日記 2024/06/19

朝、
耳元で響く腕時計のムーブメントの音で目を覚ます。
カーテンの隙間から差し込む陽の光が
枕元の眼鏡に反射している。

頬に転写された二の腕、
椅子の上のペットボトルが三本。

二本のコーラの間に、小さな水のボトル。

僕がゴミ箱に入れるのを怠ったら、
一昨日までは寂しい奴で、
昨日の夜に恋人ができて、
今朝は夫婦になって子供まで産まれたのか。

低血圧の寝起きはこんな感じに
ぼーっとした頭で
取り合えず何か考えて血のめぐりを改善させる。
夢の続きの想像でも、
読んだ本のことでも、
仕事のことでも。

寝起きのチューニング。

余談だが、
僕は小学生のときからギターを弾いているのに、
自分で弦交換ができない。
というか、やったことがない。

6月9日、
自分への誕生日プレゼントに腕時計を作った。
と言っても、パーツを買って
部品をケースに取り付ける単純作業。
カスタムウォッチと呼べばいいか。

好きな色に、好きな機能を、好きなだけ、
なるべく予算内で。

結局、真っ黒い腕時計が完成した。
黒い持ち物がまた一つ増えた。

開きっぱなしの文庫本、枕で踏んづけてた。
値札シールを剥がすのが面倒で、
いつもカバーごと外してしまう。

「本はインプットの道具に過ぎない」
という持論のもと。
『言の葉の庭』の設定資料集に関しては例外だ。
本をいくら断捨離しても、
この本だけは捨てられない。
理由はよくわからない。

なにはともあれ、
この部屋は百円コーナーよりは
居心地は良いんじゃないかな。

滑らかに動く秒針に目を向けると、五時丁度くらい。
若干先の未来か、過去か、もしくは今か、
どうだろう。

IKEA効果というものがあるが、
自作とはいえ、
機械式時計にはある程度の正確さが欲しい。
実は、時計って時刻を確認するための物らしい。

取り敢えず振ってみる。

背骨からバキバキ音がするけど、
気合を入れて立ち上がって窓を開ける。
百均で買ったアサガオ柄の可愛い風鈴に
風が当たるくらい。数センチ程。

なんか面白い夢を見た気がするんだけどな。
思い出せないからいいや。

6月中旬の雨上がりの今日は、空がとても綺麗だ。
今日はめちゃくちゃ暑いだろうな……。