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『ベイカー街探偵団』Netflixオリジナルドラマ!ホームズ登場するも主役はベイガー街の浮浪児たち

今回はkayserが担当します。
以前、「【おすすめ8選】シャーロック・ホームズの映像作品」「Netflix映画『エノーラ・ホームズの事件簿』新たな魅力のホームズシリーズ!」という記事を書きました。シャーロック好きの筆者は、日々、シャーロック・ホームズ関連の作品を追い求めています。

そこで新たに見つけたのが、Netflixにて配信中の『ベイカー街探偵団』。これまでのホームズ作品とはかなり毛色が違い、ホームズやワトソンは登場するも、あくまで主役はベイカー街の少年少女たちです。そんな『ベイカー街探偵団』を紹介します!

ベイカー街遊撃隊ことベイカーストリートイレギュラーズ

アーサー・コナン・ドイル原作の本家シャーロック・ホームズ作品の中にも登場するベイカー街遊撃隊(ベイカーストリートイレギュラーズ)。本作の原題はまさに「イレギュラーズ」です。

このイレギュラーズは何者かというと、ホームズが情報収集を目的に集めたベイカー街に住む貧しい少年たちのこと。いわゆる少年探偵団というわけですね。そんな彼らに焦点を当てたのが、『ベイカー街探偵団』なんです。

この『ベイカー街探偵団』は、通常の推理ものの要素は極めて薄く、メインとなるのは超常現象。実は、ホームズの生みの親であるコナン・ドイル自身心霊主義を唱えていた人物です。この心霊主義に基づいて書かれた小説にチャレンジャー教授シリーズがあります。

本作は、そんな背景も踏まえた上で作られているのかもしれませんね。ホームズの世界観と超常現象を融合させたのが『ベイカー街探偵団』です。

あらすじ

救貧院出身のビーことビアトリス、妹のジェシー、仲間のビリー、スパイクとともにベイカー街の地下室で暮らしていました。そんな中、ジェシーは毎晩悪夢にうなされるようになります

時折、呆然と街を徘徊し、馬車の前に飛び出し危うく轢かれそうになったことも。ちょうど現れたビーに助けられます。その様子を馬車から見ていたのは、宮殿に住むある高貴な地位の少年でした。

ある日、ビーに医師のワトソンから仕事の協力依頼が舞い込んできます。彼は相棒とともに、ベイカー街221Bで探偵事務所を営んでいるとのこと。自分たちではロンドンの下流社会に入り込むことはできないので、代わりに情報収集をしてほしいという依頼でした。

ワトソンからの最初の事件は、夜中に赤ん坊が突然消えてしまったというもの。現場には鳥の羽だけが落ちていました。しかもただの失踪事件ではなさそうです。

ビーは仲間のビリーとスパイクとともに事件の捜査に乗り出します。事情を知る赤ん坊の姉に話を聞こうとすると、突然、鳥の大群に襲われてしまうのでした。

こうして、ワトソンからの不思議な事件を次々と引き受けていくビーと仲間たち。次第に、世界を滅ぼす大きな事件へと巻き込まれていきます。そんなビーたちイレギュラーズの活躍を描いた物語です。

ホームズの存在は?

本作『ベイカー街探偵団』では、超常現象による事件が多く登場していきます。本来、ホームズが解決していく事件は、彼の論理的思考に基づいた推理を駆使し解決に導いていくもの。本作では、そのホームズの活躍はあまり期待できません。

『ベイカー街探偵団』ホームズの位置づけはそこにはないのです。通常のホームズを期待していると少し裏切られたような気がする人もいるかもしれませんが、この作品のホームズは愛する人を失い、薬に溺れるという弱い一面のホームズ

本家シャーロック・ホームズ・シリーズでも描かれているただの天才でない人間的なホームズをより強調して描いているように筆者には感じられました。そして、ワトソンのホームズへの思いもさらに強く感じられる作品となっています。

愛の物語

本作の根底には超常現象を描く面白さと同じくらい、誰かが誰かを強く愛するという気持ちが描かれています。それは、ホームズが愛する女性に向けるもの、母親が子供たちに向けるもの、病弱な少年が思いやりのある少女に向けるもの、仲間のように育った少年少女が互いを思いやるもの、強く結ばれた姉妹それぞれが向けるもの。さまざまな愛の物語が積み重なって構築された優しい物語が『ベイカー街探偵団』です。

おすすめシーン

ベイカー街探偵団のリーダー的存在のビー。女性ながら、妹を守り、仲間を守ってきました。大人にもひるむことなく、賢く強いビー

そんな彼女でも、幼くして母親をなくし、まだ赤ん坊だったジェシーと2人きりになったことは不安です。これは、自分の悪夢を見せられるというシーン。幼い頃の記憶、母に置いていかれるという悲しい記憶がビーにとっての悪夢でした。

でも、その夢の先には続きがありました。赤ん坊のジェシーに寄り添う優しい姉としてのビー。愛する者を前に幸せそうです。妹を思う姉としてのビーの優しさが滲み出る素敵なシーンはお気に入りのひとつです。

もう一つはシリーズ全体のラストシーン。ここには、反発していたビーとワトソンが登場します。どんなシーンなのか、ぜひ確かめてみてください。

このまま続編に続くかと思いきやキャンセルされたとのこと。ホームズの推理がほぼなかったことと、やはりイレギュラーズでは引きが弱かったのか。とはいえ、このイレギュラーズの若手俳優陣はいい演技をしていました。

さまざまな意見が分かれる作品ではあるかもしれませんが、その辺はきちんと評価してあげてほしいなと思います。個人的には、イレギュラーズの活躍をもう少し観たいので、続編があれば嬉しい限りです!

kayser


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