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2月はミュージカル映画が続々公開!『ウエスト・サイド・ストーリー』『シラノ』「テアトル・クラシックス」

ミュージカル映画好きにはうれしいことに、この2月は懐かしくも新しいミュージカル映画や、1940〜80年代の名作ミュージカル映画が公開されます。

そこで、映画ライターの松 弥々子が、2月に公開されるオススメのミュージカル映画作品をご紹介します。

ぜひ、映画館へのお出かけ前の参考にしてみてください。

ウエスト・サイド・ストーリー

大ヒットブロードウェイ・ミュージカルをロバート・ワイズ&ジェローム・ロビンス監督が映画化した1961年のミュージカル映画『ウエスト・サイド物語』。60年以上の時を経ても色褪せないこの名作が、スティーヴン・スピルバーグ監督の手で『ウエスト・サイド・ストーリー』として再び映画化されました。

「トゥナイト」「アメリカ」「マリア」などの名曲はそのままに残しながらも、物語のテーマは現代にも通じるもの。同じ街で生きていながら、コミュニティ同士で分断を深めていく様子などは現代の世相を見事に反映させています。

歌とダンス(やはりあの群舞は圧倒的です!)、そして物語に酔いしれたい、王道のミュージカルです。

『ウエスト・サイド・ストーリー』(157分/アメリカ/2021年)
原題:West Side Story
公開:2022年2月11日
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
劇場;全国にて
Official Website:https://www.20thcenturystudios.jp/movies/westsidestory (C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.


シラノ

19世紀末松の初演以来、長く上演されている戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」。ストレート・プレイ、ミュージカルなど、何度も上演や映像化されてきたこの作品をピーター・ディンクレイジ主演でミュージカル映画としたのが、映画『シラノ』です。

明晰な頭脳と卓越した詩の才能を持ちながら、人よりも小さく生まれたその体躯のために恋を諦めた詩人・シラノ。彼が想いを寄せるロクサーヌのために、ロクサーヌが恋する美男(でもスマートではない)クリスチャンになりかわり、情熱と詩情がほとばしる美しい恋文をロクサーヌに送り続けるという物語です。

『プライドと偏見』(05)、『つぐない』(07)のジョー・ライトが監督を務めたこの作品、ロクサーヌを監督の恋人でもあるヘイリー・ベネットが演じています。

このロクサーヌの歌い踊るミュージカルシーンが、なんとも鮮烈。男性に頼らなければ女性が生きていけなかった時代の女性の哀しさと、そんな状況に抗おうとするロクサーヌの強さ、恋に目を曇らせる女性の愚かさを、見事に表現したダンスシーンの数々が繰り広げられているのです。

そこはかとない緊迫感と、張り詰めるような切迫感。聖母のような神々しさ。ジョー・ライトのヘイリー・ベネットへの愛が、スクリーンを通して感じられるようなミュージカルでした。

あ、もちろんピーター・ディンクレイジの演技も素晴らしいんですけどね。ミュージカルのシークエンスにおいては、ヘイリー・ベネットの魅力が圧倒的にきらめいているのでした。。。

『シラノ』(119分/アメリカ/2021年)
原題:Cyrano
公開:2022年2月25日
配給:東宝東和
劇場:全国にて
Official Website:https://cyrano-movie.jp
© 2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

テアトル・クラシックス ACT.1「愛しのミュージカル映画たち」

2月25日に始まる見逃せない特集上映が、東京テアトルが贈る『テアトル・クラシックス ACT.1「愛しのミュージカル映画たち」』です。

往年の名画をスクリーンで堪能できる年2回のスペシャルプログラム「テアトル・クラシックス」。第1弾は「愛しのミュージカル映画たち」と称して、ハリウッド・ミュージカル映画全盛期の作品と、80年代の傑作ミュージカル6作品が一挙上映されます。

この機会に、ぜひスクリーンで堪能してみてください。

紳士は金髪がお好き(Gentleman Prefer Blondes)1953年

1953年の『紳士は金髪がお好き』はブロンド美女 マリリン・モンローとブルネット美女 ジェーン・ラッセルのゴージャス・コンビの美貌と友情が素晴らしい一作。「リトル・ロックから来た娘」を歌い踊る二人に、冒頭から引き込まれてしまいます。

「ダイヤモンドは女の子の一番の友だち」で見せるマリリン・モンローのキュートさや、進歩的なブルネット美女ジェーン・ラッセルが見せる姐御ぶりを堪能できます。

巴里のアメリカ人(An American in Paris)1951年

1951年の『巴里のアメリカ人』は、ジーン・ケリーとレスリー・キャロンの溌剌とした魅力が素晴らしい一作。交響詩「パリのアメリカ人」の流れるラスト18分、スタジオをいっぱいに使ってのダンスシーンは、まさに圧巻の一言です。現代の複雑な映画を見慣れていると、その単純なストーリーや展開には驚くかもしれませんが、だからこそ、映画を牽引する俳優陣の魅力や才能を実感することができます。

若草の頃(Meet Me in St. Louis)1944年

20世紀初頭のセントルイスを舞台にした、心温まるファミリー・ミュージカル。ジュディ・ガーランドが「メリー・リトル・クリスマス」「トロリー・ソング」で美声を響かせています。

イースター・パレード(Easter Parade)1948年

ブロードウェイを舞台に、フレッド・アステアがスター・ダンサーを、ジュディ・ガーランドが彼の新しいパートナーを演じる一作。アステアの「ステッピングアウト・ウィズ・マイ・ベイビー」、ジュディとアステアの「カップル・オヴ・スウェルズ」など、素晴らしい歌とダンスを堪能できます。

上流社会(High Society)1956年

1940年の映画『フィラデルフィア物語』をミュージカル化した一作。ビング・クロスビー、グレース・ケリー、フランク・シナトラといった豪華俳優陣に加え、サッチモことルイ・アームストロングが本人役で出演しています。ビングとグレースのデュエット「トゥルー・ラブ」は聞きごたえたっぷり。

ビクター/ビクトリア(VICTOR VICTORIA)1982年

1930年代のパリを舞台に、ジュリー・アンドリュース演じるソプラノ歌手ビクトリアが、“女装する美しい男性歌手”ビクターとして売り出し、人気を博したことから起こる騒動を描いたミュージカル。

劇中のショー「ル・ジャズ・ホット」や、「君と僕」「クレイジー・ワールド」など、ジュリー・アンドリュースの魅力が炸裂しています。

テアトル・クラシックス ACT.1「愛しのミュージカル映画たち」
公開:2022年2月25日
配給:東京テアトル
劇場:シネ・リーブル池袋 ほか全国順次公開
Official Website:https://www.theatres-classics.com/


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