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モノクロームの幻想的な夢を見ているかのような。

photo from La Cinémathèque française 

グリフォンの肘掛け椅子、銀の水差し、魔法の鏡、植物が生い茂る部屋。

ジャン・コクトーの『美女と野獣』(1946年)を観ました。

コクトー自身が黒板に役者名や映画タイトルを書く冒頭クレジットからワクワクしてしまう。Jean Cocteauと書いて、最後に☆マークを書き加えるところも可愛い。

なにより、室内装飾から装身具まで、なにもかもがコクトーの美意識で完璧に細部まで作り込まれていて、まるでモノクロームの幻想的な夢を見ているかのような世界観でした。たっぷりとしたドレープのシルクドレス、繊細なヴェールから透ける金色の長い髪。生身の腕が支えるシャンデリア、いじわるな姉の手元ではあっという間に朽ちてしまう宝石の胸元飾り。

photo from La Cinémathèque française

黒地に煌めく刺繍装飾の革手袋は、どこでも行きたいところへ連れて行ってくれる魔法の手袋。

photo from La Cinémathèque française

ベルのこの髪型がとっても可愛い。

観る前は、ジャック・ドゥミの『ロバと王女』のような、ちょっとキッチュな雰囲気なのかな?なんて思っていたのですが、予想に反する美しさでした。大好きなフランス映画がまた一つ増えました♡

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