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筋肉の短縮って?攣縮って?その治療法は?

はいどうも。
もりかんです。

筋肉の短縮と攣縮(筋スパズム)って違いわかります?

僕は、正直曖昧になっていたところがあるので
今回、調べてみました。


1.筋短縮

筋短縮は、筋肉の伸張性と粘弾性が低下した状態です。
簡単に言うと、『伸びにくくなっている状態』です。

これは、2つの問題で生じてきます。

①筋節の問題
②筋膜の問題

①筋節の問題

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筋肉は、筋線維という細い線維が束になってできています。
それらを、『筋上膜』『筋周膜』『筋内膜』という膜が覆っています。

筋線維の最小単位の『筋原線維』は、直径1~2μmであり、
0.001mm~0.002mmと同意味です。

凄く小さいです。

この筋原線維は、光学顕微鏡で確認すると、
明暗が分かれた綺麗なしましま模様になっています。

画像2

赤色⇨アクチンフィラメント
青色⇨ミオシンフィラメント

明暗の
明るく見える箇所を『I帯』
※赤色部分のみ

暗く見える箇所を『A帯』
※青色部分のみ

『I帯』の中央を『Z帯』
『A帯』の中央を『H帯』と呼びます。

筋節とは、『Z帯』から『Z帯』の間の部分を差します。


①-ⅰ アクチンフィラメントとミオシンフィラメント

筋を伸張すると、太いミオシンフィラメントに対して
細いアクチンフィラメントが引き離されて筋節間が延長します。

そのため、フィラメント間の離開が生じないと筋が短縮します。


②筋膜の問題

筋膜は、筋の束を取り囲んでいる膜です。

筋膜はコラーゲンで構成されており、大半が水分によって成ります。
長期の不動や炎症により、筋膜は線維化してしまいます。

筋膜の線維化では、コラーゲン分子に架橋が形成され伸張性を損ないます。

筋節に問題がなくても、筋膜の伸張性が制限されれば
筋は短縮します。


2.筋攣縮

攣縮(スパズム)とは、痙縮性の収縮のことを差します。
防御性収縮とも呼ばれます。

痛み刺激によって、防御的に血管や筋肉を収縮させてしまう現象です。

関節周囲での化学刺激や機械的刺激は、脊髄反射によって前角細胞のα運動線維と交感神経に作用します。

交感神経は、血管攣縮を生じさせ
α運動線維は筋攣縮を生じさせます

さらに、血管攣縮は発痛物質を産生し、さらに筋攣縮を引き起こします。

この悪循環が攣縮を増強させてしまうので、
悪循環をどのように断ち切るかが大切になってきます。


3.筋短縮と筋攣縮の評価

基本的には、疼痛の有無で見極めます。

筋攣縮では、
筋肉が虚血状態に近く、発痛物質が存在しています。
そのため、疼痛の閾値が低下おり、押すと痛いです。

反対に筋短縮では、
筋節が短縮しているだけなので、押しても痛みはないです。

そのため、
圧痛があると、筋攣縮
圧痛がなければ筋短縮と判断できます。

圧痛あり ⇒ 筋攣縮(筋スパズム)
圧痛なし ⇒ 筋短縮


4.治療法は?

筋短縮と筋攣縮で選択される治療法が異なります。

筋攣縮であれば、
虚血状態にあるため、温熱療法や筋収縮等で血液循環の促通を狙う方が効果的になります。

温熱療法や筋収縮の筋ポンプ作用にて、血管拡張作用が生じ発痛物質の流出が生じてきます。

筋短縮であれば、
筋節の伸張が必要になるのでストレッチが効果的です。

ストレッチは、ミオシンフィラメントからアクチンフィラメントを引き離すことができるので、筋節間の距離が長くなることが期待されます。


5.まとめ

筋短縮と筋攣縮にて治療法が異なります。

短縮しているのか、攣縮(筋スパズム)しているのか
しっかり見極めて、介入方法を選択していけるようにしましょう。


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