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~~株式投資の我流説明~~         おまけ2/3 株式購入の基礎知識(現物取引と信用取引、利益確定日、市場区分)

今回は現物取引と信用取引、利益確定日、市場区分です。

図1 株式投資の我流説明のおまけの内容


現物取引と信用取引

株式取引には現物取引信用取引があります。
 
現物取引は通常の株式取引で証券口座に預けている現金が取引額となります。
 
信用取引は証券会社に委託保証金を預けることで、委託保証金の約3.3倍が取引額となります。委託保証金は現金だけでなく株式を預けることもできます。そのような株式を代用有価証券といいます。

図2 現物取引と信用取引

信用取引で含み損が出た場合、図3のように委託保証金も含み損と同額分減少します。

図3 委託保証金率

取引額に対して委託保証金の割合を示した数値が委託保証金率といいます。単位は(%)です。
 
証券会社によって違いがありますが、委託保証金率が一定額まで下ると、委託保証金に現金や保有株式を追加しなければいけません。もし、追加できない場合は手持ちのポジションを強制決済することになります。これを追証といいます。
 
FX(外国為替証拠金取引)経験者であれば、取引の仕組みが似ているので、わかりやすいと思います。

信用取引の売買

信用取引には信用買い信用売りがあります。
 
【信用買い】
通常の株を購入するのと同じです。実際の取引額は証券会社等からお金を借りているので、金利を支払う必要があります。
 
【信用売り】
株式の売りをして、株価が下がったところで、株式を買い戻すことで利益がでます。空売りともいいます。証券会社から株式を借りるので、貸株料を支払う必要があります。

図4 信用取引の利益

図4のように、信用買いは株価が上がれば利益になり、株価が下がれば損益になります。信用売りは逆に株価が上がると損失となり、株価が下がると利益になります。

信用取引の仕組み

信用取引の仕組みには制度信用取引一般信用取引があります。
 
【制度信用取引】
図5のように投資家は証券会社経由でお金や株式を証券金融会社から借ります。証券金融会社は豊富な資金と株式を確保しているため、金利は低く、貸株料は安くなる傾向があります。
 
ただし、証券金融会社が貸すことのできる株式(貸株)には限りがあるため、空売りが増大すると貸株不足となり、調達コストが増えるため、品貸料(逆日歩)が発生します。

図5 制度信用取引の仕組み

【一般信用取引】
図6のように投資家は証券会社からお金や株式を借ります。証券会社が返済期限や対象銘柄の条件を設定できるため投資家に合った取引サービスを提供することができます。
 
しかし、証券金融会社と比べると資金や株式を確保する量が少ないため、金利や貸株料が高めになる傾向があります。

図6 一般信用取引の仕組み


制度信用取引と一般信用取引の条件を比較したものが表1です。

表1 制度信用取引と一般信用取引の条件

制度信用取引の対象銘柄は東証及び名証の上場銘柄のうち、取引所が選定した制度信用銘柄貸借銘柄のみになります。

図7 信用取引の対象銘柄

銘柄数は図7のように全上場銘柄>制度信用銘柄>貸借銘柄になります。
 
信用取引が過熱した場合、抑制を目的として規制銘柄にすることがあります。規制銘柄になると委託保証金率を上げたり、株式の使用制限などを設けたりします。

 
信用取引は金利や貸株料の支払い、返済期限、追証になる可能性があることから、基本的に短期取引に向いているといえます。

利益確定日

株主の権利が確定する日です。株主であれば株主総会に参加できますし、配当金や株主優待を受け取ることができます。
 
1年間株式を保有していなくても、権利確定日だけ株式を保有していれば株主になれます。権利確定日は決算月の月末(休日の場合は前営業日)になります。3月決算であれば3月末になります。
 
株主は株主名簿に記載されます。株主名簿は株式を購入した2営業日後に記載されるので、図8のように権利確定日の2営業日前の時点で保有していないと株主にはなれません。

図8 権利確定日を示したカレンダー

権利確定日の前営業日は株主の権利確定後になるので、権利落ち日といわれています。
 
高配当銘柄によくある傾向なのですが、権利落ち日に株式の売却が増え、株価が下がりやすくなります。ただ、短期的な株価の動きなので、会社の業績がしっかりしていれば、権利落ち日前の株価に戻ります。
 
配当金の受取時期は会社によって違いがあります。主に期末だけの1回、期末と中間の2回があります。ごく稀に四半期ごとに配当金を出す会社もあります。
 
期末だけであれば、期末の権利確定日(3月決算であれば3月末)、期末と中間であれば、それぞれの権利確定日(3月決算であれば期末は3月末、中間は9月末)までに株式を保有すれば株主になれます。
 
最近は3月以外の決算月も多いので、会社情報で決算月を調べるようにした方が良いです。

市場区分

各証券取引所では市場区分があります。

東証 ①プライム ②スタンダード ③グロース
名証 ①プレミア ②メイン ③ネクスト
福証 ①本則市場 ②Q-Board
札証 ①本則市場 ②アンビシャス

どこの証券取引所も左側が大手企業、右側が成長可能性を秘めたベンチャー企業が多いと考えてください。大手企業は安定成長株が多く、ベンチャー企業は高成長株が多いです。

東証と比べると、名証、札証、福証は投資家の注目度が低いので、出来高が圧倒的に少ないです。

=つづく=


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