マインドフルネスストレス低減法とは?


『マインドフルネスストレス低減法』という書籍があります。

著者はMIT(マサチューセッツ工科大学)でストレスクリニックを運営しているJ.カバットジンです。

現代では心理学の世界でも主流となっているマインドフルネス瞑想法ですが、本格的に仏教の瞑想を医療・心理学の世界に持ち込んだのが著者のカバットジンです。

この本はカバットジンがMITのストレスクリニックで行なっている8週間のプログラムについて詳細に解説したものです。

この本は以下の技法を中心に各種マインドフルネス瞑想法が紹介されています。

・ボディー・スキャン
・ヨーガ瞑想法
・歩行瞑想法

僕が初めてこの本を読んだのは今から5年以上前になりますが、マインドフルネス瞑想法は何に役に立つかよりも今、ここでの自分の存在を感じるものであるというカバットジンの考え方に感激した覚えがあります。

マインドフルネス瞑想法というと「どんな効果があるのか?」という効果面ばかりが注目されがちですが、実際の瞑想はそのような実用論を超えたところに本質があるものです。もちろんストレス低減効果が高い技法ではあるのですが・・・。

カバットジンが仏教者でなく医療者でありながらそのあたりを意識して書いているということがこの本の最大の魅力です。

マインドフルネス瞑想法を専門的に学びたい方はまずこの本を読み込んで軸を定めてから他の本を読まれると、ブレなく知識を得ることができると思います。

前置きが長くなりましたが、今回はこの本を参考にボディー・スキャンについて解説します。


ボディー・スキャンは自分の体に意識を向け、自分の体から生じる生命感覚を感じる技法です。

自分の体の一部に意識を向けて体が本当に感じている感覚を感じとります。このとき体から出てくる緊張感や疲労感というイメージを感じとろうとします。

具体的に手順を紹介します。前提としてボディースキャン時はゆっくりと鼻呼吸を行なってください。また、意識を移動させながらその部位から生じる感覚に意識を向けて感じ取ってください。

①まず仰向けになり、目を閉じ、注意を手や足など体の各部分に向ける
②左足に意識を向け、足の先から付け根にむかって意識を移動させる
③骨盤に達したら同じように右足も意識の移動を行う
④胴体全体、背中・胸・肩へと意識を移動させる
⑤左手先から腕の付け根まで意識を移動させる
⑥首・のど・頭に意識を移動させる

ポイントは意識を移動させながらその部位の感覚(緊張・疲労・こわばり)などをしっかり感じとることです。

ボディー・スキャンを終えると体全部が一体化したような感覚が得られると思うので、その感覚をしばらく静かに感じてください。

上手くいくと体が透明になる感覚、体が消えた感覚が生じます。
そして、ただ自分が呼吸している空気の流れだけが感じられるようになります。

ジョン・カバットジンのストレスクリニックでは、4週間程度集中的にボディー・スキャンを行なっているようですが、とにかく継続することでストレス低減が期待できます。

ただ、はじめにお伝えしたとおり、「何に効果があるか?」と考えるよりもただ毎日トレーニングのように積み重ねるのが良いでしょう。

というわけで、今回は以上です。

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