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【symposium】(Part.9)「クバへ/クバから」_第1回座談会(レクチャー1)上演記録「三野新の作歴とプロジェクト全体の基本構想をめぐって」
(Part.8はこちら)
鑑賞者/観客に「役割」を設定する、展示/舞台が「廃墟」にならないように:『人間と魚が浜』
三野 「共同幻想」としての戯曲というところからも派生していき、より舞台上という現実空間に焦点を当てたのが、次の『人間と魚が浜』(2016)です。この作品では、作品に関するあらゆる「役割」を設定し、場所自体もまた設計するだけにとどまらず、その場所に来た人たちにも「「真実」であること」を当て嵌め直す、という方法を取りました。
つまり、上演の行われる場所をフィクショナルな空間にするだけでなく、それを通じて、そこを訪れた人が瞬間的に当事者になってしまう事態を考える――あるいはそのような事態を生じさせるフィクションを考え、それを「現実」として演じるための「役割」をどう設定すべきかを考えていく、といった方法です。
こうした感覚は、本作以降も、『Malformed Objectを上演する』(2017)や、現在僕が関わっている建築のプロジェクト「ebnプロジェクト」(井上岳、清原惟との建築プロジェクト、2021年3月神奈川県海老名市にて竣工予定)にまで引き継がれているものです。前者で言えば、「どうワークショップを実施するか」という時の、参加者と主催者の「役割」の設定を問う、みたいなことですね。
出典:三野新『人間と魚が浜』(2016)
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