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7/3-7/7 相場・経済指標振り返り

 こんにちは、投資猪です。週初めはアメリカ不在の中、日経スタートは良かったですが、その後は週半ばの景気後退懸念や週後半の高金利持続懸念に世界中の株価は調整を迫られました。簡単に振り返っていきましょう!
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経済指標振り返り

 特に重要なイベントとして、
アメリカ…ISM製造業/サービス業景気指数、雇用統計
日本…日銀短観、毎月勤労統計
を挙げていました。結果まとめです!

総じて日本の指標は良かった

経済指標・イベント振り返り

 経済指標では赤〇×が示す通り、日本の経済指標は総じて良かったと思います。「実質賃金がまだマイナスだ」とか「需給ギャップもまだマイナスだ」というのもありますが、それを改善する方向に粘り強く動いていることは確かです。
 それに対して世界株式は週半ばの欧州のサービス業景気指数の落ち込みで、週後半ではアメリカの雇用指数に揺さぶられて下落という形となりました。

日銀短観・毎月勤労統計

 景況感ももちろんですが、設備投資意欲も非常に強く、何よりもお家芸である自動車産業の復活が見て取れたのが非常に印象的でした。先行きについても製造業が改善しているのは大きいですね。
 観光関連業種も現在の日本のイメージ通り非常に強い指数でしたので、個人的には世界経済が沈み込むまではまだ日本株ロングの姿勢は崩さずで良いと考えています。
 毎月勤労統計も「実質賃金が14カ月連続マイナス」というのがヘッドラインに出てしまいいかにもネガティブな印象を与えますが、現在の世界的なインフレの中ではやむを得ない範囲ではあるでしょう。年度後半には資源価格の低下から電気代なども下がってくる見通しですので、そこで実質賃金をプラスに持ち込めるか、そして来年度以降も今年の春闘の勢いを継続していけるかが一番大切だと思います。
 この結果を見て個人的には「日銀政策はまだ変更はないな」と感じたわけですが、後述の米国雇用統計の結果を受けて、少し風向きも変わるのではと考え直しています。

サービス業購買担当者景況感指数

 一方で週半ばに出た各国のサービス業PMIの数字は特にヨーロッパ、中国で予想を下回る結果が散見され、景気後退懸念を意識させるものになっています。イギリスは結果 53.7と予想通りでしたが、インフレ改善もまだまだと考えると景気見通しは明るいとは言えないでしょう。

 その意味ではアメリカはPMI、ISMともに予想を上回る結果で、この高金利時代においても先進国の中では最も経済の足腰が強いというのは間違いないところです。

雇用統計

 まず木曜日のADP雇用者数が非常にNoisyでした。労働省の雇用統計との結果乖離は昔から言われていることですが、同じ週に同じような統計で右往左往するのは非常に無駄な作業ですので、ここは何とかしてほしいものです…

 結果的には雇用の伸びはそこまでではなく(もちろんADPとどちらか本質的に正しいのかは神のみぞ知るわけですが)、求人も確実に減っては来ている様相は窺えました。

 ただし問題は景気の底堅さとインフレ粘着性からの高金利持続を市場が織り込んで長期金利、特に10年実質金利が下記ツイートの通り上昇してきてしまっており、これが昨年10月のレベルを明確に超えてくる場合にはハイテクを筆頭に株価の再調整もさすがに考えないといけないと思われます。

 さらにそれに引きずられる形で日本の10年債利回りも上昇トレンドに入ってきてしまいそうなチャートをしており、これが 0.5% に再び張り付く、もしくはそれに近いレベルまで行く場合には、今月の日銀金融政策決定会合(27-28日)でのイールドカーブコントロールの再修正が迫られることになるでしょう。(個人的にはそれでも小型グロース以外はさほど影響を受けないと見ていますが)

日米チャート、ボラティリティマップ、見通し

米国株

アメリカは決算でEPS上昇を叩きだせるか

 実質長期金利の上昇は2022年に味わった通り、企業の成長シナリオにも重しとなり、もちろん(配当以上の債券利回りが得られるならば)バリュー株にも投資する意義が薄くなってしまいますので、ここには最大限の注意を払う必要がありそうです。その意味で7/12 CPIは次回FOMCでの判断材料として影響も大きいですので非常に重要と言えます。
 一方でボラティリティマップ上は、左の青軸に戻る方向に動いたわけではなく、まだVIXが少し上がりながら株価が下がっただけの「調整」ですので、(実質長期金利さえこれ以上上がらなければ)これから出てくる第2四半期決算との戦いとなってくると思われます。少し厳しめに引いている上昇トレンドラインを割るまでは強気相場の継続と考えたいところではあります。

昇トレンドを維持できるか

日本株

需給問題が終わって再び右下方向に向かっていけるか

 日経は良好な日銀短観の結果も虚しく、世界経済やETF分配金売り需給不安問題がチラついたことで週後半に向けて軟調な展開でしたが、ボラティリティマップも緑ライン付近での調整となっており、まだ悲観するような状況ではないと思います。引き続きレンジとしては 31,500円から34,500円(VI 16-24)が当面の目安になると思っています。
 10日に再び大きめの分配金売りが待っているのと、週末はSQになりますので、そこに向けての機関動向にも注意していきましょう。個人的には10日後場に少しリスクオフで売った分を買い戻していきたいと考えています。

来週の重要イベント

米国株

 消費者物価指数(7/12 21:30)
 ベージュブック(7/13 3:00)
 生産者物価指数(7/13 21:30)
 ミシガン大学期待インフレ率(7/14 23:00)

日本株

 景気ウォッチャー調査(7/10 14:00)

 では来週も頑張っていきましょう!
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統計手法を用いて株式市場を分析しております! 参考になる記事を書いていこうと思うので、もし良ければサポートいただけると嬉しいです^^