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関西弁の苦悩

俺って漫画に出てくるような関西人なんすよ。私、犬井ワンのnoteを日ごろから読んでくださってる方ならお気づきかと思います。マジでコテコテの関西弁なんですわ。

関西でも、ここまでコテコテの関西弁を話す人は正直やと思いますよ。加えて性格もガサツですし、声もでかい関西を背負えそうなくらい、騒がしくてガチャガチャした奴なんですよ。

旅行なんかで関西圏以外の所に行くとそれがまた顕著でしてね。自分でも浮いてるのがわかるくらい、纏ってる空気が関西なんですよ。

例えば喫茶店とかで、やたら喋りかけてくるおばさんとか居てるやないですか。「どこから来たの?」的なさ。

関東の人とかシュッとしてるからさ、「東京ですー」みたいなフォーマルで砕けたええ塩梅の返事してさ、(話しかけてくるなよ...めんどくさいなぁ...)って感じのオーラを出してフェードアウトしていくやないですか。アレ羨ましいなぁと思うんすよね。

ってか俺も関西人である以前にゆとりですから、めんどくさい感じはすげぇ分かるんすよ。

別に見ず知らずの人とベタベタしたくないし、休みの日までキィ使って喋りたくもない訳ですよ。たまたま入った喫茶店で、やたら距離近いおばさんがおるのは、ちょっと面倒に思うんよな。


ココで困ったのがさ。

関西弁って、たまにこっちがケガすることがあるんすよ。



「お兄ちゃんどこから来たの?」

「僕っすか!関西っす!ベタベタっしょ!

「ベタベタ...?」

ゴリゴリっしょ!」

「ゴリゴリ...?」

チッャキチャキの関西人なんすわ!方言ぱないんすよねぇー!

「ごゆっくりどうぞ。」



なんて事がまぁまぁある。


「飲み屋探してないですか?」

なんて声かけてくるキャッチに、「いらへん、いらへん!かまへんかまへん!!」って叫んだら大体向こうが引くもんな。厚かましい奴のやる気なくす厚かましさを、関西弁って持ってると思うんすよね。


その厚かましさが殊更響くのがさ、アジア系の外国人観光客なんすよ。

なんかわからんけど俺さ、アジア系の外国人からやたら声かけられるんすよ。多分半分は、「モンゴル系ブスだ!」のえくすきゅーずみーやと思うんやけど、残りの半分くらいで関西弁で引き寄せてる部分があると思うんすよね。

コロナ前でしたけど一回あったんすよね。旅行行って写真撮ろうと看板の前で待ってたらさ、多分韓国系の人かけて来たんすよ。

「トッテクレタラ、トッテアゲマス。」

謎の上から依頼にもヘソを曲げずに、社会人で培ったナヨリーマンっぷり発揮して、元気に返事して携帯を受け取ったわけですよ。

一歩離れて全体が映る位置に移動しまして、被写体の彼ら看板の前に広がりますわね。

携帯を横に構えまして、インカメで俺の顔がアップで写ってるボケをかますか迷いながら、薄微笑みで「行きますよー」なんて言うた時、一抹の不安が頭をよぎったんよ。


ハイチーズって、通じるんか?


外国人から声をよくかけられると言うても、道を聞かれる程度写真を撮ったことは無かったんすよ。んで観光客の人って、どこでもかしこでも写真撮ってるけど、なんて言うて撮ってるかなんて気にしたこと無いやん。


でもたぶん。

「ハイチーズ」とは言うてないでしょ。


確か、ハイチーズって、「セイ チーズ」的なんがやったはずやねん。

海外では「ズ」ってはっきり言わんかなんかで、「チー」の時が笑って見えるから的な理由やったと思うんよ。



ほら「いち足すいちは?」「にー!」の奴と一緒よ!

「3.14159265358979323846?」「え...にぃ...?」の奴と一緒!



でもどうよ、ハイチーズは。

もはや日本語やないですか。


いくら観光の人達が雰囲気を感じ取れると言えども、知らん言葉やった場合流石に可哀想やないっすか。

そんなことを考えている間に時間は過ぎる。

流石に携帯をにらみながら、長い時間そのままにするのも変やないですか。

言葉も違うから、「自分らチーズ派?円周率派?」なんて聞くこともできん。


完全に俺に任されてる状況

なんて言うのがベターなんや...

写真撮影万国共通はなんや!?


外人は...

なんて言うて写真をとってるんや!!



はっ!?

カウント...ダウ...



さてここで、時間一杯でございます。

俺は、声を張り上げました。



「んな行きますよぉぉ!」

「あぁい!!チーズぅぅ!!!!」






すっごい!

外人が引いてる引いてる!!

思いつくのが遅かったね!

全然間に合わなかったね!!

外人の顔がひきつるひきつる!




後から調べると、どうやら海外では、ナスやらスパゲティを言うらしいですね。

この世の中のどんな物よりも、写真の掛け声を早急に統一してほしいと願った、昔の思い出でございました。

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