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立東舎

リットーミュージックというと、音楽関連の雑誌や教則本、楽譜などをイメージされる方が多いと思いますが、一般書のレーベルでも精力的に出版を続けています。

音楽出版から飛び出した
ノンジャンルな出版レーベル

株式会社リットーミュージック

音楽専門出版社であるリットーミュージックの新規事業部門として誕生した[立東舎]は、自ら〝おもしろレーベル〞と称して、レシピ本やマンガ・文芸、エンタメ関連など、趣味市場をターゲットにユニークな書籍を発行している。


〝 ベストセラーよりもロングセラー〞が合言葉

 2015年5月、音楽専門出版社であるリットーミュージックにおいて、新たなレーベル[立東舎]が立ち上がった。発案は当時同社の代表取締役社長を務めていた古森優氏。2012年に出版した『人狼村からの脱出』をはじめとする3冊の脱出ゲーム本が大ヒットしたことを受け、音楽書以外の出版物を手掛ける部署を立ち上げられないかと考えた。

 古森氏自らが編集人として指揮をとり、当初はサブカル方面の書籍をメインに文庫本の展開まで、あれこれ試行錯誤を続けるも大きな成果にはつながらず、軌道修正を繰り返す。

 転機は2016年度。現在も続く2つの本棚シリーズがスタートした。文豪と人気イラストレーターのコラボレーション企画[乙女の本棚]シリーズは、2016年11月に刊行した『女生徒/太宰治+今井キラ』『猫町/萩原朔太郎+しきみ』の2冊を皮切りに、2021年12月現在、24点をラインナップ。中国・台湾・韓国へのライセンス展開も果たし、今後は欧米への展開も視野に入れている。

[乙女の本棚]シリーズ『秘密』では、谷崎潤一郎と人気イラストレーターのマツオヒロミ氏がコラボ。


 2017年1月には、「毎日の食卓をもっとおいしく、ちょっとおしゃれに」をコンセプトに掲げた[料理の本棚]シリーズが始動。『フライパンでできる米粉のパンとおやつ』を第1弾に、これまで30数点のレシピブックを刊行し、『果物のひと皿』(2019年)や『台湾スイーツレシピブック』(2019年)などのヒット作が生まれた。

季節の果物をおいしく美しい料理に仕上げるScales(スケイル)氏のレシピ集。


多彩な切り口で出版活動に邁進

 その後も、『村上春樹の100曲』や横山剣の『僕の好きな車』(ともに2018年)など、話題作を次々と世に送り出す一方、谷ゆき子の『バレエ星』(2017年)、手塚治虫のダークサイドをフィーチャーした[黒手塚]シリーズなど、独特な切り口での昭和漫画復刻にも取り組んだ。

 2019年からは、[本棚]シリーズに続く第三の矢としていわゆる〝昭和40年男/50年男〞の趣味市場にフォーカスし、『押井守の映画50年50本』(2020年)『ウルトラマンティガ 25年目の証言録』(2021年)、スチャダラパーの『大余談』(2021年)などのヒット作を連発。

 ジャンルにとらわれず、多彩な切り口で新刊を続々と世に出し、〝ベストセラーよりもロングセラー〞を合言葉に、レーベルとしての足場を着実に築き上げている。


手塚治虫生誕90周年を記念し、幻のSF作品と呼ばれる『ダスト18』を初単行本化。


アニメ・映画監督押井守氏が「1 年に1 本のみ」という縛りで選んだ50本の映画を解析。


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