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8月20・21日公開オススメ映画 『ドライブ・マイ・カー』『Summer of 85』『シュシュシュの娘』

映画ライターの松 弥々子が、今週末、8月20・21日に公開されるオススメ映画をご紹介します。
ぜひ映画館へのお出かけ前の参考にしてみてください。

ドライブ・マイ・カー

『寝ても覚めても』の濱口竜介監督による映画『ドライブ・マイ・カー』。第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞、国際映画批評家連盟賞、エキュメニカル審査員賞、AFCAE賞を受賞したことでも話題になりました。

主人公の家福悠介(西島秀俊)は、舞台で演出家や俳優として活動する男性。女優だった妻・音(霧島れいか)が急逝し、どこか喪失感を抱えたまま生きています。免停となり運転手を雇うこととなった彼のもとに現れたのは、寡黙な若い女性・みさき(三浦透子)。家福は自分の車の助手席に座り、妻の遺した秘密に思いを寄せる……。

179分と長い映画ですが、夫婦、そして男女、人間同士のつながりを描いています。性描写も多く、大人の映画と言えるでしょう。高い演技力を持つ俳優が顔を揃え、深いドラマを感じさせる見応えのある一作です。

『ドライブ・マイ・カー』(179分/日本/2021年)
公開:2021年8月20日
配給:ビターズ・エンド
劇場:TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて
Official Website:https://dmc.bitters.co.jp/

Summer of 85


フランソワ・オゾン監督が17歳の時に読んだエイダン・チェンバーズの小説「Dance on my Grave」(おれの墓で踊れ)を映画化した作品。

1985年のフランス・ノルマンディーの海辺の町を舞台に、ある16歳の少年の初恋が描かれます。初めての恋、最高に美しい夜、嫉妬、永遠の別れ……。初めての感情の数々に翻弄される主人公の少年・アレックスをフェリックス・ルフェーヴル、彼と恋に落ちるダヴィドをバンジャマン・ヴォワザンが演じています。

青い空、碧い海、その地でおこるひと夏の出来事、そしてアレックスが初めて体感する圧倒的な感情に共感する人も多いはず。85年が舞台ということで、80’sファッションや、THE CURE、バナナラマ、ロッド・スチュワートといった懐かしい音楽など、あの頃の風景も見どころです。


『Summer of 85』(100分/フランス/2020年)
原題:Ete 85
英題:Summer of 85
公開:2021年8月20日
配給:フラッグ、クロックワークス
劇場:新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマほか全国にて順次公開
Official Website:http://summer85.jp

シュシュシュの娘

『22年目の告白~私が殺人犯です~』、『AI崩壊』などの入江悠監督が、コロナ禍に消沈する映画界、全国のミニシアターなどのために立ち上がり、クラウドファンディングなどで資金を集めて製作した自主映画『シュシュシュの娘』。

商業映画ではなし得ない映画を目指し、仕事を失ったスタッフや若い学生たちとともに製作したこの作品は、全国のミニシアターで公開されます。

「自粛」ではなく十分に対策を練り、スタッフ・キャスト・映画やミニシアターを愛するサポーターたちが知恵を絞り、情熱を注ぎ込んで作ったこの作品は、まさにコロナ禍の今だからこそできた、今しかできなかった作品と言えます。

全国各地のミニシアターで順次公開されるので、ぜひミニシアターで観て欲しいと思います。大劇場やシネコンもいいけれど、映画愛あふれるミニシアターの小さめなスクリーンで観る映画は、深く記憶に残るはず。


『シュシュシュの娘』(88分/日本/2021年)
公開:2021年8月21日
配給:コギトワークス
劇場:ユーロスペースほか全国にて順次公開
Official Website:https://www.shushushu-movie.com/

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