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雨 走るか 歩くか

⭐️⭐️⭐️⭐️
(星の数でこの記事のオススメ度を
5段階で評価しています)

僕が本当に小さい頃

母親と外を2人で歩いていると
突然雨が降り出した。

「雨降ってきたなぁ」

僕が言うと
母はなんの反応もなかった。


全く急ぐことなく
淡々と車に向かって歩く。

「走ろうや」

僕が言っても
母の歩くスピードは
ゆっくりのままだった。

「なんで走らんの?」

「歩いても走っても一緒やから」

「どういうこと?」

「歩いても走っても同じくらい濡れる」

「そうなん?」

「そうやで」

車についた。

家に向かって走り出す。

その時の僕は
雨が降っている時、歩いても走っても
濡れる量は同じという言葉を
完全に飲み込んで信じ、
なんの疑いも感じなかった。



そこから数年後
中学生になった僕は
この時の出来事を思い出した。

あの時なんの疑いもなかったが
あれは本当なのだろうか。

だんだん怪しいと思いはじめていた。

インターネットで調べてみる。



雨が降っている時歩いても走っても
濡れる量が同じだと言うのは
事実だった。



嘘やろ?

中学生の僕は思った。

この時の僕は昔の僕とは違い、
ある程度、色々な知識が
頭に入ってしまっている。

そんなわけないやろ。

めちゃくちゃ
大袈裟にして考えてみ?

めっちゃくちゃゆっくり歩くのと
めっちゃくちゃ速く走るの

絶対に走るほうが
濡れないはずだ。

同じなはずがない。

僕はパソコンの画面を睨みつけた。


なんでこんなこと書くねん
嘘やないか



それからまた数年後
僕は高校生になり
水泳部に入った。

練習場所である学校のプールには
全方向から水が噴射するタイプの
シャワーがあった。

四角い箱のような物の中に
何人かが裸で入って
全身を濡らす
というシステムである。

練習前
いつもはそこではシャワーはしないが
その日だけたまたま
なぜかそこでシャワーを浴びる機会があった。

たしか体育祭の練習の後だった。

皆がドロドロになったため
完全に洗い流したいと思ったのだろう。

僕は長めに浴びた。

他の部員は割とすぐにシャワーから
出ていた。

プールサイドで
お互いの体を見合う。

全員が
同じような濡れ方だった。

なるほど

入った時間が違っても
同じような濡れ方なのか。

例の出来事を再び思い出す。

と言うことは
雨が降った時に
歩いても走っても
濡れ方が同じと言うのは
本当なのだろうか

昔調べた時
割と信憑性のあるサイトに
書いてあったので
信じるべきだったが
まだ僕は少し疑っていた。

正しい情報として発信されているから
信じるべきなのか
それとも己の感覚を信じるべきなのか



そこからまた数年経った。
今から3、4年ほど前

ふとTwitterを見ていると
驚くべき事実が
僕の目に飛び込んできた。

細かい文言は覚えてないので
ザックリと書くと


「雨 走るほうが圧倒的に
濡れないと判明
〇〇研究チームが発表」


みたいな
感じだった。


おいおいおい

やっぱりそうやないか!

そらそうやろ!

僕は今までの自らの疑問に
終止符が打てた気がした。

ていうか普通に考えたらわかるやろ。

研究するようなことちゃうから!

生活の中で
把握せえよこのくらい

ほんの少しだけ
ガリレオガリレイの
気持ちがわかった。


小さい頃に
大人に教えてもらったことなんて
ある程度疑ってかかるべきだ。

そう実感した出来事だった。

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