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外国にルーツを持つ高校生への日本語支援ボランティア

 私は4月から都立高校で週一回ボランティアをしている。地元商店街でベトナムのバインミーを食べていたら、後から来たお客さんが日本語支援教室の支援員だったのだ。意気投合して、あっという間にボランティア参加が決まった。
 
 実は以前、近所のネパール人学校を訪問し、校長と話をしたことがある。私が暮らす地域には、たくさんのネパール人が暮らしている。彼らはさまざまな形で仕事を見つけ、日本に子どもを呼び寄せ・・・そんな背景もあり、ネパール人学校が設立されたと聞く。最近では、その学校から日本の大学進学を志す高校生が何人も出て来たそうで、どのように進路指導を行ったらよいか、校長先生は頭を抱えていた。

 そんな背景があっての都立高校でのボランティアだ。日本語支援に特化したNPOや、東京都として日本語支援を高校にどう組み込んでいくかを考えるNPOなど、いろいろな団体が関わり、教員や日本語支援員と一緒に、日本語支援を模索していることがわかってきた。ボランティアをしなければ、そんなこともわからなかった。

 以前暮らしていた移民の国アメリカの高校ESOLとどうしても比較してしまう。言葉ができなければ、生徒の学習も遅れを取ってしまうではないか。外野であるボランティアの多くは、そう思っている。そうは思っていても、いろんな壁があって、うまく支援しきれないのだ。その理由もボランティアをするようになってわかって来た。個別に生徒と仲良くなり、数学指導をしているボランティアの人もいる。私は、八百屋でバイトをするネパール人生徒に、野菜の名前や、産地の名前、野菜を使った日本料理のあれこれなど、毎週のように教えていった。八百屋の店長の話など聞かせてもらい、とても楽しかったし、勉強になった。優しくて面白い生徒だったのに、何があったのか、そのうち日本語支援教室に来なくなった。

 今は高校も夏休み。2学期になると、こうした生徒はどうなって高校へ戻ってくるのだろうか。楽しみでもあり、怖くもある。

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