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ブランディングの間違い(TABETE編)

このコロナの影響で多くの飲食店がテイクアウトをスタートしている。

三密になるのを避けるために今までイートインをメインに食事をしていた人たちがコンビニや弁当屋で購入し事務所に持ち帰って食べる。

そんな流れに乗るしか打つ手がない飲食店が一斉に「お持ち帰り」をスタートしたのだ。

人はどこかで何かは買って食べている。

コロナだから1日1食に減らすなんてことはないわけですから、飲食の需要は変わらず存在している。

ただ、買う側の生活行動がこれまでと変わっただけ。

そんなテイクアウト対応店の急激な増加により、様々なアプリケーション(APP)が注目を集めている。

今日はその1つTABETEというサービス。

簡単に説明すると、沢山作って残ってしまった食材や急なキャンセルで行き場がなくなった料理を「もったいないから食べてもらえませんか?値段もお安くしますので」というサービス。

TABETEに登録したユーザーは同じく店舗として登録しているお店から発信される情報を取得し気に入った料理があれば事前にスマホで購入しお店に取りにいくという仕組み。

お店側は食材を無駄にしなくて済む、お客さんは普段より安く購入できるというメリットがある。

サービス運営会社は1品売れたら150円の手数料をお店から徴収する。

とここまでは「いいね」に見えるわけです。

でも、サイトの中で出品されてるお料理を見ると、手数料150円、そしてきちんと利益も出したいというお店側の思いなのか、「その値段明らかに普通の売価でしょ?」って値付けで売れ残り品を販売してる店が少なくない。

実はこれで失客につながってるお店は少なくないはず。

何故なら、消費者は利口、儲けようとしてるのか本当に食材ロスを目的に出品してるのかなんてことは見ればわかるからだ。

TABETEというサービスを単なるプロモーションサイトだと勘違いして、そこで販売する商品からしっかり利益を出そうと考えた時点でTABETEを利用するユーザーからは見放されます。

では本来のTABETEの役割を活用したブランディングとはなんなのか?についてですが、その前にブランディングの本質について。

そもそも、ブランドとは何なのか誰がブランドを育てるのか?

商売と名の付くものは全てお客さんが100%答えを出します。

提供する側からしたら自分が作り出したものは形式上はブランドです。

それが誰でも知ってるブランドに成長していくかどうかはお客さんの支援を受けれるか次第です。

世の中のより多くのお客様(Consumer)があなたの商品、あなたの会社(店)の取り組みに「いいね」をくれて、それが人から人に伝わり知名度をを押し上げていくから「誰でも知ってるブランド」に成長できるんです。

お客様が「〇〇買うならあなたの店からしか買わないわ」と言ってくれることをStore Royalty(ストアロイヤリティ)と言います。

ここまでの説明でピンと来た人もいるかと思います。

TABETEというサービスは「捨てるのは勿体ない、食べ物を粗末にしたくない」というお店側の気持ちと「だったら私が買うわ」というお客様の善意によって成立するサービスです。

もし、提供する側が、はじめからTABETEを販売チャネルの1つとして見て利益をしっかり乗せた形で販売していると、その店はお客様の善意を利用して売り上げを伸ばそうとしてる店に映ってしまうわけです。

そんなの理想だよ!と反論する方もいるかもしれませんが、大義名分が「勿体ないからTABETE」な以上、その枠から外れたお店はそう見られてしまうのが現実だということは知っておかなければならないです。

本物のファンを増やしたいのであれば、そこに集まる消費者の心に着目すべきです。

商売とはどこまでいってもお客の都合です。

売る側が「そんなの仕方ないじゃないか!」と言ってみてもどうしようもないんです。

現に、明らかに高い店ではお客さんは買いません。

TABETEをもしブランディングに活用したいならこう割り切って使うべきです。

1.まだ自店の料理を食べて貰えてない方に知って貰うためのプロモーションの一環。通常は高い金額を払って広告を出したりしなければならないのを、原材料費はペイしながら知って貰えるチャンスじゃないか。

2・有言実行、「勿体ないから食べに来てね」うちは食材がただ捨てられるのが本当に嫌なのでTABETEを使ってますと言い切る。

こういった取り組みは急激にブランドの認知度を押し上げてはくれないけど、確実にその思いはファンを生み出していきます。勿論「あなたの店のファンになりました」なんて言ってくる人はほぼいませんよ。だからついつい目先の売り上げのほうに走ってしまいますが、実は見えないところでファンは増えてます。

飲食店にとってだけじゃありません。どんなお店も長く続けていくためには商品やお店を好きになってもらい、Store Royaltyを獲得していくことが絶対条件。

なのでTABETEに関しては、本当に必要な時に使う、お店の財務的なことを考えればできるだけ使わなくて良い状況を作ることが望ましいということになると思います。

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