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デジタルカメラマガジン

2022年に創刊25周年を迎えたデジタルカメラマガジン。雑誌を中心とした専門メディアとしての強みを生かしながら、書籍やWebメディア、動画配信など、幅広く事業を展開しています。


カメラと写真をキーワードにした
クロスメディア展開

株式会社インプレス

日本のみならず世界各国で急速に普及したデジタルカメラ。インプレスグループにおいても、重要なジャンルのひとつとして、紙媒体、Webニュース、そしてソーシャルサービスを通じて、情報発信を続けている。


デジタルカメラとともに歩んだ歴史

 民生向けデジタルカメラの先駆けといわれるカシオ計算機のQV-10が発売されたのが1995年、それ以降、日本におけるデジタルカメラ市場は急速に発展していった。インプレスはこの流れに対応し、1997年に日本初のデジタルカメラ専門誌『デジタルカメラマガジン』を創刊した。

 写真専門誌といえば、銀塩のフィルムカメラが主流だった時代に、いち早くデジタルカメラをテーマに選んだことで、後発雑誌ながら市場の支持を得て、2022年には創刊25周年を迎える。創刊当初はデジタルカメラとパソコンを連携させる方法などを解説した記事が中心だったが、デジタルカメラの性能が進化し、銀塩カメラの性能にどんどんと追いついて時代と重なった。その進化の過程をレポートすることで、多くの読者を開拓した。

 また、さまざまなメーカーから多数の機種が発売された時代でもあったことから、性能比較記事や機材レビューのようなデジタルカメラを購入する際の判断基準となるような記事も数多く掲載。そのほか、写真をイメージ通りに仕上げるための〝RAW現像〞というデジタルカメラならではの処理や、パソコンを使用したレタッチなどを積極的に紹介することで、ほかの写真専門誌との差別化を図っていた。

「1997年に隔月刊として創刊。創刊当初は銀塩写真に変わる新しいデジタル表現を見せるという形でスタート。まだ世間ではデジタルカメラはガジェット的な扱いだったため、Vol.8よりカメラの画質や機能の比較を中心にしたバイヤーズガイドへとシフトしました。当時の比較基準は銀塩フィルムで、フィルム画質を超えるかがテーマでした。1999年にニコンD1が発売され、そのときの表紙のコピーは〝さらば銀塩!〞。ここが転換期で、本誌も2000年10月号より月刊化となりました」(上田大輔/インプレス『デジタルカメラマガジン』副編集長)


社会や読者の変化に合わせたメディア展開

 近年はデジタルカメラ市場やユーザーの成熟に合わせ、カメラを使ってどんな写真を撮って、どのように楽しむか、といったテーマを扱いながら、自宅でプリントアウトする際のアドバイスなど、デジタルカメラならではの内容も取り上げている。

「発刊当初の性能比較を中心としていた編集方針から、撮影テクニックや撮影地ガイドといったハウツーを中心とした内容に大きく舵を切ったのが2016年。表紙から製品写真が消え、1枚の写真を大きく見せるという現在のデザインイメージへと切り替えました。また、現在でも人気企画となっている「写真の疑問」や「絶景ガイド」なども2016年に生まれています。モノ中心からコト中心に特集企画を変えながら、発行当時の機材レビューにも力を入れるというスタンスで現在も挑んでいます」(福島晃/インプレス『デジタルカメラマガジン』編集長)


インプレスグループでは、2004年に創刊したニュースサイト『デジカメ Watch』、2009年にサービスを開始した写真投稿SNS[GANREF](https://ganref.jp/)という写真をテーマにした2つのデジタルメディア・サービスも運営している。

 『デジカメ Watch』はもともと『PC Watch』で扱っていたデジタルカメラ関連ニュースを分割して創刊し、現在は月間約700万PVを誇る。また、『デジタルカメラマガジン』編集部では、以前[ふぉとカフェ]というWebサイトを運営していたが、わかっている人が初心者に教えるという上から下への情報伝達よりも、ユーザー自身の視点による情報発信を重視するというコンセプトから、2009年に[GANREF]が立ち上げられ、現在は4万8000人以上の登録ユーザーを抱え、閲覧ユーザーは40万人を超える。

『Impress Watchシリーズ』の『デジカメWatch』も20 年以上の歴史を誇る。


 [GANREF]には、撮影愛好家たち による写真や体験記事が多数掲載 されている


 分社化していたImpress Watchが2014年にインプレスに統合される前は、それぞれ異なる組織体制で運営されていたが。2015年からはインプレス内のデジタルカメラ編集統括部としてメディア・サービス群を束ね、おのおのの連携を強化することで、より充実した情報やサービスをユーザーに提供することを目指している。

「カメラと写真を愛するすべての人がフォトライフをエンジョイできるような媒体を心がけています。最新の機種情報だけでなく、普遍的な技術と知識、さらには文化的なコミュニケーションに至るまで、ありとあらゆる情報をテーマにしながら、紙媒体、Web媒体、ユーザーコミュニケーションという3本の矢を放ちます。1本1本が強固であることはもちろん、その3本を束ねることでより魅力的な価値を生みたいと考えています。2021年にはここに4本めとなる[デジカメ Watch Channel]という動画配信も加わりました。美しい風景を、愛すべき家族を、大切なペットを、何気ない日常を、少しでもドラマチックに写真で残したい、そう思っている人たちに有益となる情報を発信していくことを目指しています」(福島)


『デジタルカメラマガジン』編集部が手掛ける機種別ムックは定番シリーズとなっている。


撮影愛好家だけでなく、撮影初心者向けの書籍なども好評を博している。


2021年8月からスタートした[デジカメ Watch Channel]。機材レビューや撮影テクニックなどが視聴できる。



< 販売のご案内 >

『インプレスグループ30年史~面白いことを創造し、知恵と感動を共有する~』は、オンラインストアで印刷書籍(POD)版,電子書籍版を販売しています。

購入できるストアは、下記のページからご確認ください。

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