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相場格言・・・って書いたものの ◇其の弐拾「たいていの株の動きは予期された以上に動いていく」

相場格言「たいていの株の動きは予期された以上に動いていく」

【たいていのかぶのうごきはよきされたいじょうにうごいていく】


<意味>

ウォール街の相場格言。株価には行き過ぎはつきもので、上にも下にも行き過ぎるものです。
 
株価はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)のほかに人気や需給関係も織り込まれます。人気や需給関係は予測がつかないので、株価の行き過ぎは起こりうるという意味。


<思うこと>

株の取引には日経225のような指数で売買するインデックスファンド、投資資金を増やせる信用取引など他にもたくさんあります。その影響で個別銘柄の株価に歪みが生じることがあります。

ここで、面白いと思った一例を紹介します。
 
2024年8月5日に日経平均株価が4451円28銭安で取引を終えました。
1987年10月の株価暴落「ブラックマンデー」が起きた際の3836円48銭を超え、過去最大の下落になりました。

図1はその時期のLINEヤフー(銘柄コード:4689)の株価のチャートです。

図1 LINEヤフーの株価

LINEヤフーは8月2日取引終了後に1株388円で公開買い付けを発表しました。本来であれば、翌営業日の8月5日は388円近くになるのですが、大暴落の影響を受けてしまい、338.8円という安値がついてしまいました。
 
「388円で買いますよ」と言っているのに、338.8円まで売られるのは不思議なことですが、「株の動きは予期された以上に動いていく」もので大暴落の最中、自分はLINEヤフーの株を喜んで買いました。
 
LINEヤフーの下落は一時的で、あまり時間もかからずLINEヤフーの株価は388円近くになり、棚から牡丹餅のような利益を得ました。
 
それから株価が400円を超えるとは予期できませんでしたが、株価は常識では考えられない動きをすることがあり、その時に冷静でいられるかが、投資家の技量といえるかもしれません。


自分は株価が予期された以上に動いた時には次のようなことを行っています。

【大暴落の場合:保有株を見直す】
例えば、図2のようにA株とB株があったとします。安定時のA株は30万円、B株は40万円です。
 
自分の中ではどちらも有望株ですが、できればB株の方がほしいと思っています。しかし、投資資金の都合上、B株は諦め、A株を購入しました。

図2 安定時の株価


その後、図3のように大暴落が起こり、A株は23万円、B株は22万円に下落しました。そこで、A株を売却して、B株を購入します。

図3 暴落時の株価

A株の損切りによって、7万円の損失が発生しますが、B株が安定時の40万円に戻れば、18万円の利益になるため、総合的に考えると、プラスになります。(ただし、思惑が当たればの話ですが・・・)
 
大暴落があったことで、購入を諦めていたB株を保有できる機会を得ることができました。


大暴落の時はLINEヤフーのように、下がるはずがない銘柄でも下がるのですから、有望株のバーゲンセールは結構あるので失望せずにしっかり株価を見といた方がいいです。

【大暴騰の場合:売りたい銘柄があっても、売らないで待ってみる】
例えば、図4のように目標株価(売却してもよい株価)になっても、すぐに売却せずに保有しています。

図4 大暴騰の対応

そして、上昇傾向がなくなった時に売却します。タイミングを見極めるのは容易ではありませんが、図4の利益確定売りゾーンで売却すればうまくいったと考えて、余裕をもって対応します。


自分の場合、「株の動きは予期された以上に動いていく」というのは普通のことのように思うので株価が大きく変動することに対して、動揺することはありません。
 
ただ、全体的に株価が上昇傾向しているにも関わらず、自分が保有している株だけが下がっていると、気持ちが沈む時があります。


<相場格言と全然関係ない経験談>

予期された以上に動くことは株式市場だけに限ったことではありません。
 
自分の身近なところでは漫画「ガラスの仮面」の単行本50巻の発売日がいつになるのか、まったく予期できません。

ガラスの仮面49巻表紙より

「ガラスの仮面」は平凡な少女・北島マヤが往年の大女優・月影千草によって、秘められた演技の才能を開花させていく物語です。
 
アニメ、ドラマ、舞台となった有名な漫画ですが、1976年に単行本1巻が発売されて、長期休載を含みながら、2024年現在も49巻で連載中ということになっています。


自分は漫画に一番熱中していていた中学生ぐらいだったと思います。友達が持っていたので、読ましてもらい、すぐにハマりました。そこで、古本屋で中古本を購入しました。その当時の最新刊が35巻でした。
 
35巻では伝説の舞台「紅天女」の話が始まっていました。「ガラスの仮面」を知っている人であれば紅天女はクライマックスであることはわかるでしょう。
 
かつて、月影千草が演じた伝説の舞台「紅天女」を北島マヤが演じることができるのか、それとも、演技の天才少女として歩んできた姫川亜弓が「紅天女」を演じることになるのか?
 
大都芸能の若社長・速水真澄と北島マヤの恋の行方は?
 
中学生であった自分は近いうちに完結するだろうと気軽に思っていました。ところが、簡単には終わらしてくれませんでした。それどころか、何十年も待たされて、若き中学生の自分もおじさんになってしまいました。
 
その原因はラストに近づくにつれて、長期休載が増えていったことです。それにより、単行本の発売日間隔も長くなりました。


図5は「ガラスの仮面」単行本の発売日間隔をまとめたものです。

図5 単行本発売日間隔

縦軸が単行本の巻数、横軸が発売日間隔を年単位で表しています。
 
見方は巻数1と2の間にグラフがあります。このグラフの長さは1/4です。横軸の1目盛りは1年ですので、1年の1/4だから3ヶ月になります。1巻が発売されて、3ヶ月後に2巻が発売されたことになります。
 
グラフが長いところは次の巻が出るまで相当時間がかかっていることになります。


自分が古本屋で買った35巻になると1年に1冊ペースになっていますが、41巻が発売されたのは40巻が発売されてから6年以上経過しています。
 
43巻以降は発売日間隔が短くなりますが、物語の進み方がとても遅く、読後感のない内容になっています。
 
そして、49巻が発売されたのが2012年10月5日です。図5から最長の間隔が6年ちょっとなので、6年ぐらいで50巻が発売されると予想しましたが、まったくハズレてしまい、12年が経とうとしています。
 
ちなみに、舞台「二人の王女」あたりから、雑誌から単行本にする際に、大幅な改稿をするようになりました。そこから発売日間隔が伸びているように見えます。そこから、徐々に雑誌と単行本とは別物のような描き方に変わっていくことで、発売日間隔がより伸びたといえます。
 
このまま未完で終わると思いきや、2018年に原作者の美内すずえが公式ツイッター(現:X)で「必ず最終巻まで描き続けます。」とコメントをしています。
 
昭和26年生まれの美内すずえに描く気力が残っているのか気がかりですが、原作だけというプランもあってもいいかなと思っています。


最後に単行本50巻がいつ発売されるか予期して終わりにしたいと思います。2026年で連載50周年を迎えるということで、「2026年」と予期します。ただ、50巻だけで話が完結するとは考えられませんが・・・

-おわり-
























「おまけ」です。
「ガラスの仮面」連載40周年記念として発売された『「ガラスの仮面」の舞台裏 - 連載40周年記念・秘蔵トーク集』を紹介します。

美内すずえとアニメ、ドラマ、舞台などで関わった人たちの40年間の主な対談・座談会を年代順に収録された本です。
 
「ガラスの仮面」に対する美内すずえの想いがわかる本だと思います。連載50周年の時には是非、単行本を発売してほしい!!

 

-本当のおわり-


*「相場格言・・・って書いたものの」の過去の記事を集めたマガジンです。興味があれば読んでみてください!!





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