吾妻優

自律神経ケア専門整体サロン『ヒーリングサロンレプス』のオーナーセラピスト。 健康管理士…

吾妻優

自律神経ケア専門整体サロン『ヒーリングサロンレプス』のオーナーセラピスト。 健康管理士一般指導員、上級心理カウンセラーでもあり、心と身体の繋がりとストレスによる症状のケアが専門分野。 身体のこと、健康や心理、育児などについての関心事をまとめていきたいと思います。

最近の記事

進化心理学と欲求5段階説⑧負の行動パターン

マズローの欲求5段階説に基づき、生理的欲求から自己実現欲求の詳細を記述してきましたが、実は最も大切なのはその『欲求の満たし方』の法則です。 本能からくる『欲求』を基にした『行動原理』は全ての人(生物)にとって共通ですが、その『行動原理』に則ってどのように『行動』するかは個人個人によって異なります。 お母さんの愛情(注目)がほしい子供がいたとして、 『お母さんにたんぽぽを取ってきて渡す』 『お母さんのお手伝いをする』 『大きな声を出して注目させる』 『振り向いてほしくて背中を

    • 進化心理学と欲求5段階説⑦自己実現欲求

      承認欲求が正しく満たされると、生物が本能的に持っている欠乏欲求がすべて満たされ、本能的な欲求はゼロ地点に到達します。 もし仮に、人間以外の生物がこのゼロ地点まで到達したとすると、そこから先は平穏で変化のない生活をダラダラと続けていくことになるでしょう。 そしてその生活になんの不満もなく死ぬまでそのぬるま湯のような生活をし続けられます。 年老いた飼い犬、飼い猫や動物園にいる動物たちは、もしかしたらそんな感じなのかもしれません。 しかし、人間は本能を司る脳(間脳)以外の部分が非常

      • 進化心理学と欲求5段階説⑥承認欲求

        社会的欲求がすべて満たされると、次は『承認欲求』へと移行していきます。 愛情の欲求が少数の人からの注目を得たい、というものだったのに対して、承認欲求はその他の大勢の人に自分のことを注目して欲しい、認めてもらいたい、という気持ちのことです。承認欲求も社会的欲求と同様、低次と高次では少し違った欲求の現れ方になります。 低次の承認欲求は『他者に認められる』ことを意識し、 高次の承認欲求は『自分自身を認める』ことを意識する、という点で異なります。 この高次の承認欲求『自分自身を認める

        • 進化心理学と欲求5段階説⑤愛情の欲求

          社会的欲求の低次である『帰属の欲求』が満たされると、次は高次の『愛情の欲求』へと移り変わっていきます。 愛情の欲求はその名の通り、愛情を欲することです。 『愛したい、愛されたい』という無意識の欲求です。 多くの人で形成された群れの中の『一員』ではなく、その中の誰かにとって『特別』でありたいと思うようになります。 自分が誰かにとって特別になるために気に入られようと振る舞ったり、 相手の愛情がどの程度のものかを測るための試し行動をとったりします。 プレゼントをあげる、何かをして

        進化心理学と欲求5段階説⑧負の行動パターン

          進化心理学と欲求5段階説④帰属の欲求

          幼児期に順当に安全欲求を満たしていくと、次は『社会的欲求』です。 家の中が安全安心で満たされると家族以外の世界に興味が出始め、より多くの人の中でより安全安心に暮らしていきたい、という欲求が現れます。 5歳前後~小学生の間に現れることが多いです。 社会的欲求はその程度により低次の欲求『帰属の欲求』と高次の欲求『愛情の欲求』に分けて考えていきます。 『帰属の欲求』は家族(保育園の先生などは保護者に含む)以外の人たちと同調し、お互いに仲間と認識しあい、より安全安心に守られた群れを

          進化心理学と欲求5段階説④帰属の欲求

          進化心理学と欲求5段階説③安全欲求

          生理的欲求が満たされると、次は『もっと安全安心に暮らしたい』という欲求の段階へ進みます。 これを『安全欲求』といいます。 安全欲求は幼児期に突入し、『より手厚く保護して欲しい』という欲求として行動に現れます。 『ママにだっこしてほしい』 『パパとママの間で眠りたい』 『お仕事に行っちゃ嫌だ』 『着替えさせてほしい』 など、自分を守ってお世話をして欲しがる言動が目立つようになります。 これも生理的欲求の時と同様、保護者が欲求に応えていけばいくほど、本人の中の安全安心な気持ちは強

          進化心理学と欲求5段階説③安全欲求

          進化心理学と欲求5段階説②生理的欲求

          マズローの提唱する5段階の欲求のうち、最初の段階が生理的欲求です。 生理的欲求は生物が根源的に持っている『死にたくない』『生きたい』という欲求のことです。 生まれたばかりの赤ちゃんはまさにこの欲求を持って生まれてきます。 なので、赤ちゃんの行動のすべては生理的欲求を満たすために行われます。 お腹が空いた→餓えて死ぬかも→泣いて知らせる オムツが汚れた→不衛生だと感染症で死ぬかも→泣いて知らせる さみしい→保護してくれる人がいないと死ぬかも→泣いて知らせる というのが新生児の

          進化心理学と欲求5段階説②生理的欲求

          自律神経と症状の間にあるもの

          例えば何かの不調を感じて病院を訪れた時、お医者さんに『自律神経が乱れているね』や『ストレスが原因だね』などと言われることがあるかもしれません。 それを聞いて一体何人の人がピンと来るでしょうか。 実は本来であれば 『ストレス・自律神経』→『大事な説明』→『症状』 といったように『ストレス・自律神経』と『症状』の間には少し難しいメカニズムが存在します。 その説明を省いてしまう(もしくは知らない)ため、なんとなくはぐらかされたかのように感じてしまいます。 不調の原因がストレスである

          自律神経と症状の間にあるもの

          進化心理学と欲求5段階説①概論

          マズローの欲求5段階説というのをご存知でしょうか。 1954年にアメリカの心理学者アブラハム・マズローが『人間性の心理学』という著書の中で提唱した内容で、「人間は自己実現に向かって成長する」という前提条件の元、下層の欲求を満たしたものが次の層の欲求段階へステップアップしながら自己実現欲求に到達していく、という考えです。 もう一つ、進化心理学とは「ヒトの心理メカニズムの根底は生物としての進化の過程で必要不可欠な行動を取るために無意識に働いている」と仮定しヒトの心理を研究するア

          進化心理学と欲求5段階説①概論

          ストレスの意味とは

          ストレス、という言葉を『嫌なことがあった時』などとネガティブなイメージと結びつけることが多いように思います。 しかし、自律神経的な観点ではストレスという言葉の定義は少し違ったものになるかもしれません。 結論から言えば、ストレスとは『生物が死を予感した時に本能的に取る交感神経優位の状態』のことです。 草食動物であれば、敵に見つかった時。 肉食であれば、餓えて獲物を狩る時。 このような状況が本能的なストレス状態です。 我々は日常的に野生動物のようなむき出しのストレスに直面してい

          ストレスの意味とは

          無自覚の脱水について

          日本のような先進国に住んでいる皆さんは、脱水で亡くなる、なんてことは滅多にないと思うかもしれません。 ちょっとセンセーショナルに書くとするなら、 『日本人の半数は脱水で亡くなっている』と言っても過言ではありません。 それほどまでに多くの方が知らず知らずのうちに充分な水分を確保せずに死期を早めています。 まず、人間にとっての水とは何でしょうか。 それは地球上の生物にとって必要不可欠な物質です。 ・身体の中の多くのものを運ぶため(酸素、栄養、老廃物) ・身体の細胞同士を円滑に動

          無自覚の脱水について

          自律神経の緊張とは

          『緊張』という言葉を聞いてどんなことを思い浮かべるでしょうか。 人前に出て注目されてドキドキしている… そんなイメージをする方も多いかと思います。 自律神経を語る上での『緊張』とは、こういった自覚のある緊張のことではなく、交感神経が昂ぶっている状態のことを指します。 言い換えると 『闘う、逃げるなどの緊急事態のモード』 であり 集中、興奮、イライラ、不安などの状態を言います。 普通に生きていれば誰だってこういった緊張状態になることがあります。 緊急時に緊張する これは至って

          自律神経の緊張とは

          緊張状態からの症状⑬ブレインフォグ

          コロナの後遺症の症状の一つにブレインフォグというのがあります。 頭にもやがかかったような、思考がはっきりしないような症状のことを言います。 この症状、コロナに限らず、緊張状態からの症状の一種としてよく見られる症状でもあります。 言い換えると ・集中力の低下 ・記憶力の低下 ・思考力、判断力の低下 ・頭がぼーっとする ・やる気が起きない ・感情の起伏がない などといった症状の総称です。 脳の基本的な栄養源は糖質、すなわち炭水化物です。 炭水化物は筋肉で代謝されるとエネルギーを

          緊張状態からの症状⑬ブレインフォグ

          緊張状態からの症状⑫不眠

          身体の緊張と不眠はとても密接な関係にあります。 ドキドキして眠れない、というようなことがあるように、そもそも睡眠とは副交感神経が優位になることで脳や身体を休めることなので、交感神経が優位になっている状態では眠れるわけがありません。 ただし、緊張状態は自分でわかる自覚的な状態の時と、自分では自覚のない無意識の緊張状態との二種類あります。 不眠で悩まれている人の多くは、この無意識の緊張状態に陥っている可能性が高いです。 身体はストレスを感じると緊張します。 しかし ストレス=

          緊張状態からの症状⑫不眠

          緊張状態からの症状⑪低血圧

          ①で高血圧のメカニズムを書きましたが、低血圧も高血圧も、突き詰めれば同じ自律神経の緊張状態が原因です。 身体が緊張状態に陥ると、心臓は強く速く動きます。 呼吸も同様に速く浅い呼吸になり、敵に気配を悟られないように身体から発する音を最小限にします。 そういった緊張状態が長時間続くと、胸郭、横隔膜などの呼吸に関わる筋骨格は硬直し、自発呼吸がうまく行えなくなります。 これが慢性的な『呼吸が浅い』状態です。 そうなると一回に入ってくる酸素の量も現象してしまい、身体に十分な酸素が回ら

          緊張状態からの症状⑪低血圧

          緊張状態からの症状⑩大腸の症状

          大腸は便を作る器官として広く認知されているかもしれませんが、非常に誤解されやすい器官でもあります。 大腸の役割は大きく3つです。 ・便に残った水分、栄養分を吸収し便を硬くする ・大腸液を排出し、硬くなった便をすべらせる ・一定量の便を貯めておく(直腸) 水分を吸収して便を硬くする、ということはよく知られていますが、実際にはその後再度水分(粘性のある大腸液)を与え、便の状態をコントロールしています。 こうすることで適度な硬さの便が腸壁や肛門を傷つけず、排出したあとに身体を汚

          緊張状態からの症状⑩大腸の症状