3/10 IPO $RBLX (Roblox)の分析: 〜教育分野でのテンセントとの提携等の注目ポイント有〜
ポイント
・低年齢層への強いアプローチを持つ
・ゲーム業界でにおいてプラットフォーム型で安定した成長を見せている
・テンセントと提携し中国・教育市場へのフックを持っている
・SNS型のモダンなビジネスモデル
IPO概要
本日 $45で上場
・時価総額 $29.5B
・売上高 $924M (2020年)
・PSR 32倍
PSR/時価総額の比較参考値 (PSR, 時価総額)
$U : 35, 27B
$SKLZ : 37.5, 7.4B
PSR的には違和感ないけれど、コロナの追い風が無くなるなかUnityより高いのかと思うと、少しためらわれる。
サービス概要と人気ゲーム
独自のゲームエンジンとゲームプラットフォームを提供しています。
プラットフォーム上で開発者がゲームを開発し、アイテムなどを販売しています。RBLXは販売・購入の際に一部を手数料として利益を上げています。
ゲームプレイ自体は基本的に無料となっているようです。
ユーザーは、Robux(ロバックス)という仮想キャッシュを使用して、衣類やアクセサリーなどの仮想アイテムを購入します。RobloxはRobux取引の一部を手数料として受け取り、残りを開発者と作成者に配布します。
引用:Robloxが上場申請【S-1日本語要約】
Roblox上の人気ゲーム:Adopt me
Roblox上では様々な人気ゲームがありますがAdopt meというゲームが人気ゲームの一つのようです。かなりユニークなゲームに見えます。
Adopt Me!(アドプトミー!)は、大規模なマルチプレイヤーオンラインロールプレイングゲームであり、名目上の焦点は、親が子供を養子にするか、子供が養子縁組されるかのどちらかを装うプレーヤーだが、事実上の焦点は、他の人と交換できる多くの異なるペットの養子縁組と世話にある。 2020年7月の時点で、ゲームは100億回以上プレイされていた。2020年4月には、同時プレイヤー数の161万人を突破し[7]、最も同時プレイヤー数を記録したゲームとして名を残している。
引用:Wikipedia
SNS的にプレイするゲームだということがよくわかる動画です。このようなスタイルがこれからウケるというのは非常に納得がいきますし、人間関係がゲーム内で築かれるので、離脱率も下がりそうですし、課金率も高まりそうです。
売上状況
IPOが延期されたために、古い情報しかないようですが、売上はもくろみ書提出時点まで順調に伸びています。
出所:S1
地域的に見るとほとんどアメリカで売上をあげています。どの地域でも同じような成長速度となっているようです。
出所:S1
Daily Active User情報が細かくグラフでS1にありました。順調のようです。
出所:S1
RBLXの特徴1:低年齢層ユーザがメインターゲット
アンダー9までを含む低年齢層ユーザにアプローチしている点が非常に特徴的です(それゆえのリスクについて後述)。この特徴からゲームのみでない、教育等への展開・拡大も期待しています。
出所:S1
RBLXの特徴2:ネットワーク効果の活用に注力
RBLXはネットワーク効果を重視し、好循環を作り出しています。開発者に投資し、彼らがプレイヤーを呼び、そしてSNSなどの力でその友達をプラットフォームに参加するような仕組みづくりをしています。
高くなりがちである広告費は低く押さえられ、そして後発との差別化にもつながる素晴らしい仕組みだと思います。
RBLXの特徴3:プラットフォーム型の安定感
概して売上が不安定なゲーム業界ですがRBLXはプラットフォーム型であり安定したビジネスを形成しています。そよさんのこのツイート分析のように、安定した右肩上がりの注目度を示しており、他のゲーム関連企業と比べると珍しい特徴です。
今後の期待:中国・教育分野への進出
すでに述べたようにRBLXの売上は米国に偏っていますが、実はテンセントと提携しており中国への足がかりを持っている状態です。そしてここが面白いところなのですが、提携分野は教育分野なのです。
これはRBLXが没入感をつくる仕組みとノウハウを持っており、かつ子供への強いアプローチを持っているためではないかと思います。業績を急激に拡大していくのは業界またぎを実現し、他業界の黒船となる時だと思います。RBLXは教育業界に対し黒船となれるポテンシャルを持っているように思えます。
出所:ゲーム大陸
リスク要素1:SNSが孕むリスク
Robloxのユーザの多くは低年齢であり、SNS要素のために性的コンテンツなどが問題となっており、批判を受けています。対応コストの増加やユーザ数減少のリスクは意識すべきかと思います。
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