架空人物の  (44)

 2022  6月

 愛犬に散歩を待たせて、寝坊をする。晴れた日曜日の朝。ようやく起きて、愛犬と自分の朝ごはんは後回しにして、散歩の時間。散歩帰りにはすぐに家に入らず、庭の雑草をむしる。薔薇とレースフワラーとかすみ草を切る。
 部屋に花を飾り、お犬様はようやく朝ごはん。なにしてくれてるんだわん、と、少しご不満。
 梅雨時の晴れ間は湿度が高く、少しの庭作業で汗だく。シャワーを浴びると、時計がもうすぐ正中なのに気がつく。
 慌てて、鶏肉と玉子と玉ねぎ、バター、生クリーム、ケチャップを用意して、お昼のオムライスの準備をする。
 満腹で寝る。富山で地震。全く気付かず、イビキをかいてお昼寝。寝汚い。
 お日寝起きは、お三時。カステラと茶葉で入れたファーストフラッシュのダージリンを飲む。

 食べてばかりの日だったなあ。
 何にもしてないなあ。

 きっとこれは幸せなんだと理解している。ただ経済的な後ろ盾が皆無なので、何をするわけでもなく、ひたすら時間を消費する1日にもったいない気持ちが拭えない。

 戦争に無理矢理巻き込まれた国を思うと、恥ずかしいばかりの日常を、申し訳ない気持ちで過ごす。

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