2022/5/21 週間マーケットレポート
週間の値動きと概況
アメリカ長期金利(10年):2.785%
アメリカ10年BEI:2.55%
実質金利:0.235%
ニューヨーク市場は前週比で下落しています。FRBパウエル議長は、「インフレ低下の確証を得られなければ、FRBはさらに積極的な行動を検討する必要がある」と発言しました。ターゲットは純利益が前年同期比52%減となり株価は-25%急落し、他社の業績にも懸念が広がりました。ゼロコロナ政策の悪影響で、中国の工業生産は前年同月比2.9%減、小売売上高は前年同月比11.1%減となりました。
ウクライナでは、東部ドンバスでロシアが優勢、南部ヘルソンは防御陣地を構築しながら砲撃をしているのみで膠着、ハリコフ周辺ではウクライナが優勢となっています。アメリカが設定していた特例措置が25日に期限を迎え、延長されない予定のため、ロシア国債のデフォルトが見込まれています。
ウォルマートとターゲットの決算の影響で、一般消費財、生活必需品セクターが大幅に下落しました。
(考察・感想)
引締めを急ぐ各国中央銀行、アフターコロナの冴えない決算、ゼロコロナ政策の悪影響で景気減速する中国、終わりの見えないウクライナ侵攻と悪材料が多いままの状態となっています。引き続き様子見で良いかと思います。
ウォルマートとターゲットの決算
ウォルマートは前年同期比で純利益が約-25%と急減し、通期利益見通しを下方修正しました。また、ターゲットは前年同期比で純利益がおよそ半減となりました。
ウォルマートは利益の減少に関して3つの要因をあげていて、寄与度はそれぞれ1/3ずつとのことです。
また、ターゲットは最大の要因として売上構成比の変化をあげています。
(考察・感想)
食品やガソリンなどの価格が上昇していること、給付金などの一時的な所得がなくなったことで、売上構成比に変化が出たようです。インフレのため食料やガソリンなどに支出せざるをえず、家具やテレビなどが売れなくなっています。ウォルマートとターゲットについては売上構成比の問題が大きく、来期は品ぞろえを調整してくると思うので、来期決算は今期ほどは悪くないかもしれません。賃金や燃料費の上昇は、今後も注意が必要だと思います。
売上が増加しても利益が減少してしまうというのがインフレ昂進時の決算となり、来期の決算も利益の減少が懸念されそうです。S&P500 Forward EPSはまだなんとか上昇していますが、これが下降してくるようだと株価の調整も長引きそうです。
見通し
1.ウクライナ情勢
東部ドンバスでロシアがやや優勢、南部ヘルソンは膠着、ハリコフ周辺ではウクライナが優勢です。ロシアが敗退するまで停戦交渉はなさそうです。
2.金利動向
アメリカ長期金利(10年)がどこまで上昇するかに注目です。以下は日足チャートです。
短期では、インフレが継続しつつ各国中銀の引き締め姿勢がはっきりとし、株価がすぐに最高値を更新するのは難しい状況かと思います。エネルギー関連の制裁が強化されたり、長期金利が上昇すると、株価も大きく下落しそうです。為替はウクライナ情勢次第で巻き戻しがあるかもしれません。
長期では、長期金利が大きく上昇したため、安全なポートフォリオとしています。また投資比率を上げれる状況になるか様子を見ていこうと思います。
来週の主な予定
5/25(水)FOMC議事要旨
5/27(金)アメリカ個人消費支出(PCE)
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