他人の恋愛見て何がおもろいの?

ここ最近ネット上で「カップルYoutuber」なるものをちらほらと見かける。

Youtubeに日々の生活事情や家での過ごし方など至ってシンプルな何のひねりもない動画を投稿している若年層カップルのことなのだが、これが一般の若年層に非常に支持を得ているそうなのだ。

かく言う私も何度か視聴したことがある。登録者が20万人程度いる、界隈ではそれなりに有名なカップルYoutuberの動画で、彼女へドッキリを仕掛けるみたいな感じの動画と、おうち時間の過ごし方という動画だったと記憶している。

双方の動画とも最初から最後まで見たが、正直クソつまらなかった。

いや、決してカップルという存在に対する妬み嫉みではなく、純粋に内容がクソつまらなかったのだ。

誰にでも考えられるような内容の、本当にしょうもないことをあたかも面白いことかのように嬉々として行い、それを投稿しようという精神そのものが理解できないのは勿論なのだが、もっと理解できないのはそれを見て「面白い」と言っている視聴者である。

しかし、ただ動画に対する悪口を連ねているだけではただのアンチと化してしまうので、何故このようなカップルYoutuberの動画が若年層に支持を得るのか、私なりに考えてみた。あくまで私個人の見解だが、以下の要因が可能性として挙げられた。

①仲睦まじいカップルの姿を見て微笑ましく思うから

②美男美女の理想的なカップルで羨ましさを感じるから(Youtube上にそんなカップルは1組としていないと思っている)

③若年層の視聴者(主に中・高生)にとって「正しい恋愛の在り方」の指標として享受されているから

④シンプルに動画の内容が面白いから(私的にこれはほぼ無に等しい)


ざっと考えて4つだ。特に①と③の要素が大きいと思っている。

①に関しては特段説明の必要は無いかと思うが、③に関しては補足をする。

中学生・高校生の年頃、いわゆる思春期というのは心身の発達が顕著になる時期であり、特に恋愛に対する興味・関心が高まる傾向がある。

事実私が中学生の頃にも周囲で付き合い始める人間はそう珍しくなかったし、高校になってからは恋愛することがもはや当たり前みたいになっていた。

つまり思春期に入ってようやく恋愛というものに触れるわけだが、この年代の過半数は恐らく「付き合う」ということがどういうことなのか明確に理解できていない。2人で出かけることなのか、一緒に学校から帰ることなのか、お互いに「好き」と言い合った関係のことなのか、曖昧な定義のもとで成立しているのが思春期の恋愛なのだと思う。

そんな恋愛初心者の指標となるのがカップルYoutuberの動画なのである。彼らは「カップル」として日々の動画を投稿している。つまり、彼らが行っている、もしくは考えていることが中高生視聴者にとっての「カップル」というものの定義づけになるのではないのだろうか。

このような推察を重ねてカップルYoutuberとその視聴者に対する理解を深めようとはしているが、やはり私には動画を視聴するメリットが到底理解できない。

そもそも他人の恋愛を見て何が面白いのだろうか。

これはカップルYoutuberの動画だけではない。テ〇スハウスやバ〇ェラーなど昨今の恋愛リアリティー番組に対しても私は同様の疑問を提起したい。

例えば、映画や漫画であればストーリーの軸となる主人公が基本的に存在しており、その物語に自分自身が登場しなくても主観的な見方が出来るようになっているためそのコンテンツに入り込みやすくなっている。つまり「物語の疑似体験」が出来る。

しかし、他人の恋愛というのは当たり前だが俯瞰的に見る。恋愛リアリティー番組やカップルYoutuberの動画というのは他者の代替的な見方が成立しない、つまり自分自身を置き換えてそのコンテンツを享受することが出来ないのである。

それにも拘わらず、他者を俯瞰的に観察するだけのコンテンツが昨今若い国民の支持を得ていることに私は戦慄している。これが時代の変遷なのか。

そしてもう1つ、これは私が思春期の頃に思ったことなのだが、カップルを「応援する」というのは一体どういうことなのだろうか。

高校生の頃に付き合っていた彼女がいた時、毎月記念日に「〇ヶ月おめでと!応援してるね!」と言ってくれる友達がいた。しかし、私はこの人が一体何を応援してくれているのかさっぱり分からなかった。

恋愛における応援とは、何か。

例えば片思いの子がいて、その子の恋が実るようにその子が片思いしている子にさりげなくその子のことを聞いてみたりとか、「優しい子だよ」みたいに薦めることなどは「応援」に当たるかもしれない。要はサポートである。

しかし、既に関係が成立しているカップルのサポートとなったら何だろうか。YoutubeならLIVE配信でスパチャぶん投げるみたいな金銭的な補助だろうか。それとも、コメント欄で「いつも見てます!」などといったメッセージを送ることだろうか。

私の経験から言えばただただ「応援してる」と言われても、当事者がそれを実感しない限りは応援には当たらないのではないかと思う。

私は元々かなりひねくれた性格をしているので、素直に友達からの「応援している」という言葉も許容できないし、俯瞰的に見る恋愛コンテンツに対して「面白い」などという感想は1ミリも抱かない。ましてやそれが一般人の浅薄な知恵を振り絞って製作されたコンテンツであれば尚更だ。

冷静に考えてみたとき、あなたはカップルYoutuberの動画を見て何か得るものはあっただろうか。

私はそのようなコンテンツの存在を否定しているわけでない。私が良さを理解し得ないだけでカップルYoutuberが投稿する動画にある程度の需要があることは数十万という単位でチャンネル登録者数がいることから自明であり、その人たちは単純に「面白い」と思ってその動画を視聴している。

ただ、他人の恋愛を俯瞰的に見て何かあなたの人生の中で役立つ要素があったかどうか、思い返してみて欲しい。

カップルYoutuberの動画投稿の目的なんて極論「惚気自慢で金稼ごうぜ☆」ってことだと思っているので、こんな奴らの収益を拡大させるのは普通に働いてお金を稼いでいる一般人として許せないのである(心が狭いですごめんなさい)。

色々と取り繕って誤魔化そうとしたが、結局アンチになってしまった。

しかし事実私はカップルYoutuberも、恋愛リアリティー番組も、それらのコンテンツを嬉々として視聴する一般人共も、みんな嫌いだ。嫌いというより、自分には不一致なモノ・人なのである。ただただ合わないのだ。

時代が生み出したコンテンツというのは良くも悪くも人を選別する。そのコンテンツを面白いと思う人がいる反面、私のようなコンテンツに対するアンチ・ヘイトをまき散らす人間もいる。ただこのようなコンテンツの利点は、強制性が無い点である。つまり自分が嫌だと思えば見なきゃいいのである。

だから私は今後もこのようなコンテンツを享受することなく生きていくだろう。そしてそれは恐らく正解でもなく不正解でもない。ただ放棄したという事実が残るだけだろう。

しかし万が一にも私にカップルYoutuberの動画の良さが理解できるようになったら、その時は全力で「応援」したいと思う。ないだろうけど。
















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