見出し画像

ストレスチェックはなぜ始まった?

こんばんは、お気楽衛生管理士ハルです。
皆様ストレスチェックは受けていらっしゃいますか?
え!?あんな適当な質問に答えて「ストレス高いですね」って毎回言われるだけのテストなんか意味がないから受けてない?
なるほど、実に良い意見です。
実際皆様は「そもそもストレスチェックは何のために行い、またその結果は何の役にたっているのか」を勤めている会社から説明を受けた事はありますか?
ただ配布された手紙に「あなたの心の健康を守ります」程度にしか説明が無く、会社からは何も説明されてはいないのではないでしょうか?そもそも「あれ?受けた事ないぞ…」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
もしかすると…

貴方の会社ではストレスチェックが正しく行われていない!!

かもしれません!
まずはストレスチェックはなぜ始まり、また何を目的にされているか解説してまいりましょう!

1.ストレスチェックは誰が作ったのか?

まず答えを一言で…

「厚生労働省(民主党政権時)」です

そもそもストレスチェックは2010年に厚生労働省の「自殺・うつ病対策プロジェクトチーム」が職場での健康診断を活用してメンタル不調者を探す提言をした事が始まりです。
確かに日本では今現在も多くの方が、仕事による悩みをかかえ鬱病を引き起こしてしまう方も少なくなく、苦しみ苦しみぬいた方が最後には自殺をしてしまう、そんな方が非常に多い哀れな国です。
厚生労働省としても「何とかしたい」という思いがあったのかもしれませんが、そもそも「メンタル不調者を見つけ出す事は差別に繋がるのではないか?」「健康診断だけで鬱病が発見できる訳がない」といった意見も多く、その法案は揉めに揉めに揉めました。
実際に現場の医師からの反対も多かったのですが、厚生労働省のごり押しにより、一旦は可決される所までいきました。しかし、民主党の失墜と共にその法案は一度廃案となったのです。
このまま消えさってくれてもよかったのですが、その後自民党政権が復活した際に改めて厚生労働省のごり押しが再開される事となります。
そんな中当初は「メンタル不調者を見つけ出し、治療を行わせる」といった目的だったものが「職場による心理的負担の程度を把握する」という、
あれ?随分目的が小さくなりましたね…といった内容に変更される流れとなったのです。
最終的にはストレスチェックの目的は

労働者に自身のストレスの程度を把握してもらう
ストレスチェックの結果を職場改善に活用する

といった2点が重点とされることとなり、2014年6月にストレスチェック制度(労働安全衛生法第66条の10)が制定される事となりました。
面倒な事を始めやがってと恨むのは会社ではなく厚生労働省にしましょう!

2.法律には何と書かれている?

さて皆さんはストレスチェック制度(労働安全衛生法第66条の10)とはどんな法律なのかご存じですか?
恐らく99%以上の人が「そんなもんあったんかい」という程度ではないでしょうか?実際に見てみましょう

ストレス2

少々画像が見にくくて申し訳ありませんが、法律の内容としては

〇常時50人以上の労働者を使用する事業場に対し、医師、保健師等による毎年1回、定期的に心理的な負担の程度を把握するための検査[ストレスチェック]を実施することが事業者に義務付け(50人未満は努力義務)
〇検査の結果、一定の要件に該当する労働者から申し出があった場合、医師による面接指導を実施する事を事業者の義務とする。


の2点です。毎年のストレスチェックは法律により「義務」とされた為に行われているんです。
また、これを読むと「一度も受けた事がない!」という方はピンとくるかもしれませんね。そうです、ストレスチェックは会社の人数によって実施が「義務」となるか「努力」となるかが分かれている為です。
2020年現在も50人未満の事業所は「努力義務」のままな為、小さい会社等では未だに1度もストレスチェックをやっていない所もあって可笑しくないのです。
そして二つ目の「面接指導の実施義務」に関して、貴方の会社ではどうでしょうか?ストレスチェック実施後にちゃんと「医師による面接」が行われていますか?まさか

誰も受けていない
上司に面接された

なんて方はいませんよね?
ちなみにこの法律「事業者(社長)に実施義務」となっており、実施しなければ法律違反となりますが…

今のところ、実施しないことで罰則が生じた報告はありません

                     それでいいのか厚生労働省…
それと気づきましたか?
法律に「ストレスチェックの結果を職場改善に活用する」項目が無い事に…

3.まとめ

今回はまず、「誰が何のために」「どんな法律を」作ったのかたザックリと解説を行いましたがいかがでしたか?
ここまではストレスチェックの基礎中の基礎であり、
まともな会社であれば、50人以上の職員がいれば毎年ストレスチェックが実施されているし、医師による面接もちゃんと行われている筈です。

次回からは、実際に存在する「ストレスチェック指針」を元にストレスチェックの闇の奥へと潜っていくこととなります。目的としてはあった筈の「職場改善」は何処へ消えてしまったのかも解説をしていくこととなります。
貴方の会社は、職員のストレスに対して「とても大切」と考えているのか、「どうでもいい」と考えているのか気づく事になりますので、ご注意ください。
それではまた次回の記事でお会いいたしましょう!

無題


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?