緊張状態からの症状③目の諸症状

身体の不調のわかりやすい部分として、目に感じる諸症状があります。
目には多くの脳神経(12種類のうち4種類)が接続していて、そのうちの第三脳神経である動眼神経には自律神経が含まれています。

動眼神経の中での自律神経の役割は主に目に入ってくる光の量を調節することです。
虹彩(こうさい)と呼ばれる目の色の付いているドーナツ型の膜を伸ばしたり縮めたりすることで瞳孔(真ん中にある黒い穴の部分)の大きさを変化させ、カメラのレンズを絞るようにして視覚情報の入力量を制限します。
視界が眩しく感じるようになったり、逆に暗く感じるようになったりといった症状が現れます。

レンズ部分に相当する水晶体の厚さを調整するのも動眼神経の役割です。
主にピントを合わせる、といった役割をしているので、動眼神経の伝達が不十分になると物が見えづらくなったり、はっきり見ようとすると疲れる、などの症状が現れます。

まばたきをしたり、まぶたを持ち上げる、というのも動眼神経がおこなっています。
まばたきが少なくなり、目にゴミが入りやすくなったり、まぶたが持ち上がりきらず、目が細く見えたり、眠たそうに見えたりします。
眼瞼下垂と診断される場合も、動眼神経の中の自律神経の伝達不良が大きく関わっています。

また、目の乾きを感じる場合、まばたきが少なく乾きやすいことに加え、眼球付近の脱水が考えられます。
水分摂取量が少ない、頭、首まわりが硬直し、血流が悪くなっている、などが原因となることがほとんどです。

まれに目の奥に痛みを感じる方がいますが、これは頭蓋骨の歪みにより蝶形骨と呼ばれる眼球の後ろにある骨の位置がずれている場合に起こりやすいです。蝶形骨の中央に視神経(光や色を伝達する神経が束になったもの)を通すための穴が空いているので、蝶形骨の位置がずれると視神経も引っ張られて違和感を感じます。

様々な目の症状はこのように自律神経と大きく関連しています。
特に、動眼神経は脳から感覚器官までの物理的距離が最も短い自律神経の部分でもあります。
ここが伝達不良を起こしているということは、距離の遠い他の器官(特に腹部の内蔵部分)には同じかそれ以上に伝達不良が出ているとみて間違いないでしょう。
・心肺機能の不調による全身の血行不良(冷え、むくみ、低血圧、低体温)
・胃腸の不調(胃もたれ、胃痛、逆流性食道炎、便秘、下痢)
・子宮、卵巣などの不調(子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫)
・腎機能の不調による背中の痛み、頻尿
・肝機能の不調による疲れやすさ、二日酔い
・全身の緊張状態による不眠、うつ
など様々な身体の部位の不調を想像することができます。


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