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14. 村上春樹さんも愛する、ジャックロンドン・オオカミのワイン

LA在住時、ワインの専門家の日本の友人から、日本市場からは撤退してしまったカリフォルニアワイン、と教えてもらったKENWOODというワイナリーのワイン。 「KENWOOD」は、そもそも、カリフォルニアのソノマの、現地の地名に由来するのだけど、日本では、音響メーカーから登録商標で訴えられ、ロイヤルティを払うか撤退か、で結局撤退してしまった、リーズナブルな値段でなかなかいいワインだったのに残念、特に、ジャックロンドンというワインのラベルがオオカミ柄でカッコいいよ、と。

オオカミの顔ラベルのワイン。これは、ソノマのワイナリーKENWOODが、かつてジャック・ロンドンが所有したぶどう畑で作る「ジャック・ロンドンシリーズ」。
私は、お酒は全くのまないのだけど、お土産とかLA歓迎用に買ってみたら、お手頃かつ友人の間でとっても好評で、ラベルも好きで愛用していた。
そして、北カリフォルニアを旅した時、彼が愛し死までの数年を過ごした1400エーカー(566ヘクタール)のBeauty Ranch・現 Jack London State Historic Parkのすぐ横を通りながら、悪天候で断念せざるをえなかったのがずっと悔いになっていて、しばらくジャックロンドンがマイブームになっていた。
野性の呼び声 The Call of the Wild」といくつかの短編を原書では初めて読んだ後に翻訳を再読。そして、確か昔の「MONKEY」のジャック・ロンドン特集あったよなあと帰国後に本棚さがしたら、第4号の特集で柴田元幸訳の「野生の呼び声」、そして第7号に村上春樹が訳した短編「病者クーラウ」(Koolau the Leper) がのっていて、さらに、第7号の村上春樹と柴田元幸の対談で、村上春樹のこんな一文をみつけた。
「ジャック・ロンドンはリバイバルの価値があると思います。僕、昔からジャック・ロンドンが好きなんですよ、たまたま誕生日も一緒だし。毎年誕生日には、かつてジャック・ロンドンが所有していたワイナリーで今も作っている、ラベルに狼の顔が入っているワインを一本空けるのが僕の習慣になっています(笑)。」(この対談は、その後、村上春樹と柴田元幸の共著「本当の翻訳の話をしよう」に収録)。
おおおお、お酒には興味ないからこんな文があったのは全く記憶になかった!
村上春樹のジャック・ロンドン好きはけっこう有名で、ジャック・ロンドンの「たき火(TO BUILD A FIRE 火を熾す)」をモチーフにした短編「アイロンのある風景」を書いているし、「ダンスダンスダンス」では主人公がジャック・ロンドンの伝記を読む。そして、この伝記「馬に乗った水夫」が、ともかく面白い。一部面白すぎておいおい、と思うほど(笑)。大雨だろうが雹がふろうが雪がふろうが、Jack London State Historic Park に行けばよかったと激しく後悔。いつかソノマにもう一度行って、、Beauty Ranchに行かなくては。。。

ところで、帰国子女でもなんでもないわたし・・・時々、英語で思わぬ落とし穴に落ちていた。初めて、KENWOODのワインを探しに行ったとき、お店の人に聞いたら、なんと「KENWOOD」が通じなかった。ん?ケンブリッジか???と何度も聞き直され、ついに、スペルアウトしてやっとわかってもらえた(涙)。
ちょっと凹んで、「W」の発音についてネットで調べたら・・・
「英語と言えば “R”と”L” が注目されがちだが、意外と日本人がきちんと発音できていないのが “WH”と”W”。単語にもよるが、日本語の「ワ」ではなく、唇を丸めて「ゥワ」というこもった感じになる場合が多い。特に “would”、”wood”、”wool”、”which” などは日本語の「ウ」で発音すると、ほとんど通じない。唇をしっかり丸めるのを忘れずに」と。

そういえば、若かりしころ、イギリスのカンタベリーに2か月ほど派遣され、ホームステイしたことがあるのだけど、そこのお父さんに「W」の発音がおかしい・・・と言われて驚いたことがあるのを思い出した。だって特に難しいと思っていなかったから。確かに「work」とか「walk」の場合はOKだけど「would」とか「wood」の時に違うと言われて、その時、何度やってみてもらっても違いがよくわからなかったことがあったのを忘れていた。
・・・そして、改めて、自分の「W」の発音は問題があるのだと自覚し、唇を丸めまくって「ゥワ」を特訓したのだった。

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