見出し画像

たぶん小説を最速で完成させられる方法

どうしたら面白い話が書けるか?小説を書く人なら、一度は悩んだことがありますよね。ですが、その前に、そもそも小説を完成させたことがないという人の方が、多いのではないでしょうか?

自分だけの小説、一つでも良いから完成させたいですよね。自己満足でいいから製本もして、手元に置いておくとか最高じゃないですか?

どうすれば自分の小説を完成させて、最高な気分になれるか?この記事は、その方法を伝えるためのものです。

小説はシーンの集まりに過ぎない


結論なんですけど、たくさんシーンを書いてつなげれば、小説は完成します。たくさんのシーンさえ書ければ、それは小説と呼べるものになります。

ストーリーのつながりも考えません。バラバラのシーンをたくさん書いて、たんに並べるだけです。たぶんこれが最速で小説を完成させる方法です。

「それはたんなるシーンの集まりであって、ちゃんとした小説ではない」と思うかもしれませんが、そんなことありません。

そもそも、小説というジャンルが成立した歴史から言って「ちゃんとした小説」というのはありません。小説は「詩でも戯曲でもない文学」として生まれてきました。ちゃんとした王道の文学である詩や戯曲ではないもの、つまり、生まれた時から「ちゃんとしてない」のが小説なのです。

「いや、そういう話じゃなくて、みんなが普通に読むような、理解できるストーリーがある小説ができないんじゃないかってこと」

そう思う人もいるかもしれないですね。そういう心配性な人には、ある事実を伝えます。

ストーリーはシーンを並べれば勝手に完成する


ストーリーとは、物語の一連の流れのことです。例えば『桃太郎』は、桃太郎が桃から生まれて、育ててくれたおじいさんとおばあさんと村人のために、鬼ヶ島に鬼退治に行く、というストーリーです。

でも、じつはストーリーにつながりを持たせようとしなくても、読者は勝手にシーンとシーンにつながりを見出して、ストーリーを作ってしまうんですね。

例えば、こんな感じです。

・甲子園に野球を見に行った
・お菓子をたくさん食べて幸せだった
・受験に落ちた


この3つのできごとはまったく関係がありません。テキトーに思いついたことを並べました。

でもどうでしょう?なんか関係がある気がしてきませんか?「受験前なのに、甲子園に行ったり、お菓子をたくさん食べたりして、そのせいで受験に落ちた」とか、そういうふうに読める気がしませんか?

このように、人間は全く関係ない事柄どうしでも、意味やつながりを見出してしまいます。

テキトーに書いた別々のシーンを並べるだけで、ストーリーは勝手にできるのです。

もう一つ例を挙げてみますね。全く関係ないシーンを3つ書きます。

・好きな女の子からフラれる
・大好きなラーメンをおなかいっぱい食べる
・お腹が痛くてトイレから出られなくなる

これに説明をつけてあげれば、ストーリーは完成します。

・好きな女の子からフラれる
・(フラれたショックで)大好きなラーメンをおなかいっぱい食べる
・(ラーメンを食べた翌日に)お腹が痛くてトイレから出られなくなる

どうすれば、早く小説を完成させられるか?


シーンをたくさん書いて並べれば、ちゃんと小説が完成することがわかったと思います。で、この方法で小説を早く完成させるための方法は、とてもシンプルです。それは、なるべく早くたくさんのシーンを書けばいいだけです。

どうすれば、たくさんシーンを書けるでしょうか?大切なことは3つあります。

①シーンどうしのつながりを考えない


つながりを考えると、アイデアが制限されます。アイデアが出ない人は、つながりを考えすぎてるわけです。

思いつくままにドンドン書きましょう。とにかく書く。大したものを書こうとしない。カッコつけない。

例えば、猫が浮かんだら、猫と書きます。どんな猫かな?うーん、じゃあ黒猫。目は緑。塀を歩いていて、足取りが美しい。どんなふうに美しい?品がある。貴婦人みたいな品がある。

「塀の上を黒猫が歩いていた。緑色の目で、足取りに貴婦人みたいな品があった。ぼくは足を止めて、じーっと見ていた。猫は逃げなかった。見られていることには、たぶん気づいている。それなのに逃げないのは、取るに足らない浅ましい人間にも自分を見る権利くらいはあげようという、憐れみのようなものを感じた。」

ほら、もうシーンが一つできました。小さなアイデアを、こうやって少しずつ膨らませるのがコツです。

書いていきながら必要なことがあれば、後から足せばいいわけです。とにかくまずは言葉を出す。シーンどうし、文章どうしに、どの程度つながりを持たせるかとかは、後で調整すれば良いわけです。

②思いついたらすぐ書く


思いついたらすぐ書く。スマホはこの点ですごく便利な発明です。ぼくは最近workflowyというアプリを使ってアイデアを出してから、最後にiPhoneに最初から入ってるメモアプリで、文章をまとめるようにしています。

思いついたら、すぐにworkflowyに一文でも一単語でも入力しておいて、後でテキトーに足していく。やっぱりテキトーが大切です。ちゃんとしたものを足そうとしない。

猫と書いた後にチョコレートが頭に浮かんだら、チョコレートを食べながら猫を見ていることにすれば良いし、猫に見とれてチョコレートが溶けてることにしてもいい。そうやって、シーンを増やせばいい。

このやり方では、よく練られたサスペンスとかは書けないのでは?と心配な人は、これだけは書きたいというシーン、トリックの重要な伏線とかを先に書いといて、その後に他のシーンをテキトーに書いたらいいと思います。

例えば、じつは宿敵の正体は生き別れの兄だったとかを書いといて、それ以外の要素、兄の性格とかはどうでもいいかなと思うなら、弟の邪魔をする奴を殺すとかって行動を書いておけば、それが弟想いな性格だよねって解釈につながるわけです。どうしても書きたいこと以外は、徹底的に手を抜きましょう。

③体調を整える


体調が悪いときは、小説どころか、死にたいとか、このクソがとか、会社爆発しろとか、そういうことばかり考えるクセが、ぼくにはあります。そんなときは小説どころではないです。そういうネガティヴな考えをそのまま小説に書けばいいという意見もありますが、それどころではない。体調が悪いときは、小説なんかどうでもよくなります。そうならないためにも、体調を整えましょう。

以上です。この記事がどなたかの役に立てば、とても嬉しいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?