2022/10/15 週間マーケットレポート

週間の値動きと概況

アメリカ長期金利(10年):4.022%
アメリカ10年BEI:2.41%
実質金利:1.611%

ニューヨーク市場は前週比でまちまちでした。木曜はCPIの結果を受け下落して始まったものの上昇して取引を終え、金曜は大幅に反落しました。FOMC議事要旨からは、制限的な金融政策スタンスを維持する必要があるという見解でメンバーが一致していたことが分かりました。

イギリス中央銀行のベイリー総裁は、緊急国債買い入れ措置を延長しないと明言しました。市場規律維持を重視し、買い入れ措置は10月14日で終了します。また、トラス首相はクワーテング財務相を更迭し、法人税の引き上げ凍結を撤回しました。

ダウは上昇、NASDAQは下落となったためセクターはまちまちでした。

(考察・感想)
経済指標に左右されるボラティリティの高い状況となっていると思います。イギリスでは、金利上昇による年金基金の損失が最大約25兆円と試算されるなど、何もしない方がましと思われるような状況となっています。イギリスの政治は混乱していますが、政策について市場が反応し、その結果で政策が撤回されるというのは健全ではないかと思います。

9月CPI

CPIの内訳を見ると、前月比でエネルギーは-2.1%と下落していますが、家賃を含むサービスが+0.8%、食料も+0.8%と引き続き上昇しています。一方、民間調査では住宅市場の減速が鮮明で、家賃の伸びも鈍化しているとの調査結果もあります。市場動向がCPIに反映されるまではタイムラグがあるようです。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-12/RJNB58DWX2PS01

CPIの結果を受けて、市場では11月と12月のFOMCで0.75%の利上げが行われるとの見方が強まりました。FedWatch Toolによると、11月FOMCでの0.75%利上げ予想がほぼ100%、12月FOMCでの0.75%利上げ予想が66%となっています。CPIが予想を上回り、年内に大きく利上げされる確率が高くなったにも関わらず、株価は一時上昇しました。

(考察・感想)
インフレ指標が高い数字となっているのにも関わらず、株価はこの水準に慣れてきたようです。財価格のピークアウトに加え、原油価格や住宅市場動向などを考慮すると、インフレ指標は横ばいあるいはピークアウトの動きになる可能性が高いと思います。インフレへの慣れとインフレ指標ピークアウトの可能性から、投資比率を10%上げて30%としました。今後も少しずつ投資比率を上げていきたいと思います。来週から決算週間となり、過去数ヶ月はそれほど悪くない業績となっていそうなので、決算結果からの上昇も期待できると思います。

参考)しつこいインフレの裏で財価格は冷えてきた

来週のポイントと見通し

1.金利動向
アメリカ長期金利(10年)の推移に注目です。以下は日足チャートです。

2.ウクライナ情勢とエネルギー制裁
ウクライナ東部ハリコフ方面と南部ヘルソン方面で、ウクライナが攻勢を維持しています。ドネツク州バフムート周辺ではロシアが優勢です。エネルギー関連の制裁に注目です。

3.決算発表
主要企業の決算発表予定は以下となります。
10/18(火)Goldman Sachs Netflix
10/19(水)Tesla
10/20(木)AT&T
10/21(金)American Express

見通し
短期では、インフレが継続しつつ各国中銀の引き締め姿勢がはっきりとし、株価が大きく続伸するのは難しい状況かと思います。エネルギー関連の制裁が強化されたり、景気後退が本格化すると、株価の下落リスクがありそうです。逆に、もしインフレが落ち着くと株高になり、為替はドル高の巻き戻しがありそうです。

長期では、インフレと景気後退への懸念があるため、安全なポートフォリオとしています。弱気は継続ですが投資比率を30%に上げています。

先進国インデックス   30%
現金・国内債券 70%

10月末までの主な予定

10/14~ アメリカ主要企業決算発表
10/27(木)ECB理事会
10/27~28 日銀金融政策決定会合
10/28(金)アメリカPCEデフレーター


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?