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『デューン』初の映画化!1984年版『デューン/砂の惑星』を紹介します

今回はkayserが紹介します。
先日、我が犬猫映文館の松弥々子さんも紹介してくれた『DUNE/デューン 砂の惑星』。評判も高く、絶賛大ヒット中とのことですが、今から37年前にも映画化されていたのをご存じですか。今回は、その1984年版の映画『デューン/砂の惑星』について紹介してみたいと思います。

そもそも『デューン』って

原作は、アメリカのSF作家として知られるフランク・ハーバートの長編小説『デューン』。6年間もの月日をかけ、1965年に完成した一大長編巨編で全8作となります。最後の2作は完結編として、ハーバードの息子で作家のブライアン・ハーバートとケヴィン・J・アンダースンが引き継ぎ完成させました。

その思想やテーマは、哲学や宗教、政治なども含む壮大なもの。さらに冒険あり、成長あり、陰謀ありのエンターテインメント要素も十分で熱狂的なファンも多く存在している物語です。

人気作のため、幾度となく映画化のチャレンジがされました。しかし、膨大な原作を映画化することは困難を極め、なかなか結実することはなかったのです。そうして、原作発表から20年が経過した頃、鬼才デヴィッド・リンチ監督・脚本でようやく映画化までこぎつけました。

『デューン/砂の惑星』あらすじ

舞台は遥か未来。10191年。全宇宙は、皇帝シャダム4世によって支配されていました。この時代、最も貴重な物質は香料であるメランジ。長寿の秘薬です。

この香料が唯一採取できるのが、惑星アラキス。荒れ果てた砂の惑星で、そこにはフレメンという原住民が住んでいました。彼らは自分たちを自由にしてくれる救世主が現れるという予言を信じていたのです。

皇帝シャッダム4世は、そんな惑星アラキスを公爵レト・アトレイデスに与えることにしました。しかし、これは皇帝の罠。彼はハルコネン家と結託し、皆からの信頼が厚いレトを貶めようと画策するのでした。

レトには1人息子ポールがいました。母のジェシュカは、ベネ・ゲセリットの道女として不思議な力を持っています。その力はポールにも引き継がれ、予知の能力を持っていました。

罠にハマった父の仇を討つため、強大な力に目覚めるポール。アラキスの原住民であるフレメンを引き連れ、宇宙を支配する巨悪に立ち向かうのでしたが......。

『デューン/砂の惑星』注目のキャスト

この1984年版の映画『デューン/砂の惑星』では、後にデヴィッド・リンチ監督作『ツイン・ピークス』にてブレイクを果たすカイル・マクラクランが主役に抜擢されています。この作品で映画デビューを果たしました。

また、レトの宿敵・ハルコネン男爵の甥のフェイドを演じたのが、ミュージシャンのスティング。美しい肉体美も披露し、公開当時も話題となりました。

そのほか、リエト博士に『エクソシスト』のマックス・フォン・シドーやヒロインのチャニに『ブレードランナー』のショーン・ヤングなど豪華キャストも出演しています。

公開当時の評判

『デューン/砂の惑星』の総製作費には4,000万ドル(当時の日本円にして90億)という巨額が投資され、日本でも大きな話題となりました。ようやく映画化されたこともあり、メディアでも大きく扱われ、非常に期待値が高かったように筆者も覚えています。

しかし、興行的には製作費回収も叶わず、作品評価も不評に終わってしまいました。その理由のひとつとして、最初は3時間以上あったものを2時間に編集したことが上げられます。

そのことで、不自然なカットがされた箇所が多くみられ、観客も「?」となってしまうシーンも。特に惑星アラキスでのシーンは、明らかにカットされたことが想像されます。

『イレイザーヘッド』『エレファントマン』の長編2編の監督経験から、いきなり『デューン』を任されたデヴィッド・リンチ。彼のファンからは一定の評価はみられ、カルト的な人気を集めました。

その後の『デューン』

『デューン』はその後もやはり人気で、2000年の初めには、アメリカのSF専門ケーブルテレビにて『デューン 砂の惑星』がテレビシリーズ化されました。

また、1984年の映画版の未公開シーンを追加した再編集版が製作され、テレビ放送もされたようです。日本では未公開となり、『デューン/スーパープレミアム・砂の惑星・特別篇』としてビデオ発売だけされました。

さらに映画化の動きもありましたが、またまた製作中止に。その後、2016年、現在公開されている『DUNE/デューン 砂の惑星』が動き出します。

監督は、『メッセージ』『ブレードランナー2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴです。この作品は、当初から2部作として予定されています。現在公開中の作品はその第1弾。批評家からも観客からも評価は高く、第2弾の制作がますます期待されています。

これまでの時間の問題を解決する2部作であること、キャスティングの素晴らしさなど多くの点で成功している作品です。

次回は、そんな新作『DUNE/デューン 砂の惑星』を紹介したいと思います。

kayser

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