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不動産に食指を伸ばすPEファンドの考え方

最近、バイアウトファンドであったKKRやベイン等が不動産に進出する、又はより力を入れてきており、Bloombergにも取り上げられていた。

少し前にもベインキャピタルが不動産を多額に持つ昭和飛行機にTOBをかけ、その昭和飛行機が持つ不動産をばら売りしたことがよく知られている。

なぜバイアウトファンドが不動産に目をつけているのだろうか。
確かに日本の不動産は歴史的な金利低下を背景として上昇基調が続いており、皆さんの近くのマンションも相当値上がりしたことはよく聞くことだろう。しかしそれだけをベースに、あまり知見のない不動産に投資をするだろうか。

今回はなぜコーポレートPEが不動産に目をつけているのかを考察していく。
私個人的な感覚では、以下の4点に集約されていると考えている。歴史的な値上がりのおかげで不動産の簿価と時価が大きく乖離しており、簿価に近い値段で買えばそれだけで含み益を享受できること、
①     会社が非事業資産として保有する不動産は最有効活用されておらず、プロの手が入ることでよりバリューアップする余地があること
②     不動産とコーポレートのバリュエーション、値付けの違いでコーポレートのバリュエーションで不動産を購入できれば、それだけで含み益ができること、
③     不動産ファンドや不動産会社は不動産の値付けしかできないが、コーポレートPEファンドは不動産+事業の値付けができるため、より高く競争力のある価格を提示することができること

これらの中でも①と②は会社が保有する不動産一般的な論点だが、コーポレートPEファンド特有の目線としては③④が特に強いと感じており、今回は③と④について考察していきたい。


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