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コンサル/IB→ベンチャー役員/PEファンド。実務で経験したことを体系化して書いていきます。 英語勉強法: https://debater512702359.wordpress.com/

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  • 投資家、家を買う

    私、投資家/討論家が家を買うまでの道のり

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    TOB案件について各種資料や案件情報をまとめて配信します

最近の記事

投資家、家を買う④財務モデルによる意思決定III:借入金の返済方法

投資家、家を買うシリーズもついに佳境に入りつつあり、今回想定する時点はローンの事前審査が終了し、売主との契約が終了、実際に引き渡しまでに必要なステップとしてのローンの本審査である。 今回はローンの元利払いの方法を実際の契約条件にアップデートをしていきたい。 元々の財務モデルにおいては、ローンの元本、金利の支払い方として、「元金均等返済」という返済方法を前提としていた。 「元金均等返済」とは読んで字のごとく、ローンの元本の返済額が毎回一定であり、元金を均等に返済していきます、

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    • 投資家、家を買う③財務モデルによる意思決定II:ローンはどこまで組むべきか

      前回のnoteでは賃貸か購入かを数字を基にどのように意思決定をするかを解説したが、今回は次に困る点、つまりどの程度ローンを組むべきか?について分析していきたい。 ファイナンス等の仕事をされていない方としては、なかなかローンをたくさん組むのはあまりよくないことだと考えがちであり、なるべく頭金を多くしてローンの金額を減らす方向にもっていく方が多いと感じている。一方で、X(旧Twitter)を見ていると、借りれるだけ借りましょう、という方が一定数存在するのも真実である。 では結

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      • 投資家、家を買う②申込みと敗北

        よいと思った家があったので、申込みを入れ楽しみに待っていた ローンもおり、完璧なプランも持っていたが、他決。 敗因は①手付の金額(2%まで値切った)、②売主との関係構築の不足 次に行きます。応援してくれる方はぜひ投げ銭ください

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        • EBITDAの弱点

          EBITDAはIBDの現場でもPEファンドの現場でもかなりよく参照される指標である。EBITDAとはその名前の通り、利払い・税金・減価償却を考慮しない利益である。 そもそもなぜ参照されることが多いのかというと、①利子を支払う前の利益であるため、資本構成の影響を受けない、②各国の税制によって大きく異なる税金を考慮しないため、国のシステムによる歪みの影響を受けない、そして③減価償却費は実際の現金の流出を伴わない費用のため、会計上の営業利益よりもキャッシュに近い利益指標である、と

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        投資家、家を買う④財務モデルによる意思決定III:借入金…

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          投資家、家を買う①財務モデルによる意思決定I : 基礎編

          皆様は家を買うか、賃貸かについて考えたことがある方はそれなりにたくさんいるように感じる。私もまた家を買うのか、賃貸をこのまま継続するかをずっと考え続けていたが、ようやく家を買おうかなと考え始めるようになった。 そこで少し異色ではあるが、投資家/討論家、家を買うシリーズを連載させていただきたい。ともすれば家を購入するというのは人生でも最も高額な買い物である人が多いにも関わらず、どのように検討をすべきかがあまりにも業者(この言い方は好まないとポストしたばかりではあるが笑)寄りに

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          投資家、家を買う①財務モデルによる意思決定I : 基礎編

          TOB~伊藤忠によるCTCへのTOB~

          案件概要公開買付けの概要:デジタルバリューチェーンパートナーズ合同会社(以下「公開買付者」という)は、伊藤忠商事株式会社(以下「伊藤忠商事」という)の100%子会社として、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下「当社」という)の普通株式(以下「当社株式」という)をすべて取得するために、1株当たり4,325円で公開買付けを実施すると決定した。公開買付者は、当社の株主を伊藤忠商事と公開買付者のみとすることを目的としており、買付予定数の下限は12,550,000株(所有割合:5

          TOB~伊藤忠によるCTCへのTOB~

          意見表明報告書をBing AIにて要約してみた~伊藤忠によるCTCへのTOB

          昨今はTOBがかなり多くなってきており、それに伴い開示されるドキュメントの数もかなり多くなってきている。 一方、それを読む個人投資家やその他の人のリソースは有限であり、かつドキュメント一つ一つもかなり大量の文章があるため、なかなかすべてのドキュメントに目を通すことは難しい。 少し遊びのような企画だが、皆様の理解を助けるため、Bing AIに意見表明報告書を読ませて内容を要約するとどの程度要約できているのかを見てみたい。 もし100%に近いほど要約できていれば、文章をBing

          意見表明報告書をBing AIにて要約してみた~伊藤忠によるCTCへのTOB

          TOB~商船三井による宇徳へのTOB~

          案件概要公開買付けの目的は、株式会社宇徳を株式会社商船三井の完全子会社にすることです。1公開買付け価格は一株当たり725円です。 公開買付けの背景は、株式会社商船三井が海運業を中心にグローバルな事業展開を行っており、株式会社宇徳が港湾事業とプラント・物流事業を行っていることから、両社の連携強化により、海上輸送と陸上輸送の一体化や新規事業の創出などに取り組むことができると判断したためです。 公開買付けの意思決定過程は、株式会社商船三井が2021年11月30日に取締役会を開催

          TOB~商船三井による宇徳へのTOB~

          ITベンチャー役員が教えるITサービスで事業をつくりたいときにまずやるべきこと

          背景このタイトルに関心を持っていただけた皆さんは、以下に当てはまるのではないでしょうか。 なんとなく作りたいサービスの構想がある。 本業の会社で専門的なドメイン知識を身につける中で、こういうサービスがあれば絶対うまくいきそうだ、という自信がある。 仕事で作ったつながりから、「こういうものがあればいいのにね」というニーズの声を聞く機会が増えた。 類似サービスを使ってみるが、なんとなく使い心地が悪い、自分だったらこうするのに、という妄想をしている。 ただ、自分自身にI

          ITベンチャー役員が教えるITサービスで事業をつくりたいときにまずやるべきこと

          コンサルスキル解説①論点

          考える技術・書く技術は名著であると伝えるコンサルの方はたくさんいるがこの本は若手からは、読解することがとても難しいとして評判が悪いことが多い。 本書はコンサルスキルの最も重要なものを余すことなく解説されており、とても参考になる書籍である。 私自身にとって本書はバイブルであり、プロジェクトで立ち行かないときや、どう考えるべきかが分からないとき、常に机の横に置いておきことあるごとに参照していた。 どのように論点を整理すべきか、どのように作成する資料での論理構造を構成するか、

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          元投資銀行マンが本当におすすめする書籍~経済小説編~

          金融や経済は非常に理解が難しい分野であり、その分野に属するまではどのような領域がそもそもあり、具体的に何をしているのかのイメージが非常につきにくい業界ではないだろうか。 様々な専門用語が飛び交い、多様なプレーヤーがおり、それぞれの国での制度の違いもあり、実態としてどのような人々がどのような仕事をしているのか、どのようにお金儲けをしているのか、外部の方からすると比較的わかりづらく、金融業界を志す人もなかなか具体的なイメージをもつことが難しいのではないだろうか。(私も就活の際は

          元投資銀行マンが本当におすすめする書籍~経済小説編~

          元投資銀行バンカーが本当におすすめするスキーム関連書籍

          こんにちは、投資銀行で数々のM&A案件を経験する中で、ロジやバリュエーションの次に必要となるのがスキームの知識だと感じている。 具体的な業務が発生するロジやバリュエーションとは異なり、スキームが分かっていなければならない場面はあまり多くはなく、若手のうちはせいぜい法的な観点を踏まえた全体スケジュール表の作成くらいではないだろうか。例えばTOBならいつまでに関財に相談に行くか、いつまでに必要となるドキュメントを用意しなければならないか、など そのため、スキームについての知識

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          討論家による東洋建設vsYFOの討議評価

          2023/6/23 初稿 昨年より私は東洋建設とYFOの議論を追いかけているが、非常に膨大なやり取りがあり、少しずつどういう論点が今あるのかが理解しづらくなっている気がしている。 開示資料は非常に分量が多く、また数も多いため読むだけでもめちゃくちゃ時間がかかるが、私は投資家であることに加えて討論家であり、双方の主張を聞いた上でどちらの主張がより妥当なのかを判断したいと考えているため、開示資料はとても時間をかけてすべて読み込んでいる。 今回、私は討論家として、双方の主張を

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          数字を正当化する

          先日このようなツイートをしてみた。 その後、「数字は数字だろ、viewもくそもないんじゃないか」という反応をいただくことができた。 この反応は投資銀行やファンド業界にいる私には非常に新鮮な意見だった。というのも基本的に投資銀行やファンドにおいては数字が絶対的な正義であり、数字に対してどのような意見を持つか、言い換えれば「数字をどのように正当化するか?」に業務時間の99%を費やしており、数字にviewを持たないことはありえないことだからである。 しかしよくよく考えてみると「

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          数字を正当化する

          元コンサルが本当におすすめする戦略的思考を高める書籍/Web

          今回は前回の論理的思考力を高める書籍の紹介に引き続き、戦略的思考力を高めるために役に立つ書籍を紹介していきたい。戦略的思考力とはその名の通り、企業の競争戦略を立案し実行していく上で最低限必要となる思考力である。 ある企業がどのような戦略に基づいて日々の事業を行っているのか、またある企業はどのような戦略をとるべきなのか、等コンサル、特に戦略コンサルにとっては日々自身の思考を問われる場面が多くある。 そういった場面において、まずは戦略とは何なのか、理想的な戦略とはといったもの

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          元コンサルによる「表」の活用法

          コンサルの付加価値の大きな一つは、議論を綺麗に整理することである。 会社内の議論は様々な論点が入混じり、発散に発散を重ねる場合があるため、適切な結論へと収束させる技術は非常に重要である。 コンサルはその様々な議論をまとめ、論点や比較軸を持ち出し、発散し前に進まなくなることを防ぎ、物事を前に進めていくことが大きな付加価値である。 今回のnoteでは初級編として就活のグループディスカッションを例にとり、コンサルの七つ道具の一つである「表」どのように議論を収束させるかを具体的に説

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