2022/9/17 週間マーケットレポート

週間の値動きと概況

アメリカ長期金利(10年):3.451%
アメリカ10年BEI:2.38%
実質金利:1.071%

ニューヨーク市場は前週比で下落しています。アメリカ消費者物価指数(CPI)の結果が予想を上回り、株価は大幅に下落しました。CPIの内訳としては、ガソリン価格が下落したものの、家賃や食品価格が上昇しています。一方、米ミシガン大学消費者マインド指数では、5~10年先のインフレ期待は2.8%、1年先のインフレ期待は4.6%とやや低下がみられています

アメリカ消費者物価指数(CPI)[前年比] 前回8.5% 予想8.1% 結果8.3%
アメリカ消費者物価指数(CPIコア)[前年比] 前回5.9% 予想6.1% 結果6.3%

ハリコフ方面でウクライナが反攻に成功、イジュームを奪還し東に向けて攻勢をかけています。秋の泥濘期になると装甲車両が進みにくくなるため、しばらくすると戦線はまた膠着しそうです。EUはピーク時の電力消費量を少なくとも5%削減するよう加盟国に義務付け、エネルギー企業の利益を一部徴収する方針を発表しました。

セクターは全体的に下落しています。

(考察・感想)
CPIの結果を受け、インフレが根強く利上げが続くことが意識されました。株式市場はまたしても楽観的になりすぎたようです。家賃の上昇が根強いこともあり、インフレの鎮静化はまだ先になるのではないでしょうか。

インドのモディ首相が「今は戦争の時ではない」と発言し、中露首脳会談では「侵攻を巡る中国の疑問と懸念を理解している」というロシア側からの発言があったことなど、ロシアに対する中国とインドの姿勢に変化が見られ始めたかもしれません。

9月FOMCについて

9月20~21日の日程でFOMCが開催されます。利上げについてFOMCメンバーは以下のように発言しています。

ウォラー理事「再度の大幅な利上げ(0.75%)を支持する」
ブラード総裁「現時点では0.75%への傾斜をより強めている」
エバンズ総裁「0.75%の追加利上げを決定することが十分にあり得る」
ジョージ総裁「スピードよりも着実さと目的意識が重要となる」

FedWatch Toolによると、現在の市場予想では0.75%利上げされる確率が82%、1%利上げされる確率が18%となっています。また、今回のFOMCではドットチャートが示されます。以下は6月FOMCでのドットチャートです。

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20220615.pdf

(考察・感想)
FOMCメンバーの発言や市場予想からすると、9月FOMCでは0.75%の利上げが行われる可能性が高そうです。1%利上げされる場合はまたWSJのNick Timiraos記者からリーク記事が出るのではないでしょうか。インフレが昂進する中でFRBは利上げに消極的な姿勢は見せにくいので、9月に0.75%、11月に0.5%もしくは0.75%、12月に0.5%の利上げとなるのではないかと予想しています。

6月FOMCの時点では2023年に3%後半で利上げが止まる想定でしたが、今回のドットチャートでは上振れが見込まれます。FedWatch Toolでも、2023年半ばの政策金利は4.50~4.75%が予想されています。インフレがピークアウトし、FRBが利上げペースを減速できるかどうかが引き続き焦点となっていくと思います。

来週のポイントと見通し

1.FOMC
9月20~21日の日程でFOMCが開催されます。ドットチャートに注目です。

2.金利動向
アメリカ長期金利(10年)の推移に注目です。以下は日足チャートです。

3.ウクライナ情勢とエネルギー制裁
ハリコフ方面とヘルソン方面で動きがあります。エネルギー関連の制裁に注目です。

見通し
短期では、インフレが継続しつつ各国中銀の引き締め姿勢がはっきりとし、株価が大きく続伸するのは難しい状況かと思います。エネルギー関連の制裁が強化されたり、景気後退が本格化すると、株価の下落リスクがありそうです。

長期では、インフレと景気後退への懸念があるため、安全なポートフォリオとしています。また投資比率を上げれる状況になるか様子を見ていこうと思います。

先進国インデックス   20%
現金・国内債券 80%

9月末までの主な予定

9/20~21 FOMC
9/22(木)イギリス中銀政策金利発表
9/21~22 日銀政策決定会合
9/30(金)アメリカPCEデフレーター


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