5月27日公開オススメ映画『トップガン マーヴェリック』『ウォーハント 魔界戦線』『瀬戸内寂聴　99年生きて思うこと』

映画ライターの松 弥々子が、今週末、5月27日に公開されるオススメ映画3作品をご紹介します。
ぜひ、映画館へのお出かけ前の参考にしてみてください。

トップガン マーヴェリック

1986年に公開され、トム・クルーズをスターダムにのし上げた映画『トップガン』。映画『トップガン マーヴェリック』は、言わずと知れたこの作品の続編。
かつてアメリカ海軍のトップガン（エリートパイロット養成学校）の生徒として学んでいたピート・“マーヴェリック”・ミッチェルが、36年の時を経て教官として帰ってきました。

生徒となるのは、かつてのマーヴェリックの相棒・グースの息子であるルースター。グースが訓練中に命を落としたことで、ルースターはマーヴェリックを憎んでいます。このルースターを演じるマイルズ・テラーも素晴らしい演技を見せています。

マーヴェリックを演じるトム・クルーズも、もちろん好演。36年の年月を感じさせないアクションと、歳を重ねたにふさわしい円熟味を見せています。さらに、マーヴェリックのライバルであるアイスマンを演じたヴァル・キルマーも、アイスマン役で出演。なんと海軍大将へと出世した模様。二人の共演シーンは、前作を知っている人には胸熱必至となっています。

前作を見ていない人でも十分に楽しめますが、そこここに挟まれた前作へのオマージュや、前作のトニー・スコット監督への敬意を感じられる演出を楽しむためには、前作を見ておいたほうがよいでしょう。
ぜひ、前作を予習した後に、映画館の大きなスクリーンで戦闘機の迫力を体感してください。

『トップガン マーヴェリック』（131分／アメリカ／2022年）
原題：Top Gun Maverick
公開：2022年5月27日
配給：東和ピクチャーズ
劇場：全国にて
Official Website：https://topgunmovie.jp/
(C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

ウォーハント 魔界戦線

ミッキー・ローク出演の本作『ウォーハント 魔界戦線』は、1945年のドイツの森を舞台にしたアクション・ホラーです。
カラスの大群に襲われてドイツの森に墜落した連合軍の輸送機を捜索するアメリカ軍の兵士たちの様子を描いています。

彼らが足を踏み入れたのは、一見、ただの森。しかし兵士たちは、森で暮らす美女や木にぶら下げられた死体、様子のおかしなドイツ兵など、不思議なものを目にすることになります。

その森がどういう森なのかを知っているのは、ウォルシュという特務兵ただ一人。ウォルシュ以外のメンバーは、やがて狂気に囚われていくのですが……。

その森はどういう森なのか？　ヒトラーが求めた永遠の生命“生命の木”をめぐり、アメリカ兵と魔女たちの戦いを描くこの作品。魔女や魔術といったオカルト作品が好きな人にはおすすめの映画です。

『ウォーハント 魔界戦線』（93分／アメリカ／2022年）
原題：Warhunt
公開：2022年5月27日
配給：アルバトロス・フィルム
劇場：グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国にて
Official Website：https://war-hunt.com/
© 2021 OU WARHUNT FILMS. ALL RIGHTS RESERVED.

瀬戸内寂聴　99年生きて思うこと

2021年に亡くなった、尼僧であり小説家である瀬戸内寂聴。1973年に51歳で出家し、京都・嵯峨野にある寂庵という庵で暮らしていました。
そんな彼女に17年間密着し、99歳で亡くなる直前まで彼女の生き様を追ったドキュメンタリーが、この映画『瀬戸内寂聴　99年生きて思うこと』です。

監督の中村裕は、17年間彼女を取材するうちに、取材者と被取材者という枠を越え、まるで恋人のような、親友のような、親子のような関係を築いていきました。二人で大晦日を過ごし、新しい年を迎えたことも、何度もあるそう。
寂聴さんは監督を「裕さん」と呼び、恨言のようなラブレターのような手紙やメールを送ったりも。彼が持ったカメラには、寂聴さんの強さと弱さの両面が記録されています。

カジュアルな普段着であけすけに想いを語る姿、お酒を嗜み、すき焼きやお寿司などをぱくぱくと食べる健啖家ぶり、体が思うように動かなくなり弱音をはく姿……。
そんな寂聴さんの姿は、まさに“人間”そのもの。

誰もが知る法衣姿の“瀬戸内寂聴”ではなく、自身の煩悩を突き詰め自身の生き様を貫いた、一人の女性の姿がそこにありました。

『瀬戸内寂聴　99年生きて思うこと』（93分／アメリカ／2022年）
公開：2022年5月27日
配給：KADOKAWA
劇場：全国にて
Official Website：https://movies.kadokawa.co.jp/jakuchomovie/
©2022「瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと」製作委員会