吾妻優

自律神経ケア専門整体サロン『ヒーリングサロンレプス』のオーナーセラピスト。 健康管理士…

吾妻優

自律神経ケア専門整体サロン『ヒーリングサロンレプス』のオーナーセラピスト。 健康管理士一般指導員、上級心理カウンセラーでもあり、心と身体の繋がりとストレスによる症状のケアが専門分野。 身体のこと、健康や心理、育児などについての関心事をまとめていきたいと思います。

最近の記事

自律神経と症状の間にあるもの

例えば何かの不調を感じて病院を訪れた時、お医者さんに『自律神経が乱れているね』や『ストレスが原因だね』などと言われることがあるかもしれません。 それを聞いて一体何人の人がピンと来るでしょうか。 実は本来であれば 『ストレス・自律神経』→『大事な説明』→『症状』 といったように『ストレス・自律神経』と『症状』の間には少し難しいメカニズムが存在します。 その説明を省いてしまう(もしくは知らない)ため、なんとなくはぐらかされたかのように感じてしまいます。 不調の原因がストレスである

    • ストレスの意味とは

      ストレス、という言葉を『嫌なことがあった時』などとネガティブなイメージと結びつけることが多いように思います。 しかし、自律神経的な観点ではストレスという言葉の定義は少し違ったものになるかもしれません。 結論から言えば、ストレスとは『生物が死を予感した時に本能的に取る交感神経優位の状態』のことです。 草食動物であれば、敵に見つかった時。 肉食であれば、餓えて獲物を狩る時。 このような状況が本能的なストレス状態です。 我々は日常的に野生動物のようなむき出しのストレスに直面してい

      • 無自覚の脱水について

        日本のような先進国に住んでいる皆さんは、脱水で亡くなる、なんてことは滅多にないと思うかもしれません。 ちょっとセンセーショナルに書くとするなら、 『日本人の半数は脱水で亡くなっている』と言っても過言ではありません。 それほどまでに多くの方が知らず知らずのうちに充分な水分を確保せずに死期を早めています。 まず、人間にとっての水とは何でしょうか。 それは地球上の生物にとって必要不可欠な物質です。 ・身体の中の多くのものを運ぶため(酸素、栄養、老廃物) ・身体の細胞同士を円滑に動

        • 自律神経の緊張とは

          『緊張』という言葉を聞いてどんなことを思い浮かべるでしょうか。 人前に出て注目されてドキドキしている… そんなイメージをする方も多いかと思います。 自律神経を語る上での『緊張』とは、こういった自覚のある緊張のことではなく、交感神経が昂ぶっている状態のことを指します。 言い換えると 『闘う、逃げるなどの緊急事態のモード』 であり 集中、興奮、イライラ、不安などの状態を言います。 普通に生きていれば誰だってこういった緊張状態になることがあります。 緊急時に緊張する これは至って

        自律神経と症状の間にあるもの

          緊張状態からの症状⑬ブレインフォグ

          コロナの後遺症の症状の一つにブレインフォグというのがあります。 頭にもやがかかったような、思考がはっきりしないような症状のことを言います。 この症状、コロナに限らず、緊張状態からの症状の一種としてよく見られる症状でもあります。 言い換えると ・集中力の低下 ・記憶力の低下 ・思考力、判断力の低下 ・頭がぼーっとする ・やる気が起きない ・感情の起伏がない などといった症状の総称です。 脳の基本的な栄養源は糖質、すなわち炭水化物です。 炭水化物は筋肉で代謝されるとエネルギーを

          緊張状態からの症状⑬ブレインフォグ

          緊張状態からの症状⑫不眠

          身体の緊張と不眠はとても密接な関係にあります。 ドキドキして眠れない、というようなことがあるように、そもそも睡眠とは副交感神経が優位になることで脳や身体を休めることなので、交感神経が優位になっている状態では眠れるわけがありません。 ただし、緊張状態は自分でわかる自覚的な状態の時と、自分では自覚のない無意識の緊張状態との二種類あります。 不眠で悩まれている人の多くは、この無意識の緊張状態に陥っている可能性が高いです。 身体はストレスを感じると緊張します。 しかし ストレス=

          緊張状態からの症状⑫不眠

          緊張状態からの症状⑪低血圧

          ①で高血圧のメカニズムを書きましたが、低血圧も高血圧も、突き詰めれば同じ自律神経の緊張状態が原因です。 身体が緊張状態に陥ると、心臓は強く速く動きます。 呼吸も同様に速く浅い呼吸になり、敵に気配を悟られないように身体から発する音を最小限にします。 そういった緊張状態が長時間続くと、胸郭、横隔膜などの呼吸に関わる筋骨格は硬直し、自発呼吸がうまく行えなくなります。 これが慢性的な『呼吸が浅い』状態です。 そうなると一回に入ってくる酸素の量も現象してしまい、身体に十分な酸素が回ら

          緊張状態からの症状⑪低血圧

          緊張状態からの症状⑩大腸の症状

          大腸は便を作る器官として広く認知されているかもしれませんが、非常に誤解されやすい器官でもあります。 大腸の役割は大きく3つです。 ・便に残った水分、栄養分を吸収し便を硬くする ・大腸液を排出し、硬くなった便をすべらせる ・一定量の便を貯めておく(直腸) 水分を吸収して便を硬くする、ということはよく知られていますが、実際にはその後再度水分(粘性のある大腸液)を与え、便の状態をコントロールしています。 こうすることで適度な硬さの便が腸壁や肛門を傷つけず、排出したあとに身体を汚

          緊張状態からの症状⑩大腸の症状

          緊張状態からの症状⑨小腸の不調

          小腸、という器官を意識する方はそれほど多くありません。 痛みが出にくく、腫瘍などもできにくい臓器のため、問題になることが他の臓器に比べ少ないからかもしれません。 しかし、小腸の働きはかなり重要です。 小腸は『吸収』する器官です。 胃が細かく消化してくれたものは十二指腸に送られ、アルカリ性の胆汁、膵液と混ぜ合わせて弱酸性にしたのち、小腸に送られます。 胆汁、膵液に加え、小腸の腸壁からの消化酵素も加わり、食物をさらに細かく分解していきます。 小腸の腸壁には無数の小さな穴が空いて

          緊張状態からの症状⑨小腸の不調

          緊張状態からの症状⑧胃の不調

          身体が緊張状態になると無意識に硬直してしまう部位の一つが胃です。 胃は口から肛門までを繋ぐ消化器官のうちの一つで、主に『消化』を司る器官です。 消化とは、食べたものを体内に取り込める大きさまで細かくする、という意味で、消化液(強酸性の液体)と食物を混ぜ合わせて溶かします。 細かくする、という意味ではミキサーのような役割と言い換えても良いかもしれません。 消化器官は基本的に『身体が次のエネルギーをチャージする』ために必要な器官です。 そのため、『闘う、逃げる』といった交感神経

          緊張状態からの症状⑧胃の不調

          緊張状態からの症状⑦酸欠

          自律神経の緊張状態は状態が長引くにつれ、自律神経のみならず他の神経にもダメージを与えます。 例えば運動神経。 運動神経とは脳からの命令を受けて筋肉に司令を出し、身体を動かす時に使う神経です。 運動神経がいい、などといった言葉を使いますが、ここでは固体の能力値の差の話ではありません。 慢性的な緊張状態は身体のあらゆる臓器を硬直させ、機能を制限してしまう、というのは今までの内容で理解できたかと思います。 硬直し、動きが悪くなる、という点では肺も同様です。 ただし、肺は臓器その

          緊張状態からの症状⑦酸欠

          緊張状態からの症状⑥頻尿

          身体が無意識に緊張する時、他の部位よりも強く緊張が出る場所が4ヶ所あります。 一つは首まわり。 首は人間の急所です。緊張状態では急所周りの筋肉を硬直させて身を守ります。 次に咬筋。噛む時に使う筋肉です。ここが無意識に緊張するとくいしばりや歯ぎしりといった症状が起こります。 もう一つは胃。胃は内臓の中でも特に柔らかく大きく動く臓器です。緊張状態では消化吸収といった動作を一時的にストップし、『闘う、逃げる』といった行動へ集中させます。そのため、緊張すると胃は硬くなり、消化が著しく

          緊張状態からの症状⑥頻尿

          緊張状態からの症状⑤子宮周りの症状

          自律神経が本能的に身体のあらゆる部位を操作してくれている、というのはおおむね理解できているかと思いますが、腹部にある臓器の一つ一つも例外ではありません。 女性の身体の中で、特に自律神経の緊張状態の影響を強く受けてしまうのが子宮、卵巣などの女性器です。 子宮及び卵巣の存在意義は子孫を残す、という一点のみ。 実際、男性の身体には存在しないということからもわかるように、子宮や卵巣はそのものが存在しなくても生命としての維持機能にはほとんど問題がありません。 生物が生きる最大の目的

          緊張状態からの症状⑤子宮周りの症状

          首こり・肩こりのメカニズム

          肩こりで悩まれている方は多いのではないかと思います。 多くの人が肩周りのマッサージを受け、緩和処置をしているのではないでしょうか。 でも実際、肩こりが根本から良くなった、肩がこらなくなった、というよりも、その時楽になった、一週間くらい保った、などの対処療法的な処置にとどまっているというのもよく耳にします。 痛いはずの部分をほぐすだけではなぜ完治しないのでしょうか。 実は肩こりも自律神経の緊張状態と大きく関わっています。 人間は危機的状況に陥ると交感神経が過剰に働き、『闘う、

          首こり・肩こりのメカニズム

          緊張状態からの症状④しびれ

          身体にしびれがある、というと多くの人は神経からの症状を連想するかもしれません。 椎間板ヘルニアなどの症状に手や足のしびれというものがあるので、そういった神経の狭窄によるものと思うのかもしれません。 しびれのメカニズムは大きく2種類あります。 一つは前述した通り、神経の圧迫からくる神経性のしびれ。 これは骨や筋肉に神経そのものが圧迫を受け、その先にある感覚神経の受容体部分に誤作動が生じている状態です。 この場合、しびれは弱く一定になることが多く、時間帯や運動によってあまりしび

          緊張状態からの症状④しびれ

          緊張状態からの症状③目の諸症状

          身体の不調のわかりやすい部分として、目に感じる諸症状があります。 目には多くの脳神経(12種類のうち4種類)が接続していて、そのうちの第三脳神経である動眼神経には自律神経が含まれています。 動眼神経の中での自律神経の役割は主に目に入ってくる光の量を調節することです。 虹彩(こうさい)と呼ばれる目の色の付いているドーナツ型の膜を伸ばしたり縮めたりすることで瞳孔(真ん中にある黒い穴の部分)の大きさを変化させ、カメラのレンズを絞るようにして視覚情報の入力量を制限します。 視界が眩

          緊張状態からの症状③目の諸症状