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#11 NGプレイ項目の解禁で気付いた自分の弱さ

AV界隈には、NG項目の“三大”と呼ばれるものがあります。

敢えて挙げませんが、調べると恐らく直ぐに分かると思います。

女優さん個人ではなく、事務所自体がそれをNGとしている場合もあります。

場合によっては、申し出のあった女優さんのみ、それらの内容がある作品に出演をしたりする事もありました。

私は、現役でバリバリ活躍している女優さんの中では、通常よりもNG項目は少し多かったと自分で思っています。

そんな中、解禁作品を撮らないか、と話がくる事も多かったりします。

正直、後から徐々に解禁していく為にもったいぶってNGを多く設定していた訳でも無かったので、毎回オファーはお断りしていました。

普通の内容でも大変なのにさすがそんな事はやれないな、と思っていたからです。

ただ、仕事が回っている自分の周りの女優さん達は、ほぼ全員といって良い程、それらの項目を解禁してバンバンその内容で仕事が回っていたのです。

担当マネージャーさんからはその事を引き合いに出され、「みんなもやってるんだし大丈夫だよ」と毎回言われるのですが、何が大丈夫なのか今でも理解出来ていません。

【赤信号、みんなで渡れば怖くない】

マネージャーさんが言いたかったのは、そういう事なのでしょうか。

であれば、少し考え方が違う気がします。

やりたくない事はやらなくて良いから、と言われてこの仕事を始めた身の私が、嫌だと何度も言っている事を、みんながやっているから、という理由で説得をされている事には違和感を感じました。

ですが、マネージャーさんからすると私達演者の仕事を取ってくるのが業務内容にはなりますし、NG項目以外の話だといつも何でも承諾してしまう自分も悪かったのかな、と今となっては思います。

解禁済みの女優さんからは、“三大”のとある項目は痛いものだと聞いていたので、尚更、ハードルは高く感じました。

それに、その女優さんは深く悩んでいる様でした。

しかしある時、断り続けていた私もついにこの項目なら良いかな、と何故か、解禁作品への出演を決意してしまう事になります。

自分は絶対に無いだろう、と思っていた事に手を出してしまうのです。

その時、周りの環境というものは本当に大事なのだと改めて気付かされました。

マネージャーさんから『みんなもやっている』と言われた時、自分だけがやっていないことで責められている様な気持ちになり、それは変だ、と感じていながらも、私もやらなきゃいけないのかな、と心のどこかで思っていたのです。

撮影自体はとても大変でしたが、何年もやってきた仕事なので、結局、最後までやり切れてしまうのです。

また何か大切な物を失ったと感じましたが、この選択をしたのは他の誰でもなく、自分自身なのです。

気をしっかり持っているつもりでも、周りに流されてしまう事があります。

私の様に失った物は、もう何をどうしようとも二度と返ってはきません。

どんなに悔やんだとしても、その行為は全くの無意味なのです。

どうしてもその渦中に居ると、物事の本質が捻じれて見えてしまう事もあるので、何か違和感を感じた時には、自分の身を置く環境について、一旦考え直してみると良いかもしれませんね。

もっとしっかりしないとな、と今になって落ち着いたからこそ強く思う出来事でした。

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