2020年版映画鑑賞リスト(8〜12月編)

いやぁ、映画って本当にいいもんですね~

年をまたいでしまいましたが、7月に映画鑑賞リストをまとめてその後もいくつか観に行ったので2本目をまとめました。(↓前回)

(※映画評論家ではない一個人の感想です。極力ネタバレは避けます)
(※基本観たものは「面白かった」と思うタイプで、点数付けても差異があんまり出ないので付けていません)
(※新作を中心に、映画館/配信で観たものを日付順に記載しています。)

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8/3:ダンケルク(IMAXレーザー)
⇒劇場&IMAXで見るのは初でした。やっぱり家で観るよりも圧倒的な臨場感…特に戦闘機のプロペラ音から銃撃音、陸/海/空それぞれの時間軸を重ね合わせた複雑なストーリー展開は、没入感をもたらす映画館で見てこそ真価を発揮するのだなーと映画館のありがたみを強く再確認した作品でした。


8/8:3年目のデビュー Documentary of 日向坂46
⇒改名前(けやき坂46)から応援してきた自分にとって、改名もシングルデビューも経た日向坂46はドキュメンタリーで語られるべきアイドルグループだったと思いますし、詳しく知らない人が見てもいきさつやグループの特徴・強みを体感できる「おひさま入門映画」でした。ちなみに3〜4回泣きました。


8/14:インセプション(IMAXレーザー)
⇒こちらも初劇場&初IMAX。約10年前、高校3年〜大学1年当時くらいに観た時は複雑なストーリー/設定になかなか入っていけない部分もありましたが、自分自身の培った体験や成長を経て改めて観ると物凄く作り込まれた作品だったんだということを体感させられました。こんな世界、こんな構図、こんな演出をどのように撮影したのか?と頻繁に思わされる点も含めオールタイムベスト10に確実に入る作品です。


8/30:ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー
⇒アフター6ジャンクション金曜の宇多丸さんが映画批評を務める『ムービーウォッチメン』や、佐久間宣行のオールナイトニッポン0の『最近面白かったエンタメ』で紹介されていたことで観に行ってみようと思ったところ、人に薦められなかったら観なかっただろうけど観ておいて本当に良かった作品の一つでした。笑いあり、涙あり、ちょい下ネタあり、伏線回収ありで旧来の学園コメディ作品の要素をアンチテーゼとして価値観をアップデートさせた素敵な作品でした。


8/30:ようこそ映画音響の世界へ
⇒名監督によって作られた多くの名作にはかならず素晴らしい音響スタッフがいることを裏付けるかのような制作秘話ヒストリーを、さまざまなインタビューと当時の映像を交えながら紹介してくれる作品。監督の思いや理想を表現するためにどうすればいいか?という様々な工夫など、映画の見方を改めて植え付けてくれる貴重な体験をもらえました。


9/5:僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46
⇒日向坂に続いてドキュメンタリー映画が公開されたのですが、奇しくもグループ名変更を発表したのちに公開となり、その変更という苦渋の決断に至るまでの「欅坂46の異変はどこから起きていたのか?」という答え合わせに近い構成(ドキュメンタリーなのでありのままの姿を映し出しているわけだが)と、メンバーのインタビューによって浮かび上がる「嘘」と「真実」がそれぞれ散りばめられ描かれているようでした。そしてライブ映像の音響へのこだわりが凄まじく、圧倒的な臨場感と没入感をもたらしていました。


9/5:インターステラー(IMAXレーザー)
⇒こちらも映画館&IMAXでは初めてでしたが、当時まったく気付かなかったのが主人公の娘役にマッケンジーフォイ、息子役にティモシーシャラメが演じられているなど当時から活躍していたのだなあという点と、やはり劇場の真っ暗闇の中で眼前に広がる真空状態の宇宙空間はその場にいないと分からない「本当に宇宙に存在する」感覚を持つことができ、リアリティーの厚みが作品の完成度の高さたらしめているのだと気付かされました。


9/16:ムーラン(ディズニープラス)
⇒アニメ版は幼少期に見ていたので今回の実写版もそれに倣ったお話だと思い見ていましたが、アニメ版はどちらかというとコメディチックでしたが実写版はよりリアリティをもたらすシリアスな展開、演出がありつつアニメ版のオマージュも込められ一つのエンタメ作品として面白かったです。初期の鑑賞料金については致し方ない部分もありますが、毎回この形式は厳しいのかなとも思いました。


9/19:TENET(IMAXレーザー)
⇒巷でも非常に話題になったクリストファーノーラン監督最新作、「時間が逆行する世界」を視覚的に映像として捉えた画期的な作品としても話題になりましたが、その逆行の盛り上がりのピークがストーリーの中盤(今までの疑問の答え合わせ)に集中している印象があり、その先の展開については観ながら考えないと追いつけないような難しいストーリーになっていることからそこで少し断絶が起きてしまったような思いがありました。繰り返し観ることで楽しめる所もポイントです。


10/5:映像研には手を出すな!
⇒アニメ版が話題になっているこの作品を乃木坂46の齋藤飛鳥・梅澤美波・山下美月を中心としたキャストによる実写映像化がドラマ先行でスタートし、それに続く話として映画がスタートするという近年増えてきたメディアミックス展開。原作(マンガ)は序盤を読んだ程度でしたがそれでも映画内で人物背景、世界観などを詳しく紹介しながら派手なCG演出などで「ロボットアニメを作る」というロマンあふれるお話を肉付けしていき、その作り込みや熱量にただただ心を奪われていました。


10/10:オン・ザ・ロック
⇒(スターウォーズを除く)一番好きな映画がソフィアコッポラ監督の「ロストイントランスレーション」なのですが、そのコッポラ監督と主演のビルマーレイが再びタッグを組んだこの作品は、子育てと仕事の両立に疲弊する主婦ローラが夫の浮気疑惑を父親のフェリックス(ビルマーレイ)に相談し、父娘ともに尾行しはじめる…というお話。世の中への風刺も含め、監督自身もアップデートを図っているかのようなテーマがうかがえる作品でした。


10/25:レディ・マクベス
⇒後述の「ミッドサマー」、2021年公開の「ブラックウィドウ」に出演するフローレンスピューの出世作という触れ込みを聞いて鑑賞しに行きました。
裕福な家に嫁いだ娘が、夫から愛されず、舅から軟禁されて生きる楽しみを見いだせていなかった中で、ある日使用人と不倫関係に陥ってから抑圧されてきた娘の本能と欲求が爆発していく…というお話。あまり劇中でも音楽が使われず、娘の感情も見えない淡々と進んでいく緩急の具合も一種の恐怖心を増長させる作りになっておりフローレンスピュー自身の役への入り込み具合にただただビビりました。


11/8:おらおらでひとりいぐも
⇒先ほど”一番好きな映画”について書きましたが、”一番好きな邦画”はなにか?と聞かれると真っ先に沖田修一監督の「横道世之介」が挙がるのですが、その沖田修一監督の最新作であり公開直後にアフター6ジャンクションにゲスト出演されていた際のお話を聞いたところ「ピクサーのインサイドヘッドを参考にした」という引っかかる内容が気になって仕方なかったので観に行ったところ、夫に先立たれたお婆さんが寂しさのあまり「寂しさ」が擬人化されて視えるようになった…というお話。コミカルで心温まる作品でした。


11/14:ホテル・ローヤル
⇒北海道のはずれにあるラブホテル「ホテル・ローヤル」を経営する一家の娘を主人公に、家族とスタッフ、訪れる客たち、娘が思いを寄せるアダルトグッズ販売員など様々な人間模様を描く物語。冒頭は廃墟になったラブホテルから始まり、なぜ廃墟になったのか?当時どんな客が訪れていたのか?という現在軸と過去軸の照らし合わせにて描かれており、甘く切ないノスタルジーあふれる作品でした。


12/4:ミッドサマー
⇒公開当初は評判ゆえに避けていたものの見ずに追われない気持ちから特別上映の映画館まで駆けつけました。序盤の重苦しい展開に巻き込まれる主人公ダニーの精神不安から、夏至に開かれる色鮮やかでまばゆい村の”祝祭”とのギャップが観客の脳から網膜まで色濃く刻みつけられ、ダニー達と同じく初めて見せられる光景や馴染みのない風習に最初は疑問を抱きながらも、最終的に見ている側も感化(トリップ)し、まるで”救済”される感覚を覚えるからこそ人気を博したのだろうと気付かされました。


12/14:燃ゆる女の肖像
⇒予告映像や前評判をなんとなく入れて観に行ったところ、コロナ禍で公開延期が続いていた年末に素晴らしい作品と出会えた感覚に陥るほどでした。
主人公の女性画家が貴族の娘の自画像を描くため雇われたものの上手く描き上げられず、「見る」側の画家と「見られる」側の娘という構図から「見る」娘と「見られる」画家に徐々にシフトしていくストーリー展開、そして当時の社会では思うような自由や行動を得られなかった女性の苦悩、女性同士の燃えるような心の通わせ合いといったエッセンス一つひとつが観客の感情を刺激し、最後のエンディングには思わずため息をもらすだろう至極の映画でした。


12/21:ワンダーウーマン1984
⇒前作からジャスティスリーグの間、ワンダーウーマンはどのような力や経験を身に付けていたか?という中で1984年という世界的にも変化が著しかった時代を舞台に、”夢を叶えたい”と願う人々の欲求/それに付随する私利私欲な思いが蔓延る世相をスーパーヒーローが阻止するという構図の中で、主人公ダイアナ自身もスーパーヒーローではなく個人としての気持ちに揺らぐという等身大の描き方などDCコミックスヒーローらしさがうかがえました。


12/30:ソウルフル・ワールド(ディズニープラス)
⇒これもアフター6ジャンクション、たまむすび、佐久間宣行のANN0等で高く評価されていたのを聴いて鑑賞。主人公ジョーの魂は本来、死後の世界に向かうはずだったものの現世で成功することに未練がありすぎて逆に生前の世界に迷い込み現世に戻る方法を探している中、生まれることに興味を持てない魂"22番"と出会い、生きることの楽しさをがんばって教える…というお話。成功しなければ天国に行けないのか、そもそも何を以って成功とするのか、なぜ人は生きるのか…観る人それぞれの"魂"に訴えかける作品でした。


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いかがだったでしょうか?
現在公開中、またはレンタル/配信中の作品ばかりですので興味を持った作品があれば頑張って書いてよかったなと思いました。