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近代科学社

インプレスグループには、近代科学社という理工学分野の教科書や専門書などを発行している出版社もあります。60年以上の歴史を誇る老舗がグループの強みをどのように生かしているのかをご紹介します。


理工学専門書の出版を通して、
科学・技術の発展に貢献

株式会社近代科学社

出版活動によって、科学・技術の発展に貢献することを目的に、長年技術者向け、教育機関向けに専門書を発行してきた近代科学社。2004 年にインプレスグループ入りしてからは、専門性とグループ内のリソースを生かして、デジタルファーストでさらに歩みを進めている。


大学教育向け教科書に長年の実績

1959年に創業した近代科学社は、大学教育向けの教科書と現場の技術者に向けた技術書の出版に加えて、一般教養としての科学技術の解説書なども刊行している。

なかでも特に重要な事業が教科書事業。その歴史の重さは創業間もない1960年からスタートした[東北大学基礎電子工学入門講座]シリーズのうち、1968年に刊行された『気体放電』が現在でも教科書として採用されている事実からもうかがえる。

「教科書の営業は先生方との地道なコミュニケーションの積み重ねです。現場のニーズやカリキュラムの趨勢を先生方からうかがいながら、時間をかけて内容を詰めることで、教科書として採用してもらえるのです」(山口幸治/近代科学社営業部)

近代科学社がグループ入りした大きな要因には、『気体放電』をはじめ、理工学の専門書は時代を経ても内容が古くならず、長期間にわたって価値を維持できることから、グループにおける出版物の電子化プロジェクトとの親和性が高いと判断されたことがあった。

2019年には[近代科学社Digital]が誕生。大学研究者に特化した専門書ブランドとして、電子出版やPODの長所を生かし、ニーズの少ない分野や、きめ細かな改定に対応。2019年からは[教科書発掘プロジェクト]*1なども活用して、専門書出版の裾野を広げている。

*1 「 教材として使う教科書を自身の原稿で作りたい」「過去に執筆し
た教科書が品切れになって困っている」といった現場の教員を対
象に、原稿を募集して、教科書を出版するプロジェクト。


学会と連携した信頼度の高い専門書

技術者向けの専門書についても力を入れている。2010年から2018年まで代表取締役社長を務めた小山透氏により、『情報処理技術遺産とパイオニアたち』(2020年)など、学会とのコネクションを生かした書籍で売上に貢献。なかでも、一般社団法人人工知能学会の監修による『深層学習 Deep Learning』(2015年)は、理工学系の専門書としては異例のヒット作となった。

2019年には創業60周年事業として刊行した『AI事典第3版』と合わせて、1980年に株式会社ユー・ピー・ユーが刊行した『AI事典第1版』を電子版で復刻するなど、紙と電子を組み合わせた取り組みにも力を入れている。


気体電子工学の基礎知識として気体内の電気伝導現象を初学者向けに解説。


深層学習やAIにおける論争など、注目度の高いテーマを紐解く一冊。


コンピュータ発展史に語り継がれる人物と技術的遺産を集約。


[近代科学社Digital 教科書発掘プロジェクト]代表作のひとつ。


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