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幸せとはなんぞや~『こづかい万歳』を読んで~

少し前に、TVで吉本浩二さんの『定額制夫のこづかい万歳~月額2万千円の金欠ライフ~』が紹介されていた。

漫画のあらすじが説明されていて、「お、これは面白そう。絶対好きなやつやわ」と遅ればせながらマイセンサーがキャッチ。しかも、まだ4巻までしか出ていないので購入のハードルが低く、ネットで即一気買いした。


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表紙からしてすでにおもしろそう。


作者の吉本さんはこづかいが月額2万千円。限られた金額の中で1ヵ月いかに過ごすか、その中で楽しみを見つける様子が描かれている。吉本さんの場合はお菓子が大好きなので、内訳のうち1万円がお菓子。お菓子食べている時、めっちゃ幸せそう。

そして吉本さんだけでなく、続々とこづかい猛者たちが登場する。一人ひとりにその人にしかないこだわり、幸せを感じるポイントがあって、おもしろい。

作中に登場するこづかい猛者たちを少し引用紹介させてもらおうと思う。


こづかい月2万円。ポンタカードでポイントを貯めることを生きがいにする男性。
~『こづかい万歳』1巻 第5話より~



こづかい月1万5千円。駅構内の片隅、通称『ステーションバー』でリアル立ち飲みを愉しむ男性。
~『こづかい万歳』2巻 第9話より~


こづかい月2万円。スパイスを買い集め、毎食カレーな男性。
~『こづかい万歳』4巻 第29話より~


いかがだろうか。各々癖がすごい。

とにかく癖はすごいけれども、全員自分だけの楽しみを見つけている。他の人からしたら理解できないかもしれないけど、自分だけの幸せ。それを極めた猛者たちが続々登場する。


「もっとお金があれば」「もっと贅沢したい」「あの人が羨ましい」

もっともっとと願うその欲望は際限がない。その欲望が何かを達成する力になることもあるとは思うが、追い求めた先に幸せはあるのだろうか。

この漫画に出てくる自分だけの幸せを知っている人たちの毎日は味わい深くて、そして何より楽しそう。

幸せって、誰かと比べるものでもなく、外に求めるものでもない。自分の内にあるものなんだよなぁということに改めて気づかされる。


ちなみに我が家はこづかい制ではない。

結婚当初から制度を導入しそびれて、今更面倒やん……という感じになっている。
私は外出時は水筒を持ち歩いているし、出社の際は夫弁当を持参している。夫はギャンブルしないしタバコも吸わない。お互い浪費家ではないとは思う。
……思うけど、こづかい制にした方が、そりゃ貯まるよなぁとこの漫画を読んで考えさせられた。めんどくさがり過ぎて家計簿とかも全然続かないから、あかん。しっかりした方がそりゃ良いよなぁ。ですよね〜。ね〜。


お金は大事。あるに越したことはない。
しかし、それが幸せに直結しているかというと、そうではないとも思う。

私が幸せを感じる瞬間っていつだろう。おにぎりを持って子どもと公園で遊んでいる時かなぁ。キャンプで外ご飯食べてる時かなぁ。とにかく、野外で家族とご飯食べてる時に感じがち。
私の場合、幸せを感じる瞬間には、お金の匂いはしない。

『こづかい万歳』は、節約おもしろ話にププッとなるだけではない。幸せを見つける名人たちが続々登場し、“幸せってなんぞや”と改めて考えさせられる。そして、その答えが描かれているような、そんな気がして。読んでいくうちに不思議と心が温かくなっていき、ライフイズビューティフル!と呟きたくなるコミックエッセイ漫画だった。

5巻が出るのを今から楽しみにしている。


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