2022/10/8 週間マーケットレポート

週間の値動きと概況

アメリカ長期金利(10年):3.885%
アメリカ10年BEI:2.27%
実質金利:1.615%

ニューヨーク市場は前週比で上昇しています。オーストラリア中央銀行が政策金利を0.25%(予想 0.50%)引き上げ、ハト派的なサプライズとなりました。低調な経済指標もふまえて世界的な利上げのピークが近いと期待され、株価は大幅に上昇しました。しかし、失業率が8月の3.7%から3.5%に低下するなどアメリカ雇用統計が堅調だったことで、期待が弱まり株価は下落しました。また、エバンス総裁が「政策金利は来春までに4.50~4.75%に達する可能性が高い」と発言するなど、FRB高官から利上げ継続への支持が相次いでいます

ウクライナ東部ハリコフ方面と南部ヘルソン方面で、ウクライナが攻勢を維持しています。ドネツク州バフムート周辺ではロシアが優勢です。

原油価格の上昇によりエネルギーセクターが大幅に上昇しています。一般消費財・公益・不動産セクターは下落となりました。

(考察・感想)
利上げペース緩和への期待によって株価が大幅に上下するボラティリティの高い状況になっていると思います。FRB高官が利上げ継続を繰り返し表明しているのにも関わらず、市場参加者は良いニュースを探して買いのタイミングを見計らっているようです。FRBが利上げの方針を変更することはなさそうなため、まだしばらく株価の低迷は続きそうだと思います。S&P 500 Forward EPSがなかなか下がらない中、10月中旬からの決算発表が注目されます。

アメリカ中間選挙

アメリカの中間選挙は11月8日に投開票が行われます。定数100の上院では、民主党46議席、共和党47議席を確保し、7議席が接戦となる予想となっています。また、定数435の下院では、民主182議席、共和219議席を確保し、34議席が接戦となる予想です。下院で民主党が過半数を取る可能性は小さくなっています。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN04D5Q0U2A001C2000000/?unlock=1

バイデン大統領の支持率は低迷し、現在は40%近辺となっています。世論調査の結果では政府が取り組むべき課題として、「インフレ」「犯罪」が上位となっていますが、バイデン大統領の取り組みに対する評価が「インフレ」「犯罪」それぞれ30%・32%と低くなっています。また、保守派の判事が多数を占める最高裁は、6月にロー対ウェード判決を覆す判断を行い、全米50州のうち12州以上で中絶が禁止されました。そのため、中絶の権利保護も争点となっています。

(考察・感想)
インフレ昂進を背景に民主党の苦戦が予想されてきましたが、中絶の権利保護も争点となったことで接戦となっています。最高裁判事は共和党系が多数を占めていて、共和党寄りの政策に振れすぎた分の揺り戻しが起きていると思います。民主党が下院過半数を取るのは難しく、バイデン政権は残り2年レームダック化しそうです。選挙が終われば不透明さが緩和され、株価には一時的に良い影響がありそうですが、中間選挙後は政策的にはあまり何も進まない2年となる可能性が高そうです。

来週のポイントと見通し

1.金利動向
アメリカ長期金利(10年)の推移に注目です。以下は日足チャートです。

2.ウクライナ情勢とエネルギー制裁
東部ハリコフ方面と南部ヘルソン方面で動きがあります。エネルギー関連の制裁に注目です。

3.決算発表
主要企業の決算発表予定は以下となります。
10/14(金)United Health JP Morgan Wells Fargo

見通し
短期では、インフレが継続しつつ各国中銀の引き締め姿勢がはっきりとし、株価が大きく続伸するのは難しい状況かと思います。エネルギー関連の制裁が強化されたり、景気後退が本格化すると、株価の下落リスクがありそうです。

長期では、インフレと景気後退への懸念があるため、安全なポートフォリオとしています。また投資比率を上げれる状況になるか様子を見ていこうと思います。

先進国インデックス   20%
現金・国内債券 80%

10月末までの主な予定

10/21(水)アメリカPPI
10/13(木)アメリカCPI
10/14(金)アメリカ小売売上高
10/14~ アメリカ主要企業決算発表
10/27 ECB理事会
10/27~28 日銀金融政策決定会合


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