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イノベックス袋井工場-地中熱化計画-①前編

皆さま、こんにちは。

株式会社イノベックス(本社:東京都中央区明石町)・袋井工場(静岡県袋井市)の現場責任者を務めております、生産本部統括の杉本と申します。

ダイオ袋井工場統括 杉本康典

今回、自社工場での地中熱活用の試みについてお話しする機会を賜りましたので、ご説明させていただきます。

イノベックス ダイオ袋井工場

2022年、株式会社イノベックスは再生可能エネルギーである地中熱事業を世に送り出します。
そもそも、私どもイノベックス株式会社の親会社であるウェーブロックホールディングス株式会社(本社:東京都中央区明石町)が、1つの熱源口から“水資源”と“熱エネルギー”の両方を従来の地中熱工法の4倍から5倍で取り出せる、日本初の独自技術「ヒートクラスター(特許技術)」を確立させ、エネルギー関連事業に進出したことがきっかけになります。
地中熱とは、浅い地盤中に存在し、地表からおよそ地下200メートルの深さまでの地中にある熱のことです。
このうち深さ10メートル以深の地中温度は季節にかかわらずほぼ安定しており、夏は外気温より冷たく、冬は暖かい性質を持っているのが特徴です。
この安定した熱エネルギーを地中から取り出し、ヒートポンプシステム、空気循環、熱伝導、水循環、ヒートパイプなどの5つの利用方法を活用することで、冷暖房や給湯、融雪などに利用することができます。
そんな夢のある環境先進技術を持っております私どもイノベックスが、2023年1月から自社工場でも地中熱を活用する試みを始めます。

1.地中熱活用にかける現場からの期待

ダイオ袋井工場の内部

はじめに、地中熱を活用して職場環境を改善していく試みのきっかけからお話しします。

20年ほど前からになりますが、工場の空調関係においては重油を使った冷温水発生器といった設備で対応してきました。

ただ、20年も経ちますと、メンテナンスといいますか、ちょうどオーバーホールの機会がやってきました。

そこからになりますけれども、良い機会ですので、弊社のGX事業部が展開する独自技術「地中熱源空調システム」を利用した対応を考えていきたいと思いました。

期待する部分というのは、まず空調の面に関しては、昨今の重油の値上がりが問題になっておりましたので、現場レベルにおいては節電といいますか、エネルギーのケチケチ運用で対応してきたというのが実際のところです。

ですから、まず夏には節電に配慮しながら空調をかけてきましたし、冬においても空調の稼働を一部止めたりなどして対応してきました。

そこで、地中熱の活用により、現場での作業者の皆様の働く環境や空調のための手間を省いて作業環境を良くすることには大きな意味があると思っています。

また、私どもは製造メーカーですから、その取り組みの一環として環境対策への期待ということが当然ございます。

今までは重油を使ったエネルギーの活用という方法で空調などに対応してきましたけれども、それを地中熱という、いわば自然エネルギーでの対応によってCO2を削減できるという期待ですね。

また、袋井工場では太陽光にも対応していますので、地中熱の活用と併せて環境対応のためのモデル工場になるという期待もあります。

いわゆる、1つのショーケース的なものとしてアピールできればいいなと思っています。

結論として、コスト削減効果と環境対応、あとはモデル工場になることを期待しております。

2.地中熱活用への本気さ

地中熱活用を導入するにあたっての課題ですとか、導入にあたって難しかったなぁと思う点について聞かれることがあります。

課題と言いますか、私の中では難しいというよりも「やりたい」という思いの方が強かったですので、そういった意味では難しさとか課題とかといった意識はありませんでした。

とにかく「やりたい!」「そういう工場を作っていきたい!」という思いでしたのでね。

夢に向かって走る人が普通の人なら感じるハードルをものともせずに、といった感じで、やりたい気持ちの方が勝っていたわけです。

地中熱活用をやるための、それに向かってのものでしたので。

確かに、当然、やるべき対応はあります。
今回に関しては補助金等の対応もありますしね。

それについてはチームとしての取り組みでの対応という形で対処してますので、そういった意味でクリアしなければならない問題は多々ありましたけれども、特にそこの部分が問題という意識は私は持っていませんでした。

いずれにしても、「進む!」という意識で動いておりました。

すべて想定される課題であって、一つずつ乗り越えていけば、やりたいことにどんどん近づいていくという感じでした。

そのため、私の中では課題や問題などは特に感じなかったです。

同じような課題に興味を持たれている工場の経営者様ですとか、工場長様といった方々に勇気をもっていただけましたら幸いです。

3.自社工場での地中熱活用の取り組みに対する社員への期待

ダイオ袋井工場内部

今まではクライアント様に対して地中熱活用の導入をいろいろと推し進めてきましたが、前述のように、自社工場でもいよいよ今年の1月から導入致します。
工場内の就労環境などがどのように変わっていくのかを自社で実証してみようという試みになります。

私たちの社員にとっては1日の時間のうちの長い時間をこの工場内で過ごします。
そのため、まずはやっぱり、社員の皆さんに今回の地中熱活用の活動について知っていただきたいのです。

そして、会社の誇りというと大げさになるかもしれませんが、「自分たちの工場は地中熱活用の活動をしているんだ!」という意識をまずは広めたいなという思いがあります。

地中熱の対応というのは、この静岡県の西部においてもなかなかそう現実にあるものではない状況と認識しています。

そういった中で、「自分が、あるいは、お父さんやお母さんが勤めている会社というのはこういう取り組みをやっているんだよ」という認知といいますか、その価値を知ることが、まずは一番大きなインパクトといいますか、社員の皆さんへの期待になります。

社員の皆様に一種の、地中熱活用の取り組みの外交官みたいな感じでやってもらえたらなと思っています。

普通は、こういう取り組みをなかなかやっていないものですが、「自分たちは地中熱活用の取り組みもやっているんだよ」という認識をしていただくのが重要なのかなと思っています。

そういった部分での差別化、気持ちの部分での差別化というわけではないですけれども、自分たちの会社が地中熱の活用に取り組んでいることへの認識を、その思いを、まずは(リーダーである)自分たちが社員たちに伝えていきたいです。
そして、会社全体としましても、これから先に活躍される未来の方々に対して、「今こういうことに取り組んでいるからね」ということを思いとして伝えていければなと思っています。

そういう取り組みをやっているという特異性というか特別性について感じていただけると、生産活動に参加していただいている皆さんの思いが変わっていくかなという期待をしています。

4.地中熱活用の夢と地元・袋井市への思い

地中熱システム導入工事

地中熱活用を世の中に広めていくにあたり、今後思い描かれている未来像といいますか、地中熱を活用してどのような世の中にしていきたいのかについてもご説明させてください。

地中熱の利用においては、まず地域性から見た場合に、この静岡県西部のエリアというのは比較的水の資源が豊富なエリアです。

そのため、ランニングコストや環境への良い影響も含めて、ここで60年近く袋井市にお世話になっている者としては、非常に地域に貢献できるかなという思いを抱いております。

今後は、化石燃料に代わる自然エネルギー体が重要になってくると思います。
そこで、地中熱活用によりその代替エネルギーへの対応ができるということを地元の皆様に知っていただくことが1つの大きなファクター、展開になると思っています。

まずは、地中熱活用の認知を広めていきながら、展開していければなと考えております。

続きは後編で。


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