コスパが良すぎる心理学専門書5冊


こんにちは、Ryotaです。
専門は心理学・教育学です。

今回は年間数百冊の専門書を読む僕が、コスパが良いと感じた心理学の専門書を5冊紹介していきます。

①影響力の武器 第3版
②自分でできる対人関係療法
③ミルトンエリクソン心理療法
④はじめての行動療法
⑤メタ認知療法

①影響力の武器 第3版
社会心理学の専門書。

心理学の良書といえばこの本は外せないというぐらいの本。人間が持つ自動反応(動物が多くの場合元々持っている心理的反応)である

・返報性
・希少性
・コミットメントと一貫性
・好意
・権威
・社会的証明

について豊富な具体例とともに解説されています。著者のチャルディーニが学者の身でありながら実際企業に潜入し、自動反応について研究している点において他の本と一線を画しています。

理論と実践が見事に融合した本書は、心理学を学ぶ全ての人が触れておきたい良書です。

②自分でできる対人関係療法

うつ病に強いエビデンスを持つことが知られている対人関係療法(Interpersonal Psychotherapy:IPT)を入門者向けに易しく解説した本書は、セラピスト・クライエントだけでなく対人関係に悩む全ての人にとって有益な本です。

セルフヘルプ形式のワークが組み込まれており、本書を読んで実践すれば日常生活の対人関係問題にすぐに活かすことができます。

また、対人関係療法の全体像はやや難解ですが、本書ではエッセンスが実践に結びつけて解説されているので、初学者でも理解しやすいことでしょう。

対人関係療法の入門書として最適な1冊です。

③ミルトンエリクソン心理療法

催眠の大家、世界最高の天才心理療法家と名高いミルトンエリクソンの思想とセッションについて親族を含めた専門家が解説した良書。

ミルトンエリクソンは僕が最も尊敬するセラピストです。

値段の割に内容が濃く、ミルトンエリクソンの実際のセッションがよく理解できます。

「ミルトンエリクソンは天才だから」という理由で専門家からも敬遠されがちですが、天才心理療法家の名はだてではありません。

一つひとつ丁寧に読み解けば学べることは無限にあります。

エリクソンの思想と技法をじっくり味わうことができる良書です。しっかりとセラピーに活かすことができれば段違いにセラピーの成功率が高まることでしょう。

④はじめての行動療法

行動療法の教科書を目指してつくられたという本書は、わかりやすくかつ網羅的に行動療法について解説されています。

レスポンデント条件付け・オペランと条件付けベースの行動療法はもちろん、関係フレーム理論・ACTなどの第3世代の(認知)行動療法まで幅広くカバーしています。

行動療法の理論理解は他のオリエンテーションを持つ専門家であっても必ず必要になってくるものなので、今まであまり手をつけてこなかったなと感じている方の復習にも適した本だと思います。

入門書としても復習書としても利用できるコスパの高い専門書となっています。

⑤メタ認知療法

第3世代の認知行動療法の代表的な心理療法「メタ認知療法」についてのマニュアル本です。

少々値段は張りますが、それに見合うだけの十分な内容になっています。

ちなみに「メタ認知療法」は特にうつ病に対するエビデンスが強く示されている心理療法になります。

DMやATTなど「メタ認知療法」特有の心理技法が紹介されている他、理論的解説も非常に詳細です。

「メタ認知療法」は第3世代の認知行動療法として頻繁に紹介される一方、詳しい解説がなされている本はあまりありません。

学術的にしっかりと「メタ認知療法」を学びたいと考えている方には満足できる一冊だと思います。

というわけで、今回は以上です。

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