見出し画像

大企業と裁判で争って和解。その後、子会社の社長にまで上り詰めた人の話

学生時代に法学部の知り合いが多かったからなのか、「三菱樹脂事件」というパワーワードが記憶に残っています。これは、すごくざっくり言うと、学生時代に学生運動をしていて三菱樹脂に入社したものの、試用期間後に本採用拒否になったある男性が、13年にも渡って裁判で争った事件のこと。不採用にしたことは、憲法に定められた「思想・信条の自由(19条)」と「信条による差別の禁止(14条)」の侵害ではないか、という点に関して争われました。

判決としては、ざっくり言うと、①憲法の人権規定は私人間には適用ないし類推適用されない、②会社は雇用の自由を有するので、特定の思想を持つ者に対しそのことを理由に雇用を拒否することは公序良俗に反しない、③思想の調査も適法、ということ。つまりは憲法に反しないということらしいです。

訴えた男性は一審・二審で勝訴したあと、三菱樹脂と和解。晴れて同社に入社します。そして100%出資の子会社の社長にまでのぼりつめたとか。普通、本採用拒否になったら泣き寝入りしてしまう気がしますが、この人は大企業相手に戦ったんですね……気骨あります。

また、入社しても「裁判を起こした人間」ということで干されそうな可能性もあるわけですが、この方はもともと仕事のできる人だったのでしょうか。最後は子会社の社長にまでなっていますからね。人は環境のせいにしがちですが、結局のところ能力次第ということだということでしょう。

この方のように、自分のプリンシプルを持ち、それに従う生き方に憧れます。同時に、不屈の精神というのはいかにして醸成されるのか興味が湧いた事例でした。



よろしければサポートお願いします!