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立ち木に彫られた「子安観音像」 【木喰仏-東光寺Ⅰ-】

仏像は彫って造り出すものではなく、木の中に眠る仏様を掘り出すもの、と以前、大仏師の方から聞いたことがある。仏像になる木は長い年月、決められた山の中で神木として育てられる。それらの木には神が宿り、長い年月自然の中で仏像になるために熟成される。

先日、兵庫県の猪名川町にある「水井山東光寺」という浄土宗の寺院におじゃました折に、小さな観音堂に安置されている「子安観音像」を拝見した。木の中に観音像が彫られている。自然の立ち木を根もとから観音像身の高さに掘り出したものである。木をそのまま残し、木の中に仏像を彫り祀ってあった。

これは日本古来の霊木(神木)信仰と結びつき,山上の霊木や雷が落ちた木を霹靂木 (へきれきぼく) と称して,特に大切に扱ったことによるものである。東光寺の子安観音は樫の木で、落雷による損傷を受けた霹靂木として残されていた。
二百有余年前にこの地を訪れた木喰明満上人が彫ったとされている。木喰上人は全国行脚する遊行僧で、全国を回りながら仏像を彫り続け奉納していた。この地を訪れた折に、木喰仏と落雷に見舞われた樫の木に赤ん坊を抱っこする観音様、つまり子安観音を立ち木に彫った。
 
その姿が小さなお堂に祀られている。この観音様を見たく足をのばした。事前に連絡していたので、木喰仏は撮影できなかったが、立ち木の子安観音像は撮影させていただいた。そのあと、本堂の縁台に腰をかけご住職と木喰上人や木喰仏ついての話を聞かせていただいた。
大仏師から聞いた「仏は木の中に宿る」話をさせてもらったら、まさに “その通り!” という答えが返ってきた。
木喰上人や仏像についてはまた第二弾で紹介する。
 

子安観音像が祀られている観音堂




立ち木に彫られている「子安観音像」



リポート&写真/ 渡邉雄二
 
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よろしければサポートお願いします。日本の伝統文化に関心を寄せています。若いころに文化圏の異なる地域の方たちとの交流で日本のことをあまりにも知らなかったことに気づかされ、それがきっかけで広く浅く学んでいます。拙いレポートですが、お目に留めていただければ幸です。