山と溪谷社
2006年からインプレスグループ入りした山と溪谷社は、長い歴史に裏付けられた専門性を生かし、ITに強みを持つグループ特性とのシナジー効果を発揮しています。
創業90 年を超える伝統をベースに、
新たな挑戦を続ける唯一無二の存在
株式会社山と溪谷社
2020 年に創業90 周年を迎えた。旗艦雑誌『山と溪谷』は2018 年に通巻1000 号を数え、国内雑誌の中でも長寿を誇る。〝山と自然〞を中心とした従来の出版事業を核に、周辺ジャンルに拡大し、リアル事業も得意とする。DXにも積極展開し、リアルとデジタルの両輪で成長を続けている。
2006年にグループに参加した老舗出版社
1930年に、早稲田大学を卒業したての川崎吉蔵氏によって創設された山と溪谷社は、1931年に誕生した山岳雑誌『山と溪谷』を柱に、山・スキー・アウトドア・自然・旅など多彩な分野で、出版やデジタルサービス、イベントを展開している。
山と溪谷社がインプレスグループに参加したのは2006年。90年もの長い歴史を誇る日本でも有数の老舗出版社であるが、参加後はグループの強みを生かして、2010年には登山情報サイト[Yamakei Online(ヤマケイオンライン)]をスタートした。
以降、2012年にはE-Pub対応の週刊電子雑誌『週刊ヤマケイ』を創刊、2017年には専門家の要望にも応える会員制図鑑読み放題サービス[図鑑.jp]を開設した。2014年にはPODとオンデマンド印刷を活用した次世代型少部数出版サービス[ヤマケイクリエイティブセレクション]、2015年には山のスタンプラリーアプリ[YAMASTA]をローンチし、2021年にはYouTube[山と溪谷ch.]も開設した。
長年培った豊富なコンテンツやノウハウに加え、Web・デジタルの技術を活用して、新たなプラットフォーム事業やサービスを次々と展開してきた。
伝統の出版事業も盤石
歴史的厚みを有す出版部門も盤石で、山岳・自然のみならず、幅広いコンテンツを刊行し、老舗出版社としての存在感を顕している。
旗艦雑誌『山と溪谷』は、2018年7月に通巻1000号を発行、日本の出版史に名を残した。同時に登山・クライミング・スキー関連のムックも多数刊行。クライミング誌『Rock&Snow』はじめ、2016年からはフィギュアスケート男子ファンブック『Quadruple Axel(クワドラプル・アクセル)』、2019年からは『狩猟生活』など新たな領域にも進出している。
むろん書籍も充実。グループ入り直後の2007年には[ヤマケイ文庫]を再創刊し、オーソドックスな登山関連の作品から、アウトドア・民俗、そしてコミックにも展開している。2014年には大著『遊歩大全』(2014年)を、2017年には漫画家・矢口高雄氏の名作『マタギ』を復刻し、出版資産の発掘にも寄与した。2022年2月現在、180冊を超えるラインナップを誇る。
2014年には[ヤマケイ新書]を再創刊して、山岳・自然ジャンル以外にも、環境・文化・実用ジャンルなど幅広いテーマへの読者の関心に応えている。
単行本も好調で、発行部数11万部超の『山怪』(2015年)ほか、『定本黒部の山賊』(2014年)など[黒い本]シリーズは累計33万部を突破。自然ジャンルでは『美しき小さな雑草の花図鑑』(2018年)も、シリーズ9万部を超えるヒット。ほか、新たに健康ジャンルに挑んで8万部を超えた『病気の9割は歩くだけで治る!』(2015年)など、グループ入り後に、ベストセラーを連発している。
2016年刊行の串田孫一著、特装愛蔵版『随想集月と歩いた峠道』は、第50回[造本装幀コンクール]で日本書籍出版協会理事長賞を受賞した。
そして忘れてはならないのが、[ヤマケイカレンダー]だ。創業翌年からカレンダーを制作してきたが、現在も写真カレンダーに関しては書店で絶対的な商品力を発揮。2021年には『創刊90周年記念 復刻デザイン版 アルペンカレンダー2022』を刊行した。同社のカレンダーは、写真の品質に定評があるが、山岳・風景以外にも動物など多様なテーマ展開で、広くファンの心をつかんでいる。
リアル事業や社会貢献にも前向き
いっぽう、2008年8月には日本初の山岳フェスティバル[涸沢フェスティバル]を開催、2015年には尾瀬の山小屋「原の小屋」の株式を取得。また、2015年に山の日応援キャラクター[ヤーマン]で山の日の認知度向上に貢献、2016年8月11日の山の日新設を記念して[TAKAO山モリ!フェス2016]を開催するなど、リアルを意識した展開も同社らしいといえる。
2010年には山岳環境・文化継承のため[日本山岳遺産基金]を設立、2020年には新型コロナ禍の苦境にあえぐ山小屋支援のためにクラウドファウンディング[山小屋エイド基金]を設立して9687万円以上集めるなど、山岳・登山環境整備のための社会貢献にも積極的だ。
山と溪谷社の現状と今後のビジョン
代表取締役会長・川崎深雪はこう語る。
「多様化するメディアの可能性が一層広がるなか、プリントメディアにとどまることなく、コンテンツやサービス、アウトドアにおける自然体験の場を提供することによって、人と自然との関わりから得る知識や発見、感動を共有し、自然とともに生きる豊かな人生を提案いたします。また、事業の主軸となる山岳分野における文化の継承とその発展に寄与してまいります」
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