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アジア事業

インプレスグループは、翻訳や版権販売など、海外事業にも挑戦してきました。一時期は現地法人も設立し、海外進出を目指したアジア事業についてご紹介します。

急成長を続ける
アジア市場への挑戦

株式会社IAD/英普麗斯(北京)科技有限公司/Impress Group Singapore Pte. Ltd.

言語の制約などにより、国内ばかりに目が向きがちな出版業界において、インプレスグループは、デジタルのメリットやグループが抱える専門性の高いコンテンツの強みを生かして、国外へのコンテンツ展開を模索し続けている。


好機を生かして、中国に進出

2003年に、インプレスはアジア圏への本格進出を検討するため、中国での調査を開始した。 このプロジェクトを推進した倉田真也(現・IAD代表取締役社長)は、2002年まで[できる]シリーズの統括部長を務めており、[できる]シリーズなどの版権を、韓国、台湾、中国などの出版社に販売し、一定の成果を収めていた。当時、中国はWTO加盟を受けて、外国資本の参入を緩和しており、10億人を超える巨大な市場へ日本の良質な出版物を売り込むチャンスだった。

2004年に北京駐在員事務所を開設後、2006年に現地の人民郵電出版社と提携し、2007年には『できる大事典 Excel VBA』の中国語版発行にこぎつけた。さらには、黎明期にあった中国のWebメディアにも進出するため、Chinabyteグループに資本参加して、『Impress Watch』中国語版の配信なども手掛けた。

2006年に設立した現地法人も徐々に規模を拡大し、順風な船出に見えたが、提携先の出版社と出版物の選定方針を巡って意見が折り合わないことが多く、著作権侵害などの対応にも苦慮していた。


カメラを足掛かりに東南アジアにも進出

中国事業の方向性を模索するなか、日本で『デジタルカメラマガジン』などと付き合いのあったカメラメーカーから声がかかり、インプレスが発行していたカメラの機種別ガイドブックを中国語に翻訳して、セールスツールとして活用してもらった。これが契機となり、中国におけるメーカー公式サイトで発信するプレスリリースなどの原稿を皮切りに、印刷物や公式サイトでの製品紹介、製品の魅力や撮影テクニックを紹介するWebサイトなど、さ
まざまなコンテンツ制作を受注した。

さらに、ガイドブックの中国語版が成果をあげたことで、シンガポールを拠点にした多言語展開(英語、マレー語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、繁体中文)のニーズにも対応。シンガポールの撮影情報サイトの開発、運用、コンテンツ提供も受注した。

2014年にはシンガポールにも現地法人を設立。日本企業が世界を席巻しているデジタルカメラという分野で、グループ内に魅力的なコンテンツの供給元があるという強みを生かして、事業をさらに拡大していく足掛かりになると思われた。

ところが、スマートフォンの普及と撮影機能の向上により、デジタルカメラの需要が減少。現地法人のクローズを余儀なくされた。

現在は、15年以上に及ぶ海外での経験やスタッフ、クライアント、提携会社とのつながりを生かし、日本を拠点とするIADが国内外でコンテンツ提供、翻訳、Web制作などの事業を継続。グループ内の連携という面でも、山と溪谷社が発行しているスキー関連ムックのコンテンツを中国語に翻訳し、中国人向けスキー情報サイト[滑雪飯(fa xue fan)]を開設するなど、事業の発展を目指して取り組み続けている。


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