
次に花粉症の症状のタイプ別に見たおすすめの食材を紹介します。
○サラサラの鼻水
体の冷えが同時に生じていると考えられるため、体を温めてくれる生姜、ネギ、ニラなどを摂取すると良いでしょう。
○眼や鼻の痒み、鼻づまり
体に熱を帯びていることが考えられるため、熱を取り除いてくれる薄荷(ミント)や菊花を摂取すると良いでしょう。それぞれお茶として飲むのが良いでしょう。
花粉症でお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
最後に厚生労働省の資料を基に「花粉症に良い食べ物」をお伝えします。
~体を温め花粉症発作に効果~
ネギ、ニンニク、ニラ、生姜、ウド、フキ、シナモン
これらの食材は辛温解表類に属し、晩秋・冬・早春のかぜの際にも処方されるものです。体を温めてくれる作用があるものが多いため、冷え性で花粉症もあるという方に良いでしょう。
~鼻閉による乾燥症状に効果~
ピーナッツ、干し柿、ゴマ、ユリ根
五臓の肺の不調の際にも処方されるものです。乾燥症状を改善してくれます。
~急性副鼻腔炎の合併に効果~
クズ、ゴボウ、ハッカ、菊の花、ミョウガ、スイカ、ナシ 、柿
これらの食材は辛涼解表類に属し、晩春・夏・秋のかぜの際にも処方されるものです。体を冷やしてくれる作用があるものが多いため、ほてりやすい体質の花粉症の方に良いでしょう。
~花粉症発作のだるさに効果~
山芋、ウコギ、ドジョウ、エビ
五臓の腎の不調の際にも処方されるものです。体のだるさが強い方に良いでしょう。
薬膳の知識があると、厚生労働省の出している資料も納得でき、理解が深まります。参考にしてみてくださいね。
日常生活上での注意点
次に日常生活上で気を付けていただきたいことをお伝えしていきます。
○マスク、メガネの活用
コロナウイルスの影響で、皆さんマスクはされていると思いますが、今一度お顔にちゃんとフィットしているか確認しましょう。
鼻粘膜に付着した花粉の数は、マスクをしないときと比べ、普通のマスクでは約3分の1、花粉症用のマスクでは約6分の1と言われています。また普通のマスクに水で湿らせたガーゼを挟み込むだけでも、効果があることがわかっています。
眼の症状が気になる方はメガネも活用すると良いでしょう。
○刺激の強い食べ物は控える
香辛料の強い物やアルコールは鼻の粘膜を刺激したり、血管を拡張したりすることで花粉症の症状を重くしてしまう可能性があります。花粉症の時期には刺激の強い食べ物は控えめにすると良いでしょう。
○柔軟剤の活用、洋服選び
花粉は静電気により、洋服に付着すると言われています。
柔軟剤の効果の1つとして、静電気を軽減してくれることがあり、うまく活用すると良いでしょう。
また、ウール素材の服は花粉が付着しやすくなります。
コートなどは表面がツルツルしているものを選ぶと、花粉が付着しづらくなりますよ。
○規則正しい生活
花粉症に限らずですが、体調不良を防ぐために大事なことは規則正しい生活を送ることですね。体にストレスや負担を与えないことは花粉症の症状を和らげるためにも大切です。
○辛い時はお医者さんへ
辛い時は無理をせずにお医者さんに診てもらいましょう。
お薬で楽になる症状もたくさんありますよ。
花粉症と腸の関係
花粉症と腸の関係についてのお話です。
花粉症の方は腸内環境を整えた方が良いと以前から言われていますが、それはなぜでしょうか?
花粉症とは、体の"バリア機能=免疫機能"が花粉などを異物ととらえたために起こる症状です。
腸には体の免疫細胞の約70%が集まっており、腸内環境が乱れると免疫細胞が過剰に働いてしまい、本来異物ではないはずの花粉を異物と認識してしまいます。
そしてくしゃみや目のかゆみなど様々な花粉症の症状を引き起こしてしまいます。
そのため、腸内環境を整えることで免疫機能を正常にすることが大事になってくるのです。
花粉症と腸の関係について理解していただけたでしょうか?
次に腸を元気にしてくれるツボや食材を確認していきましょう。
腸を元気にしてくれるツボ
前述したことを踏まえ、腸を元気にしてくれるツボを4つお伝えします。
「合谷」
手の甲で親指と人差し指の間にあるツボです。
腸を元気にしてくれるだけでなく、頭痛や高血圧にも効果を期待できる万能ツボです。
「関元」
お臍の下にあるツボです。
不妊や月経不順など、婦人科のトラブルにも効果を期待できます。
「上巨虚」
脛にあるツボです。特に大腸に対して効果を期待できます。
「下巨虚」
こちらも脛にあるツボです。特に小腸に対して効果を期待できます。
今回の4つのツボは指で押しても、お灸をしても、置き鍼をしても良いと思います。
関元に関してはお灸をして温めてあげるとより効果を感じられると思います。
ツボを刺激して腸活していきましょう。
腸を元気にしてくれる食材
ここでは腸を元気にしてくれる食材を西洋医学、東洋医学両方の観点からお伝えしていきます。
西洋医学的な観点から考えると、善玉菌を増やしてくれる食物繊維を多く含んだ食材や発酵食品が大事になります。
~食物繊維が多く含まれている食材~
キノコ類、海藻類、根菜類、雑穀、玄米など
~発酵食品~
ヨーグルト、味噌、キムチ、納豆など
東洋医学的な観点からは五臓の大腸、小腸に働きかけてくれる食材をピックアップしました。
~腸を元気にする食材~
生姜、パクチー、茗荷、紫蘇、里芋、じゃがいも、松の実、りんご、キウイ、パイナップル、アロエ、イチジク、桃、ざくろ、小豆、大豆、豆乳、そば、大麦、緑茶、ココア
皆さんが日頃よく口にする食材も多くあると思いますので、日頃のお食事に取り入れてみてくださいね。
モーニングアタック
皆さんはモーニングアタックという言葉をご存知ですか?
モーニングアタックとは、起床後すぐにくしゃみ、鼻水、鼻づまりと言ったアレルギー症状が現れることを言います。花粉症に限らず、多くのアレルギー症状で見られます。
このモーニングアタックの原因として、就寝時の副交感神経優位の状態から起床後交感神経優位の状態に切り替わる際の自律神経の問題が上げられています。
モーニングアタックの対応策を自律神経の観点から説明していきます。
まずいきなり起きないで、 布団の中で
〇手足をグーパー
○手足の指をつまんで引っ張る
を行いましょう。
徐々に交感神経のスイッチを上げていくことが目的です。
そして、起きたら
○太陽の光を浴びる
太陽の光を浴びることで交感神経のスイッチをしっ かり入れることが目的です。
朝起きた時の花粉症の症状が辛いと言う方はぜひ、試してみてくださいね。
最後に
花粉症養生、参考になったでしょうか?
早め早めの対策、出来ることから対策していくことで症状を軽くすることは可能です。
花粉症でお困りの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
鍼灸治療院一歩堂
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